YDC Forum2014開催レポート

ボーダレス市場で勝ち続ける製造業の情報戦略
導入事例、ソリューションなど多彩な内容

 YDCは7月18日(金)午後、東京・秋葉原の秋葉原コンベンションホールにおいて、「ボーダレス市場で勝ち続ける製造業の情報戦略」をテーマに初めてのプライベートフォーラムを開催しました。来場者は首都圏に留まらず、中部、関西や東北、中国地方などから製造業のお客様を中心に約170名を数え、セミナー終了後の懇親会も大きな盛り上がりを見せました。
 現在、YDCはソリューションコンセプトとして"VCycle"を掲げています。これは製造業の製品のライフサイクルを最適化するためのソリューションです。今回のフォーラムでは、目まぐるしい世界情勢の変化と加速する市場のボーダレス化に対応するために、製造業は何をすべきかを、VCycleの3つのV、Vision=経営視点、Value=価値向上、Victory=競争力強化、それぞれの切り口で考えるというものでした。
 ベストセラー著書「現場力を鍛える」で有名な遠藤功(えんどう いさお)氏の基調講演に始まり、顧客企業の導入事例、製造業向けソリューション、また各界の有識者による特別講演など全10セッションのプログラムはいずれも好評で、来場者からは「タイムリーでとても良い企画。次回も参加したい」「専門性の高いセッションだった」など、本フォーラムを高く評価するコメントが多数寄せられました。

"現場力"こそが競争力向上の源泉。キーワードは"言える化"
遠藤氏の講演に共感の輪広がる

YDC代表取締役社長、三奈木輝良の挨拶に続き登壇したのは、早稲田大学ビジネススクール教授で、欧州最大の戦略コンサルティング会社である株式会社ローランド・ベルガー会長の遠藤功氏。同氏は「現場力とリーダーシップ~世界で勝つための日本の戦い方」と題する基調講演を行いました。

遠藤氏は講演の中でまず、「現場の気づきやアイデアを、自由に言えるような場をつくる、"言える化"が重要」とし、「競争力は企業活動のオペレーションの現場にある」と指摘。続いて、具体的な事例を紹介しながら、「企業の競争力は分厚い中期経営計画書や本社の会議室にはない。企業活動のオペレーションの現場にこそ存在する。成果を創出するのはあくまで現場だ」と強調しました。

来場者からは、「"言える化"というのが大変参考になった。自分の組織でも取り組んでみたい」「改めて、現場の力、の重要性を確認できた」「大変感激した。現場の力、非凡な現場は魅力的。こんな職場で働きたいと思える職場にしたい」といった多くの感想が寄せられ、遠藤氏の講演内容に共感の輪が広がりました。

重要なデータ連携基盤構築
成長のカギ握るコスト戦略

基調講演に続きテーマ別セミナーが開催され、テーマごとの導入事例講演、ソリューション講演、および特別講演が行われました。最初のテーマは「Vision(経営視点):グローバルで勝ち続けるための経営情報可視化と情報基盤構築」。

「はかりのイシダ」で知られる業務用計量機器メーカの株式会社イシダ。同社SE部の小山浩氏は「グローバル化を見据えた経営情報連携基盤の構築事例」と題し、同社が取り組んだデータ連携基盤構築プロジェクトについて説明しました。小山氏は、プロジェクトを成功裏に導くためには、データ連携の方法を少しでも早く調査することの重要性や、自社の状況に見合ったツールの選定、他部署との密接なコミュニケーションが重要と語りました。

また、特別講演では株式会社ダイモス・コンサルティング副社長の瀬川裕之氏が「企業の成長と革新の秘密は、コスト戦略にある!!」と題して講演を行いました。瀬川氏はコスト戦略を"戦略コスト"、"理想コスト"、"目標コスト"の3つの視点で捉えることの重要性を指摘し、「自律的に戦略を持って取り組むことが、企業の持続的成長には不可欠」としました。

一方YDCは「ライフサイクルコスト管理のすすめ」と題して講演。製品原価を正しく評価するためには、製品ライフサイクルでみた目標設定とシミュレーションを用いたコスト管理手法とソリューションを紹介しました。

設計業務の変革、暗黙知の可視化実現
PLM導入は柔軟性がポイント

2つ目のテーマは「Value(価値向上):ブラックボックスから標準化へ、設計改革を定着化させるPLMとは」。

まず、横河電機株式会社IAプラットフォーム事業本部の野中雅允氏が登壇し、「横河電機における製品開発力強化、開発プロセス改革事例~新設計業務への変革、技術伝承の実現と継続の方法論~」と題し、独自の開発プロセス改革方法論に基づいた取り組みについて講演しました。野中氏は、本プロジェクトを通じてこれまで「有識者しかわからない暗黙知を可視化する手法が得られた」とし、プロジェクトの意義を強調しました。

また特別講演では、アラスジャパン合同会社社長の久次昌彦氏が「設計と製造をつなぐPLM構築のポイント」について、サプライチェーンまでを見据えたPLMの実現方法について解説しました。この中で久次氏は、PLMシステム導入のポイントとして、「業務フローに合わせて柔軟に構築できること、長期的にデータを活用できるようにすることなどが重要」としました。

YDCは「自動車部品メーカの海外展開を支えるPLMソリューション」と題し、今後避けることができない設計業務の海外展開における課題とその解決手法を、事例を交えながら紹介しました。

始まった製造業でのビッグデータ活用
技術伝承に関心集まる

3つ目のテーマは「Victory(競争力強化):製造業のビッグデータを競争優位のものづくりに活かす」。

本テーマではまず、JFEスチール株式会社スチール研究所の茂森弘靖氏が「鉄鋼製品の品質管理への統計的手法の応用」と題し、製鉄所に蓄積されている大量の操業・品質データを有効利用する方法について講演しました。

特別講演では、「ものづくりビッグデータ、今できることは?」と題して、株式会社チェンジ取締役・ビッグデータマガジン編集長の高橋範光氏が製造業におけるビッグデータの活用事例を紹介するとともに、その効果などについてわかりやすく解説しました。

一方YDCは「過去データの活用で製造現場の技術伝承を容易に実現~技術伝承ソリューション S-KRAFT」と題して、技術者のノウハウをシステム化する事例について紹介。今日、多くの製造業が製造現場の技術の伝承を重要な課題として認識しているだけに、「詳細な説明を聞きたい」との声が上がるなど本ソリューションに注目が集まりました。