意外と簡単Standby Express インストール

2016.11.28

こんにちは! YDCの ろっきー です。
今回の内容は「意外と簡単Standby Express インストール」です。

Standby Express はデータベースの障害復旧時の RTO(復旧に要する時間) と RPO(復旧で戻される時点) の短縮を低コストで実現することができる災害対策およびバックアップのためのソフトウェア製品です。

YDC 独自のソフトウェア製品「Standby Express」は、インストールも簡単なのがセールスポイントの1つとなっています。
そこでインストールの流れと、お客様がご自身でインストールする際に間違えやすいポイントを説明したいと思います。

Standby Express をインストールする際の流れは、以下のようになっています。

1. インストール前の作業
  1. StandbyグループのコンピュータへのOracle Database インストール
  2. Primary グループ、Standby グループのコンピュータにてその他の設定
  3. 設定情報入力シートの作成
  4. プロパティ・ファイルの出力
2. インストール
  1. Primary グループのコンピュータへのStandby Express インストール
  2. Standby グループのコンピュータへのStandby Express インストール
  3. Primary グループ、Standby グループのコンピュータにてライセンスファイルの入れ替え
  4. StandbyグループのコンピュータへのOracle Database インスタンスの作成
3. インストール後の作業
  1. Primary グループ、StandbyグループのコンピュータへのGUIコンソールのインストール
  2. Standby グループのコンピュータにてStandby データベースの構築
  3. Standby Express の起動
  4. 動作確認

以降それぞれの作業の間違えやすいポイントについて、もう少し詳細に説明します。

「1.インストール前の作業」

お客様が間違えやすいのは、「③Primary グループ、Standby グループのコンピュータにてその他の設定」と、
「④設定情報入力シートの作成」です。

「③Primary グループ、Standby グループのコンピュータにてその他の設定」では、
以下3点の設定で間違われるケースが多く見られます。

「アーカイブ・ログ・モード関連のパラメータ設定」
Standby Express を導入する場合、アーカイブ・ログ・ファイルの出力先の指定には、log_archive_destではなく、
log_archive_dest_n を使用する必要があります。これはStandby Expressの仕様による制限となります。
既存環境でアーカイブ・ログ・ファイルの出力先指定に log_archive_dest を使用している場合は、
必ずlog_archive_dest_nを使用するよう変更をお願いします。

また、アーカイブ・ログ・ファイルの出力先には、十分な空き領域が必要です。
Primaryグループ、Standbyグループのコンピュータにてアーカイブ・ログ・ファイル出力先のディスク容量を
確保できない場合、実際の運用開始後Primaryグループでアーカイブ・ログ・ファイルが出力出来ず、
Standby Express の運用が停止するだけでなく、Oracle自体がダウンしてしまう危険性もあります。
PrimaryグループとStandbyグループでは、アーカイブ・ログ・ファイルの出力先のディスク容量を
十分に用意することをお薦めします。
「強制ロギング・モードの設定」
NOLOGGINGモードは最小限のREDOログしか生成しません。
NOLOGGINモードのままではStandby データベースに変更が伝播しません。
Standby Express を導入する場合、強制ロギング・モードの設定が必須となります。
「リスナーの静的サービスの構成」
動的サービス構成のままではリスナーがStandby データベースの接続を受け付けません。
Standby Express を導入する場合、静的サービス構成の設定が必須となります。
静的サービス構成になっているかはコマンドで簡単に確認できますので、ぜひ忘れずに
インストール前にご確認ください。

「④設定情報入力シートの作成」では、以下5点の設定で間違われるケースが多く見られます。

「アーカイブ・ログ・ファイル 格納場所 - 拡張子」
アーカイブ・ログ・ファイルの出力先がファイル・システムの場合、アーカイブ・ログの拡張子を入力します。
例えば拡張子が「.log (ドットログ)」と設定されている場合、そのまま「.log (ドットログ)」と設定
してしまいがちですが、正しい設定値は「log (ログ)」となります。
「log_archive_dest_n」
アーカイブ・ログ・ファイルの出力先を指定しているOracle初期化パラメータlog_archive_destの番号を入力します。
例えばアーカイブ・ログ・ファイルの出力先を log_archive_dest_1 で指定していれば、「1」を設定します。
「グループ名」
グループ名を日本語、特殊記号と全角英数字を使って指定した場合、Standby Expressの
インストールは行えますが、主要な処理動作時に適切に情報が反映されません。そのため、
グループ名は半角英数字のみで指定してください。
「同期転送用ホスト」
ファイル転送などStandby Expressの通信を行うホスト情報を入力します。
ホスト名/IPアドレスでの指定が可能です。他のノードにフェイルオーバするVIPは指定できません。
「リスナーアドレス」
該当ノードのOracleインスタンスに接続するためのリスナーアドレスを指定します。
デフォルトはホスト名と同値となります。RAC構成の場合は、VIPを指定ください。

「2.インストール作業」

Standby Expressのインストール方法としては、以下2つ挙げられます。

  1. -インストーラを利用したインストール
  2. -コマンドラインによる非対話式(サイレント)インストール

<インストーラを利用したインストール>
インストーラを利用した場合は、以下のような流れでインストール作業を進めることができます。

  1. 1.Standby Express インストーラ画面(1/8)
sbex_5_1.png

プログラム使用権許諾所に同意する場合、「同意する」にチェックし、「次へ」をクリックします。

  1. 2.Standby Express インストーラ画面(2/8)
sbex_5_2.png

「読込ファイル」にプロパティ・ファイルのパスを指定し、「次へ」をクリックします。

  1. 3.Standby Express インストーラ画面(3/8)
sbex_5_3.png

プロパティ・ファイルの読み込みが行われ、設定内容が表示されます。
表示内容に誤りがある場合は、設定情報入力シートの内容を修正後、再度プロパティ・ファイルを作成し、再読み込みさせます。
表示内容に問題がないことを確認し、「次へ」をクリックします。

  1. 4.Standby Express インストーラ画面(4/8)
sbex_5_4.png sbex_5_5.png

パスワードを全て入力後、「次へ」をクリックします。

  1. 5.Standby Express インストーラ画面(5/8)
sbex_5_6.png

設定ファイルの出力先パスを指定し、「次へ」をクリックします。

  1. 6.Standby Express インストーラ画面(6/8)
sbex_5_7.png

設定ファイルを出力したことを示す内容が表示されます。

  1. 7.Standby Express インストーラ画面(7/8)
sbex_5_8.png

「値検証とインストール実行」をクリックします。

Step 1 では、インストール前の環境検証、一時フォルダへのソフトウェア展開が行われます。

sbex_5_9.png

Step 2 では、設定ファイルの検証が行われます。

sbex_5_10.png

Step 3 では、Standby Expressのソフトウェアのインストールを行います。

sbex_5_11.png

Step 4 では、Standby Expressのソフトウェアのインストール後に必要な処理を行います。

sbex_5_12.png

「1.インストール前の作業」にて作業漏れや設定ミスがある場合は、Step 1~Step 4の実行中にエラーメッセージが表示されます。
エラーメッセージの内容を基に対処を実施し、改めて「値検証とインストール実行」を行ってください。

  1. 8.Standby Express インストーラ画面(8/8)
sbex_5_13.png

「値の検証とインストールが完了しました」というメッセージダイアログが表示されれば、Standby Express のインストールは
完了です。ダイアログの「OK」をクリックし、インストール画面の「終了」をクリックします。

<コマンドラインによる非対話式(サイレント)インストール>
コマンドラインによる非対話式(サイレント)インストールの場合は、以下のような流れでインストール作業を進めることが
できます。

  1. 1.必要なファイルの準備

インストール対象のコンピュータで出力したファイル(設定ファイル、ライセンスファイル、レスポンスファイル)を用意します。
正式版のライセンスファイルを取得済みであれば、このタイミングでライセンスファイルを入れ替えます。
インストールを開始するには、コマンドプロンプトより以下のコマンドを実行します。

cd /d \bin
SbexInstaller <設定ファイル保存先フォルダ>

  1. 2.インストールの実行

手順1.を実行するとインストールが開始されます。
表示されるメッセージは、インストーラを利用した場合と同一です。
全ての処理が終わり、「Standby Express installation complete successfully!!」と表示されれば、インストールは成功です。
Enterキーを押下してインストールを終了します。

「1.インストール前の作業」において、作業漏れや設定ミスがなければ「2.インストール作業」にて
失敗する可能性はほぼありませんが、発生しやすいエラーとしては以下が挙げられます。

Standbyグループにアーカイブ・ログ保存先ディレクトリが存在しない

Standby グループにアーカイブ・ログ保存先ディレクトリが存在しているか確認してください。
アーカイブ・ログ保存先ディレクトリは、Primaryグループと同じディレクトリパスにしてください。

Standby グループにバックアップ出力先ディレクトリが存在しない

Standby グループにバックアップ出力先ディレクトリが存在しているか確認してください。
バックアップ出力先ディレクトリは、Primaryグループと同じディレクトリパスにしてください。

アーカイブ・ログ・ファイルの保存期間が、Oracle初期化パラメータcontrol_file_record_keep_timeより
小さく設定されている

Oracle初期化パラメータ control_file_record_keep_timeの値を確認してください。
例えば、アーカイブ・ログ・ファイルの保存期間を7日間に設定したい場合は、
Oracle初期化パラメータcontrol_file_record_keep_timeの値を 8 以上に設定して頂く必要があります。

「3.インストール後の作業」

「2.インストール作業」まで進めば、Standby Express の構築が全て終わるまでもう少しです。
Standby データベースの構築を行うために、GUIコンソールをインストールします。
以下のような流れでGUIコンソールのインストール作業を進めることができます。

  1. 1.GUIコンソールインストーラ画面(1/5)
sbex_5_14.png

「次へ」をクリックします。

  1. 2.GUIコンソールインストーラ画面(2/5)
sbex_5_15.png

    インストール・フォルダを指定し、GUIコンソールをコンピュータの全てのユーザもしくは、
    現在ログイン中のユーザのみにインストールするかを選択し、「次へ」をクリックします。

  1. 3.GUIコンソールインストーラ画面(3/5)
sbex_5_16.png

「次へ」をクリックし、インストールを開始します。

  1. 4.GUIコンソールインストーラ画面(4/5)
sbex_5_17.png
  1. 5.GUIコンソールインストーラ画面(5/5)
sbex_5_18.png

インストール完了後、「閉じる」をクリックしてインストーラを終了します。
ディスクトップにGUIコンソールのアイコンが作成されていることを確認します。

この後はStandbyデータベースの構築となります。
HDDの空きに問題がない場合は、インストールしたGUIコンソールからボタン1つでStandbyデータベースの構築を実行できます。
仮にHDDの空きが不足していても、ディスクの増設や外付けHDDを用意することが出来る場合は、Standby Express の複製機能を使ってStandby データベースの構築が可能です。

一方、HDDの空きが少ない状況でStandbyデータベースを構築しなければいけない場合や、ネットワークの帯域に問題が
ある場合は、Standby Express の複製機能は使わず、マニュアル操作によるStandby データベースの構築を実行しなければ
なりません。

マニュアル操作によりStandbyデータベースを構築する場合、やはりStandby Express の複製機能を使って構築する場合と
比較すると作業の難易度は上がります。しかしStandby Expressのドキュメントではマニュアル操作によるStandbyデータベースの
構築方法も詳しく記載させて頂いております。ぜひマニュアルをご参照ください。

なおインストール時に正式版ライセンスファイルの入れ替えを行わず、そのまま運用を開始してライセンスファイルが期限切れと
なってしまうケースもよくお問合せ頂きます。ライセンスファイルが期限切れとなると、サービスが起動できずStandby Expressを
ご利用頂けなくなります。
正式版ライセンスファイルの入れ替えは、インストール作業中、インストール後どちらでも問題ありませんが、
忘れずに実施ください。


以上がStandby Express のインストールの流れと、お客様がご自身でインストールする際に間違えやすいポイントを紹介しましたが
いかがだったでしょうか。
本コラムを読んでStandby Express をぜひインストールして試してみたいと思われた場合は、ぜひ弊社までご連絡ください。

Standby Expressに関するお問合わせ

  • TEL 042-333-6217
  • FAX 042-352-6101
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