Case Study

事例紹介

YDC SONARと連携したクラウドベースの社内基盤を構築し
データドリブンな事業運営を推進

世界有数の変速機専門メーカーであるジヤトコ株式会社。2011年から製造や品質管理等にYDC SONARを活用してきた同社は、データに基づく事業運営をさらに推進すべく、2023年にクラウド型データベースとYDC SONARの連携を実現し、百年に一度と言われる自動車業界の大変革への対応を着実に進めている。 その経緯や展望について、コーポレート品質保証部の伊藤氏と内山氏、デジタルソリューション部の吉野氏にお話をうかがった。

お客様に聞く

■事例紹介動画

 

100年に一度の大変革に向けSnowflakeとYDC SONAR を連携した基盤を構築。

二次曲線的に増加するデータをYDC SONARで素早く分析・活用し、企業競争力を強化。

 

全社的なデータ活用推進に向けYDC SONARと
Snowflake を連携した基盤を構築

̶  御社では2023年にSnowflake(クラウド型データウェアハウス)を導入されています。
その背景や経緯からお聞かせください。

 会社全体としてデータに基づいて迅速に意思決定を行うことを目的として、様々なデータを統合する社内基盤「Big Data Platform」を構築しました。その中で、データ分析の領域ではコストやセキュリティに優れていること、株主である日産自動車も採用していることからSnowflakeの導入を決めました。これにより、従来社内の基盤システムで使われていた生産や品質管理、財務の情報等をBig Data Platformで一元化し、日産自動車のデータともシームレスに繋がるようになっています。

̶  Snowflakeの導入とYDC SONARの活用について

 “我々が何を実現したいのか”という目的を基点として、Snowflakeを使ってどのように構築できるかという観点から他社サービスも含めて評価・比較検討しました。

 そして改めて継続してYDC SONARを利用することを決定しました。理由としては検索スピードが速いこと、そして複数ある接続先がどこにあるかなど、データの場所を気にせずに利用できること、SQLなどの専門知識が必要ないなど圧倒的に利便性が高いことが大きかったです。
 またユーザーの裾野が広がっており、これまで多く作成・活用してきたテンプレートを継続利用できる点も大きなアドバンテージでした。またクラウドベースに切り替えるという今回のコンセプトに沿わせることもできた点も導入ハードルを下げる要因の一つとなりました。

 今回、SnowflakeとYDC SONARをつなぐコネクタをワイ・ディ・シーさんに用意していただき、今では複数のスキーマに対しても繋がるようになっています。
 扱うデータ量はこれから二次曲線的に増加していくと見ています。これまでのように、故障や不具合だけでなく、走行車両からお客様の運転操作などのデータを取り入れれば、品質管理だけでなく、開発や部品設計などにも活かせるようになります。これまでYDC SONARに蓄積された活用のノウハウも含め、しっかり活かしてBig Data Platformの構築を進めていきたいと考えています。

素早く最新のデータを活用できるYDC SONAR は日常業務に不可欠な存在

̶  御社には2011年からYDC SONARをご利用いただいています。導入時に抱えていた課題や目的を改めて教えてください。

 当社は様々な情報やデータを所有していますが、2011年当時はそれが社内にバラバラに存在しており、データをうまく活用できていませんでした。そこでデータベースの一元化を目的にYDC SONARを導入しました。
 我々は様々な課題を解決するためにデータを活用するのですが、YDC SONARでデータを一元化することで検索性や分析・加工のスピードが圧倒的に向上しました。最新のデータに素早くアクセスできると、素早く判断ができ、素早く次のアクションを起こせるというメリットがあります。例えば品質保証部では、当社製品に不具合が発生してしまった場合に素早く対応できるようになり、お客様への影響も最小限に留めることが可能になりました。

̶  現在は社内でどの程度活用されていますか?

 品質保証部では、YDC SONARを活用した課題解決が日常に溶け込んでいる状態で、評価も満足度も高いと感じています。もし今YDC SONARが使えなくなったら、皆あたふたするのではないでしょうか。
 社内全体を見てもユーザーは着実に増加しています。一部のコアなユーザーたちが積極的に活用しており、そこから裾野が広がってきたという印象です。今では、海外拠点でもYDC SONARを活用しています。もっとも有効活用できているのは日本ですが、海外の生産工場に日本から出向した方が現地で教育をするなど、グローバルでデータ活用の土壌を作っているところです。
 実は、2011年の導入当初は軌道に乗るまで非常に苦労しました。YDC SONARのようなシステムを全社導入する際、どうしても情報システム部に頼りがちになるのですが、実際にツールを使って効果を実感できる人や部署がオーナーシップをもって周囲を巻き込んで推進する動きが重要だったと今振り返って思います。

̶  ユーザーとしてYDC SONARの価値やメリットは何だと思いますか?

 私も日常的にYDC SONARを活用していますが、直感的にデータを加工できる点が強みだと思っています。一般的にデータ加工は人のスキルに左右されがちですが、YDC SONARでは誰でも簡単に、意図した加工ができます。
 またYDC SONARに備わっているデータの加工・可視化を行うとその手順が自動的に保存されるテンプレート機能も便利ですね。テンプレートがあることで、例えば担当者が異動してしまった場合も、後任者が同じテンプレートを使って同じアウトプットを出せるので属人化を避けることができます。そうやって新たなユーザーがYDC SONARの利便性を実感して、自然と広まっていきますので、導入時のように頑張って推進活動をせずとも自然とユーザー数が増えていく状態になっています。

̶  YDC SONARを有効活用するために工夫されていることはありますか?

 データベースを活用する上では、データが正しく、かつ最新であることが非常に重要です。データの更新は当初は月に1度でしたが、その後は週1回、毎日1回と頻度が上がっていきました。これは“何のためにデータを使うのか”をユーザー側がしっかり意識した結果だと思います。
 必要とするデータ分析のためには週1回更新では間に合わないと分かれば頻度を上げるなど、自分たちで考えて設計しています。今では1日2回データベースを更新していますが、これにより夜勤の方でも、昼夜が逆転する海外でも最新のデータにアクセスできます。
 またデータを正しくアップデートすることにも神経を使っています。YDC SONARにデータを取り込む際に何らかのエラーが起きていないかなどをチェックする仕組みを作り、判断に耐えうるデータが入っていることをしっかり説明できる状態を維持しています。

増大する様々なデータを素早く分析・活用することで企業競争力を高める

̶  YDC SONAR活用における今後の展開・展望をお聞かせください。

 品質保証の観点ですと、従来はお客様がディーラーや販売店に持ち込んで修理等をしたタイミングでデータを得ていましたが、昨今は車が道路を走っている状態でネットワークを通じてデータを飛ばしてきますので、不具合等の情報をキャッチできるタイミングが格段に早まっています。そうした多くの情報にいかに素早く対処できるかが企業の競争力につながりますので、YDC SONARを用いたデータ活用が今後益々重要になると認識しています。

̶  今後YDC SONARに期待することはありますか?

 私の立場の重要な責務の一つは、データを元にいかに関係者を納得させて次のアクションに移せるか、ということです。そのため、データをより深く分析して、且つ、それを的確に見せることが求められるため、YDC SONARでもそうしたビジュアライズ機能がより強化されることを期待しています。

※取材日時:2023年12月
※記載の部署・役職名等は取材時のものです。

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