Work

事業内容を知る

プロジェクトストーリー

ケース1:物流改革
企業の競争優位性を創る

プロジェクトの概要

YDCは、国内を代表する小売業である某社様のITパートナーとして、物流改革プロジェクトを推進している。2018年には、LMS※1の導入で物流の可視化・一元管理を実現。さらに、各物流拠点の生産性向上・業務効率化を目指して、WMS※2の導入によって物流拠点の個別最適化に挑み続けている。掲げたのは「市場変化・業態変化、季節波動に、持続して対応可能な柔軟な物流」の実現。WMS導入プロジェクトを牽引する、若き技術者たちのチャレンジにフォーカスを当てる。

※1LMS(Logistics Management System)=物流管理システム。仕入から顧客への商品物流まで、全般を管理・統制する。
※2WMS(Warehouse Management System)=倉庫管理システム。倉庫に入荷したモノが出荷されるまでを管理するほか、在庫管理、貨物のロケーション管理、各種帳票作成などの機能を持つ。

Chapter.01

お客さまを知らずして、
価値を生み出すことはできない

かつて物流は、企業にとってコストであると考えられていた。しかし、現代において、その常識は完全に崩れ去っている。物流環境の変化に柔軟な対応ができるシステムの構築は、コストや適切な在庫管理はもちろん、タイムリーに商品を届けていく上で大きなメリットをもたらし、ビジネスの競争優位性を生むことになる。今回の物流改革は、その象徴的な取り組みであったと言えよう。
物流の可視化・一元管理を可能にするIT基盤の構築を経て、各物流拠点により生産性高く、より効率的なオペレーションを実現する。それが同プロジェクトのミッションだった。この重要なプロジェクトにエンジニアとして参画したのが、当時入社1年目の米光海人。同期入社の中でも、頭ひとつ抜けた技術を持つ期待のルーキーだ。
「さまざまな研修で手応えは感じていたものの、実際の開発は初めての経験。お客さまに確かな価値を提供したい。でも、自分にそれができるのか。期待と不安が入り混じる中でのスタートでした。常に心がけていたのは、お客さまの業務を学び、使う人のメリットを意識すること。とにかく、先輩たちに質問しまくっていた記憶があります。わからないことを放置したままでは、確かな価値を生み出すことなどできませんからね」(米光)
任されたのは、システムのデータベース処理のプログラミングとアプリケーションの画面開発 。右も左もわからない中で、プログラムの設計書を徹底的に読み込み、設計者とのコミュニケーションを密にした。物流・倉庫内のオペレーションを把握するために、必死になって勉強した。要求を満たす仕事ができたのは、米光の泥臭い努力があったからこそだろう。
「とくに印象に残っているのは、開発完了後、導入先の倉庫に運用テストのサポートに赴き、現場の皆さんに使用方法をレクチャーしたことです。自らが担当したシステムが実際に使われている。役立っている。私たちが支えていく現場を目の当たりにしたことで、この仕事のやりがいや意味を体感することができたと思っています」(米光)

Smart SCM 事業本部
ステムエンジニア

米光 海人

2020年新卒入社

Chapter.02

満足で終わるな。
感動の価値を生み出せ

 お客さまの「あるべき姿」を実現するために、よりよい価値を提案し、納得を超えた感動を創り出す。それが、YDCの仕事だ。本プロジェクトにおいて、その姿勢を体現したのが、SCM事業本部随一と謳われるエンジニア・島田英彦だ。表情ひとつ変えることなく、どれほどの難題も「できたよ」とサラッとこなす。そんなクールな彼を慕う後輩も多い。
 「本プロジェクトでは、倉庫業務で使用するハンディアプリの設計・開発を任されました。タグに記載されている2段バーコードを同時に読み込む。読み込み後、次のバーコードスキャン時に自動で前データの登録を行う 。現場の業務負担を解消する機能を提案し、実現しました。同じオペレーションを繰り返すことが多い倉庫業務においては、1つのオペレーションを省略するだけでも確かな効率向上が見込めるんです」(島田)
 島田の価値創造は、システムの機能だけに留まらない。今回のプロジェクトでは、設計書から自動的にソースコードを生成する仕組みを独自に開発・導入したのだそうだ。このチャレンジによって、工数の削減はもちろんのこと、品質向上にも大きなメリットが生まれている。
 「この仕組みの狙いは、テストにより多くの時間を割けるようにすること。あらかじめトラブルの芽をつぶしておくことができれば、品質は自ずと向上していきます。こうした提案やチャレンジを『やってみなよ』と後押ししてくれるのが、YDCの大きな魅力。『そんなヒマがあるなら、さっさとプログラムを書け』なんて頭ごなしに否定する会社も、世の中にはたくさんありますからね」(島田)

Smart SCM 事業本部
システムエンジニア

島田 英彦

2018年キャリア入社

Chapter.03

想いをひとつに、
プロジェクトを成功に導く

 WMSの全国6拠点への導入を終えたところで、本プロジェクトの第1段階は完了。現在は、さらに1センターへの導入を行うべく、第2フェーズに移行したところだ。そのプロジェクトにおいて、YDC内部の領域リーダーに抜擢されたのが次世代のリーダー候補の荒井慶だ。
 「かなり昔ですが、入社2年目、このプロジェクトの前に行われたLMS導入プロジェクトに携わらせていただきました。あれから、4年。さまざまな物流プロジェクトを経験し、比べものにならないほど成長した自負もありましたし、思い入れのあるお客さまのプロジェクトで初めてのリーダーを任されたことに不思議な縁を感じていました。今の私に何ができるのか。プロジェクトアサインの瞬間は、身震いしてしまったほどです」(荒井)
 WMSの導入は、倉庫業務を一元管理し、業務効率化等最適化を実現するためのもの。しかし、同じシステムであっても拠点が違えば業務が変わる。その全拠点に対応したシステムを構築していく必要があるわけだ 。荒井がリーダーとして、常に意識していたのは、各メンバーに仕事の「目的」と「お客さまの業務に対する知識」を持たせることだったという。
 「どの拠点も同じというわけではなく、面積も違えば、扱う商品の特性、使用するマテハン機器なども変わります 。その中で、自分たちが今している仕事により、倉庫現場にどのような価値を提供できるか。認識を共有し、想いをひとつにしなければ、プロジェクトを成功させることはできない。そう考えてチームをまとめていきました。正直、『ああすべきだった』『もっといい方法があったのでは』と後悔することもありますが、すべての経験が貴重な財産になっているんです」(荒井)

 初めての開発に全身全霊で挑む。納得を超える価値を創造する。チームをひとつに、プロジェクトを牽引する。それぞれに確かな価値を生み出した彼らは、早くも次の未来に視線を向けている。

「もちろん、手応えは感じています。ですが、私にとって、このプロジェクトはすべてのはじまり。自分に足りないものはまだまだ多いですし、技術追求に対するモチベーションも高まっています。プロジェクトの最前線で活躍する先輩たちのように、どのような難題にも応えられる技術のスペシャリストを目指したいと思っています」(米光)
「お客さまの課題を自らのアイデアと技術で解決する。この仕事の面白さを再認識する機会になったと思います。ただ、自分の仕事に『やってやったぞ』なんて手応えを感じることもなければ、アウトプットを自慢したりする気も起きません。技術者であるならば、課題解決を生業としているならば、価値を提供することは当たり前ですからね」(島田)
「今回の物流改革は、私が尊敬する上司がプロジェクトマネージャーを務め、牽引してきたプロジェクトです。お客さまの期待に応え、お客さまが望む未来を実現する。その背中を追い続けて、今、私はここにいます。まだプロジェクトは継続中。お客さまや尊敬する上司に、認められる成果を出していきたいですね」(荒井)

 小売業の物流を、ITの力で支える。そのチャレンジは、これからも続いていく。

Smart SCM 事業本部
システムエンジニア

荒井 慶

2017年新卒入社