「スーパー安納いも」で種子島の未来をつくる!【Vol.2】

おいしいおいもを育てる条件、光で甘さを見分ける技術

INTRODUCTION

濃厚な甘みで根強い人気の「安納いも」。よりおいしい安納いもを安定的に生産し、たくさんの人においしく食べてもらう。それをブランド化することで、産地である種子島の未来を守る。そんな「スーパー安納いもプロジェクト」に共同で取り組む京都大学と種子島を、YDCはサポートしています。

プロジェクトはどんな体制で進められているのですか?

加納教授 コアになってプロジェクトを進めているのは、僕たち京都大学のメンバーと種子島西之表市の市役所の方々と農家さん。そしてYDCさんには、スポンサーという形でサポートをしていただいています。また、現地の中種子町や南種子町の方々にも協力していただいています。

20180823-imo2-11.jpgYDC 辻 加納先生とは、10年ほど前からやり取りをさせていただいていたんです。そのなかで「スーパー安納いもプロジェクト」が始動するというお話を伺いました。このプロジェクトの核となるのは、先生の専門である「データ解析」の分野。弊社の品質情報解析ソフトウェア「YDC SONAR」をはじめとする事業とも強く結びついてきます。また「地域を盛り上げていく」というプロジェクト全体の目的を知ったこともあり、サポートしたいと思ったんです。それでスポンサーという形で、仲間に入れていただくことになったんですよ。

「おいしいおいもを育てる条件」をどうやって研究しているのですか?

加納教授 現在は「生産・選別方法の確立」と「最適な調理方法の解明」というアプローチから研究を進めていて、僕は生産・選別の分野を担当しています。

おいしいいもを作るためにまず重要なのが、育てている畑の「土」。土壌の検査をして、安納地区とそれ以外の地区、種子島と鹿児島の本土とでどう違うのか比較しようとしています。そして土の次に重要になるのが「栽培と貯蔵条件」です。降雨や日照、肥料の種類や量、さらに収穫後の貯蔵状態によって、いもの出来映えが変わるため、どのような条件でどのようないもが採れたのかというデータを集めているところです。

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この取り組みをスタートするにあたって、地元の農協に「過去の栽培データがどれくらいありますか?」と問い合わせたことがありました。その時返ってきたのが「軽トラ1台分ですかね」という答え。栽培や出荷の履歴は、農家さんたちの手でとても細かく残されているのですが、すべて手書きの紙のデータだったんです。農家さんには、パソコンやタブレットを使ったことがないという高齢の方が多いんですよね。ですが今年からはいくつかの農家さんたちが協力してくださり、データを電子的に残す取り組みがスタートできました。今後はこのデータの解析を行って、安納いもの品質向上につなげていく予定です。

おいもを切らずに「味」を調べるシステムとは?

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加納教授 今、種子島では「甘さの指標となるブリックス(Brix)値が10.7以上ならば安納いもとしてブランド認定する」という基準が設けられています。ですが、出荷するすべてのいもの糖度を調べているわけでなく、抜き取り検査でいくつかのいもを蒸してすりつぶして検査しているんです。でも安納いもは同じ畑で育てても味に差が出るので、抜き取り検査で十分な品質保証をするのが難しいんですよね。なので、僕たちのグループで研究してきた「非破壊検査技術」を応用して、近赤外光を当てて糖度を測る仕組みを開発しています。この検査方法なら切ったりつぶしたりしないので、出荷するすべてのいもの糖度を調べることができます。

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難しいのが、測定するのは生のいもなのに、知りたいのは加熱した後に甘くなるかどうかだというところ。それに1個の安納いもでも、計測する位置によって甘さが違うんですよ。それをどうやって評価するのか、学生と一緒に考えているところです。

この検査技術を確立して、「安納いも」の品質を安定化させた後、今よりももっと高い糖度に基準を設けた「スーパー安納いも」をブランド化させたいんです。

 

 

「おいしい焼き方」はどうやって研究しているのですか?

中川准教授 小林助教授 生産や選別という加納先生の技術で甘さが約束された「スーパー安納いも」がおいしくなる焼き方を、僕たち農学研究科のメンバーで研究しています。

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「おいしさ」というものは個人によって異なるというのが難しいところですが、糖度などの数値としてのデータはもちろんのこと、味のプロであるお菓子職人さんにも協力していただいて、官能評価という部分からもアプローチしているところです。

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【安納いもの豆知識Ⅱ】他のさつまいもとの違いは?

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加納教授 普通のさつまいもって食べた時の食感が「ホクホク」していますけど、安納いもは水分が多めで「ねっとり」してるんですよね。あと甘さがとても強いです。形もよく見かけるさつまいものような細長い形ではなくて、小さくて丸い形をしています。さつまいもの仲間としては、かなり変わったおいもという感じですよね。

中川准教授 ですね。見た目としても、色もかなり薄めというか、ちょっと茶色がかっていて、他のさつまいもとは違った印象ですよね。

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