今振り返る、見通し管理改革の裏側エピソード

2019.02.14

取締役副社長 飯田

「見通し管理改革」としてYDCの経営管理にシステムを導入して早10年。
Excelファイルの管理による効率の低下、見通し管理の精度の低さ、極端な属人化などのさまざまな課題を解決し、見通し管理改革は成功。今もなお運用においてPDCAを回しています。

全5回の本コラム

第1回はシステムを導入する10年前までの管理の実態
第2回は導入による効果
第3回は営業組織の大き変化

についてお伝えしてきました。

今回は、これまでの3回のコラムではお伝えしきれなかったシステム導入時の苦労した点や、こだわった点などをいくつかご紹介しようと思います。

■too muchなシステム導入?

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YDCが10年前に導入したのは、その以前から取引のあった某大手のシステムでした。導入費用も数千万円と相応のもので、当時の日本で導入しているとしたら一部上場の大手で本当に限られた企業のみでしょう。当時300人程度のYDCには明らかにtoo muchなものだったと今でも感じます。

しかしハイエンドなシステムを導入し、同時に社内の運用フローも一新し、抜本的に仕組みから変えたいと考えていたため、この投資に踏み切りました。その投資対効果には満足しています。

予算計画の作業効率のみを考えても、当時のExcelオペレーションは50人以上が数ヶ月にわたって携わる一大プロジェクトでしたから、それが大幅に削減されただけでも年1,000万円程度の削減効果はあります。

■管理会計を一新

10年前の管理状況では、見たい数字が見られないというジレンマがありました。特殊な原価計算を行っていたため、出てくる数字の有効性や信頼性に疑問が残っていたのです。

通常、会計系のシステムを導入するには大掛かりになる財務会計や販売管理の仕様を念頭に考え、次いで管理会計やデータベースのあり方を考慮していくというプロセスを取りがちですが、我々は管理会計の視点を第一に考え、経営陣ががクリアにしたい、取りたい原価部分の数字から着手しました。

原価計算の手法を変更し、新たに定義を統一し、本来あるべき管理会計の仕組みを整えた上で財務会計のルールに反映していきました。隅々まで使えるシステムでなければ意味はありませんから、財務会計のルール・定義を見直すのと同じくらいの時間をしっかり取ったのは良い判断だったと考えています。

■組織変更にどう対応する?

難しいと感じたのは、組織変更の多さにどう対応していくかという点です。YDCは活発に組織変更がなされるため、どの時点の組織でトレンドの数字を見るかは思案している点です。

現在立てる見通しは現在の組織をベースに考えるが、今後作らなければいけないのは未来の組織。人数規模や事業領域の変更など、現在と未来の2本立てで考慮しなければいけません。一つのデータベース、一つのアプリケーションで組織変更を加味しながらコントロールをしていくのがベストなのか、もしくはアプリケーション自体を分けた方が良いのか、どちらが正解だったのか、システム化から10年経過しておりますが、現在も模索中です。この点は、見通し管理を考える上で多くの企業が課題とする部分でもあるかと思います。

■教育には多くの時間とエネルギーを

10年前のシステム導入時、現場への教育工数をかなり割きました。システムの操作方法だけでなく、考え方やフローの一新もありましたから、結構なインプット量になります。

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主管である管理部門スタッフだけでなく、全社共通の定義を設けた営業部門、そして全事業部のマネージャーと、数字を作る全スタッフに関わるものだったため、運用マニュアルは入念に作り込み、説明会は丁寧に開催し、とにかく直接コミュニケーションに力を入れました。

皮肉な話ですが、現場のマネージャーはそれまで数字のロジックをあまり理解できていなかったことも手伝って、再学習の良い機会だと捉えてくれたようです。「明確で理解できるようになった」という声が多く見られました。

さて次回は最終回、見通し管理改革を先んじて実践した者として、改めて皆様の改革の重要性をお話しさせていただきたいと思います。

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