CPQ導入で見積業務はどう変わる?

2020.11.09

こんにちは。YDCのサイです。

見積業務を効率化させるシステムとして普及しているCPQ。実際の恩恵は、見積業務だけにとどまりません。具体的にはどのような影響が考えられるのでしょうか。本コラムでは、CPQの概要や、従来の見積業務で残されていた課題、CPQ導入による影響についてお話します。

もくじ

  1. 1.CPQの概要と特長
  2. 2.従来の見積業務の課題
  3. 3.CPQ導入が見積業務を変える
  4. 4.まとめ

CPQの概要と特長

CPQは「Configure」「Price」「Quote」のイニシャルをとった言葉です。「Configure」は「提案する製品仕様を作る機能」、「Price」は「提案する製品仕様に対して見積価格を提示する機能」、「Quote」は「契約に必要な見積書など文書の作成・管理機能」を意味します。一般的には、顧客からの受注業務、製品・サービスの価格提示、見積書などの作成・管理をシステム化すること、もしくはそのためのシステムそのものを指します。

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実際の現場でのCPQは、CRMやERPとともに活用されるのが一般的です。これらのシステムとの連係により、労働生産性の向上を目指します。

CPQが適切に機能していれば、顧客が求める仕様が確定した段階で、すぐに見積を提示することができるようになります。営業担当が訪問先で顧客の要求仕様を確認し、そのまま概算を出すことも可能です。また、顧客自身がWebサイトを訪問し、製品仕様を入力して見積を確認できるシステムもあります。CPQを生産システムに連携することで、生産管理全体を効率化することも可能です。

海外ではCPQ市場ができあがっており、多くの企業で活用されています。日本でも見積確定までの煩雑なフローや、業務の属人化を防ぐためのシステムとして徐々に注目されています。

従来の見積業務の課題

CPQの利用により、見積業務は大きな好影響を受けます。従来の見積業務にクローズアップし、かねてより問題視されていた課題について考えてみましょう。

問題・手間を発生させる従来の見積もり業務

これまで、どのようなスタイルの見積業務が一般的だったのでしょうか? 細かな内容は企業によって差異がありますが、スタンダードな方式のひとつが、受注・見積管理にExcelなどの表計算ソフトを用いる方法です。また、そのファイルをもとに担当者間で連絡を取り合うフローも一般的であり、社内の専門家が要求仕様を確認し、時間をかけて見積を完成させていました。また、最終的には部長や上長などによる見積の承認も求められます。こうした見積業務により、以下のような課題が生じています。

・設計や生産に実現性や価格、納期など問合せ対応や見積設計をしないと見積が出せない。

・営業の属人的な判断で見積作成をするため、見積内容に不備があることが多く、再見積もりや仕様変更など手戻りが発生する。

・手作業で見積文書を作るため作成作業が煩雑で手間がかかる。

・過去取引がデータベース化されていないと、値引率など一貫性を保ちにくい。

・承認のフローに、部下も上長も時間をとられている。

・担当者とのすり合わせに時間がかかる。

・電子化されておらず、押印などでオフィスに出社しないと業務が回らない。

多くの企業がこうした課題に直面していました。

見積もり業務の改善はビジネスでの勝利をもたらすカギ

上述した課題は現場の負荷を大きくします。しかし、さらに広い視野で見渡すと、顧客への見積提供スピードや提案力が落ちてしまう点が最たる問題です。

顧客は比較・検討のため、少しでも早い見積書の提出を期待しています。競合よりも見積書の提出が遅い場合は「対応スピードが遅い企業」と見なされ、そもそも比較のステージに上がれないといったケースもあります。上述した非効率な見積業務では見積書の提出が遅れ、顧客からの信頼を失ってしまう事になりかねません。

また、リソースの圧迫により顧客に提案する製品・サービスの質が低下すると、同じように信頼を落としてしまうことになります。正式な受注の段階に進んだとしても、フローの遅延から短納期になり、さらに業務が圧迫されてしまう可能性を否定できません。

こうした課題を現場の心がけや意識で改善しようとしても限界があります。とりわけ製造業では海外市場をターゲットにする企業が少なくありませんが、海外ではすでにCPQによってこうした課題を解決している競合が多く、競争力を持つのが難しい状況でした。つまり、上述した旧態依然とした見積業務は、日本企業の海外進出をはばんでいた原因のひとつでもあるのです。

CPQ導入が見積業務を変える

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上述した見積業務の課題は、CPQの導入によって解決することができます。具体的な影響について、「スピード」「提案力」「社内調整」「ヒューマンエラー」に分けてお話しましょう。

スピード

規定された明確なコンフィグレーションをもとに、正確な見積がスピーディーに実現されます。結果的に正式な受注までの期間も短縮され、短納期によるリソースの圧迫も回避できるでしょう。また、CPQによるスピーディーな見積であれば、複数回見積を繰り返すことも現実的に可能です。引合い初期にリテイクの回数を増やすことによって、より顧客のニーズに寄り添えるようになります。

提案力

CPQを導入すると、見積業務によって消費されていた労力を提案のために使えるようになり、提案力が向上します。提案内容の向上はもちろん、複数の見積を用意することも現実的に可能です。お客様にとって最適な仕様は何か?その様な対話が増えることにより、結果として受注確度の向上にもつながります。

社内調整

1つの見積を出すために、関係する各部署へ依頼をかけるといったフローは非効率です。メールでのやり取りも行き違いが生じます。CPQとCRM、ERPが連携する様な仕組みが整えば社内調整が楽になり、社内全体のリソース不足改善につながります。

ヒューマンエラー

統一されたコンフィグレーションをもとにした自動入力・自動計算により、誤入力などが軽減されます。見積業務の属人化を回避することも可能です。結果として、チェック業務や手戻りによる仕様変更、その都度発生する承認業務の負担減や、顧客信頼度向上にもつながります。

まとめ

製造業において、CPQの導入は労働生産性向上を実現させるためのひとつの方法です。解決されるのは、現場の課題だけではありません。多くの顧客へとそれぞれに寄り添った提案が可能となり、結果的に顧客それぞれのニーズに沿った製品展開を大量生産の手法で提供するマスカスタマイゼーションの実現に近づきます。

海外市場を見据えている場合、規模の大きい市場に対応し、競争力を高めるためにはマスカスタマイゼーションの実現が不可欠です。見積業務に課題感を覚えている、もしくは海外市場を視野に入れている場合は、CPQによってマスカスタマイゼーションを実現することをご検討ください。

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