「スーパー安納いも」で種子島の未来をつくる!【Vol.4】

さまざまな分野のスペシャリストが支える、「スーパー安納いもプロジェクト」

INTRODUCTION

濃厚な甘みで根強い人気の「安納いも」。よりおいしい安納いもを安定的に生産し、たくさんの人においしく食べてもらう。それをブランド化することで、産地である種子島の未来を守る。そんな「スーパー安納いもプロジェクト」に共同で取り組む京都大学と種子島をYDCはサポートしています。

そのプロジェクトの取り組みをお伝えしてきた本コラム、Vol.1~3は『研究者』である京大チームと『スポンサー』であるYDCの取り組みについてご紹介しましたが、Vol.4からは『生産者』の代表として有限会社西田農産の代表取締役 西田春樹様、『生産者と研究者を繋ぐ』西之表市役所 濱尾大悟様、そして安納いもを世界へ広めるための『マーケティング』を行う株式会社ゼウスクリエイトの代表取締役CEO 山中政幸様、企画事業部ディレクター 佐藤健郎様にもご参加いただき、プロジェクトへの想いや地元の反応を伺いました。

「スーパー安納いもプロジェクト」への参加のきっかけは?

西田農産代表取締役 西田様 私は平成14年に西田農産を立ち上げ、今は約100ヘクタールの直営農場を管理しています。100ヘクタールの農場のうち、80ヘクタールで安納いもを育てているんです。スーパー安納いもプロジェクトへの参加のきっかけは、京都大学の加納先生からお話をいただいたことでした。プロジェクトの構想を聞いて、一農家として大きな期待を抱きました。私自身、安納いもの味や品質の"バラツキ"を体感していましたし、生産・販売する中で一番のネックとなっていました。これまでも解決のためにいろいろ取り組んできたのですが、なかなかうまくいかなかったんです。

3F3A0693.jpg

これまで種子島の安納いもは、ブランド化をしていく上で何を基準にするのかという明確な"ものさし"がなかったんです。これまで、いくつかのいものBrix値(糖度)を測って基準値を超えればいいとしてきましたが、それでは十分でないと感じてきました。例えば20アールもある畑で生産されたいものうち、たった5個のいものBrix値を計測するとします。それで畑全体の作物の評価をしてしまうというのは、私は不十分だと思うんです。安納いもにバラツキがあることを知っているからこそ、現状の検査を通過しても自信を持って売れない。だからなんとかいもを切らずに味を検査できる「非破壊検査装置」ができればなという気持ちをずっと持ち続けてきました。なのでこのプロジェクトによって、非破壊でおいしさを数値化できるようになれば、自信を持って日本全国そして海外に向けて種子島の安納いもを送り出すことができるようになると確信しています。

地元の生産者さんの反応はいかがですか?

西田農産代表取締役 西田様 不安もありますが、プロジェクトへの期待感は大きいです。プロジェクトの成果によって、自分たちも大きく助けられるはずですからね。だからこそ労力を費やす価値はあると思うし、そういったことをやっていかないと本当の意味での農業はできないと私は思うんです。それに私たち生産者は科学に関しては素人ですが、何もわからない人たちが経験上の意見を自由に言うことが、研究を行う先生方のハッとするような気づきに繋がるのではないかと思うんです。農業だってそうです。ずっと農業をやってきた人たちは、何か大きく変えようというより、それを継承していくというスタンスですよね。でも新しく参入した人は、模索しながら新しいものを取り入れてくれる。いろんな意見はあると思いますが、その点では新しい視点というのはプラスかなと思ったりするんです。

3F3A0742.jpg

このプロジェクトが始まる以前も、私たち種子島の生産者は肥料の与え方や配分・排水・微量要素などを試行錯誤して、おいしい安納いもを作るために試験を重ねてきました。しかし、これが一番よい条件だと言い切れる結果がまだ出てないんです。種子島以外にも、安納いもの産地として歴史がある地域はいくつかあります。そういう地域に行って話を聞くと、地域によって土壌や気候風土が異なるので、それに応じた育て方をしているんですよね。つまり、種子島にも種子島の土壌にあったやり方があるはずなんです。特に種子島は、30万年前に周りの島々で火山が爆発するとき、海底からせり上がってきたという歴史を持ちます。だから土壌が他の地域と大きく異なると思うんです。数十キロしか離れていない隣の島で作られた安納いもと比べても、その違いは歴然です。他の作物の生産に関しても、それを痛感しているんです。

そうやって私たちが生産する中で体感してきた"感覚"を、ぜひこのプロジェクトで数値化してもらえたらうれしいですね。それは生産者の自信につながると思いますから。

栽培条件の"電子化"に対して、地元の皆さんのリアクションは?

西之表市役所 濱尾様 私は種子島の西之表市役所の農林水産課に所属しています。今年4月からスーパー安納いもプロジェクトの担当に着任し、加納先生とやりとりをさせていただくようになりました。その時に、栽培の方法や貯蔵の方法がどのように安納いもの味に影響してくるのか、データを収集・集積したいという話をいただいたんです。

3F3A0804.jpg

以前から種子島の生産者の方には、肥料や水やりの回数や量など生産の事細かな履歴を残してもらうための台帳というものを書いてもらっていたのですが、その内容を修正したのがスタートでしたね。あとはスーパー安納いもプロジェクトのロゴマークの決定には、私たちも参加しました。産地の意見も参考にしてもらってロゴマークは決定したんです。

加納教授 やはり僕たち研究チームが直接農家さんにお話を伺うのは難しいことです。だから濱尾さんは、地元の皆さんとの大切な窓口になってくださっているんです。おかげで情報を共有しあえています。

西之表市役所 濱尾様 今は農家さんが書いた台帳を私がエクセルでデータ入力して加納先生にお渡ししています。台帳の内容を修正するにあたって戸惑いも大きいかと思っていましたが、プロジェクトの目的ややり方、データの意味をきちんと説明すると地元の生産者さんもすんなり受け入れてくれました。

おいしいいもを見分けられるようになれば、安納いもの品質が担保されます。非破壊で全量検査ができれば、おいしくないいもが外部に出ていかない。ひいては安納いもの評価、市場の評価に繋がりますので、プロジェクトがうまく運べばいいなというふうに思っています。

3F3A0701.jpg 3F3A0778.jpg 3F3A0801.jpg

  • LINE
  • Mail