VUCA時代に求められる「共創」

2021.05.13

こんにちは。YDCのサイです。

新型コロナウイルス感染症拡大や地震や台風などの災害、AIをはじめとするテクノロジーの急速な進化など。現代は、社会の変化を予測するのが困難な時代であると言えます。ビジネスにも大きな影響を与えており、従来に比べて競争環境も大きく変化しました。

そのような不確実性の高い時代に注目を集めているのが「共創」です。こちらでは、共創の概要から求められる背景、得られる効果などをご紹介します。

もくじ

  1. 1.大きく変化を遂げた競争環境
  2. 2.「共創」の概要と 三つの分類
  3. 3.共創が生み出す効果
  4. 4.まとめ

大きく変化を遂げた競争環境

近年、ビジネスの競争環境に大きな変化が起きています。

従来、一般的なビジネスにおける競争は「業界の枠組み」の中での競争でした。自動車メーカーは自動車メーカー同士、家電メーカーは家電メーカー同士と、同じ業界にいる競合に対して市場におけるシェアをどれだけ作れるかという競争です。

このような「業界の枠組み」が一度確立した中での競争は、一旦、その「業界の枠組み」におけるポジションが確立すると、なかなか変化を起こしにくい戦いでもありました。業界構造変化も基本的には同じ業界内での提携や合併など「業界の枠組み」を超える変化ではありません。

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つまり「業界の枠組み」の中での競争とは、市場や顧客、競合が明確で予測が容易な環境にあることから、自社のポジションに対して適切な戦略を実行できていれば、長中期的に競争優位性を持続できる「変化の少ない競争要因のなかで事業を進められていた」とも言われています。

しかし、近年はビジネス環境が激しく変化していく「VUCAの時代」と呼ばれるように、競争優位性を一度確立できたとしても、その地位が短期的に崩れる現象が頻発しています。市場は急速に変化し、不確実性も増え、予測によって立てられた戦略が全く役に立たなくなるケースも少なくありません。業界の壁を越えた競争や業界再編が起こり、長年培ってきた技術資産、人的資産だけでは戦えなくなることも多々あります。こうした状況においては、中長期的な経営資源の競争優位性獲得も難易度が高まっていると言えるでしょう。

このように、以前まで存在した「業界の枠組み」が失われ、確立された競争優位が長中期的に継続できない「VUCAの時代」では、企業は短期的な競争優位を連鎖的に構築しなければ競争優位性を維持できません。このような従来の企業戦略の基本となる「持続的な競争優位性」を獲得、もしくは構築することが意味をなさなくなる状況、変化にあわせて常に自ら変革を起こし「一時的な競争優位獲得を連鎖していかなければならない」従来と異なる厳しい競争環境であると言わざるをえません。

市場変化に合わせた戦略が求められる現代

より具体的な例で考えていきましょう。例えばレンタルビデオ業界はその代表例です。

代替となるサービスが少なかったこともあり、レンタルビデオ業界は競争優位性の持続に成功していました。サービスの充実という意味での修正はあるものの、基本的なビジネスモデルを変えることなく、店舗数と会員数を増やしながら事業を拡大していったのです。

しかし、レンタルビデオ業界とは別の新興事業者が提供する有料動画配信(VOD)の登場と普及、そしてスマートフォンの台頭が、大きな変化を起こします。それに伴い、2010年にはアメリカ最大とも言われるレンタルビデオチェーン「ブロックバスター」が倒産。盤石に思われたビジネスモデルが持続困難となりました。

この例のように、デジタルシフトなどを背景に「業界という枠組み」を維持してきた見えない壁が取り払われたことが、より複雑で激しい競争を産み、「業界の枠組み」の中で確立した圧倒的な競争優位ですら消失してしまう事例が後を絶ちません。

このように、企業が持っていた競争優位性が新興事業等によりすぐに失われる市場の特性を「ハイパーコンペティション」と呼びます。現在はさまざまな業界でハイパーコンペティションが形成されており、自社だけでそれに対抗するのが難しい時代に突入しました。そこで注目されているキーワードが「共創」です。

「共創」の概要と 三つの分類

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共創という言葉がビジネスでいつから使われていたのかは定かではありません。ビジネスにおいてそれほど重要な言葉である「共創」という概念ですが、それを体系的に説明している文献は多くはありません。その中でも多くの方たちに引用されている内容をご紹介致します。

米ミシガン大学ビジネススクール教授のC.K.プラハラードとベンカト・ラマスワミは、共著である『価値共創の未来へ―顧客と企業のCo‐Creation (Harvard business school press)』のなかで「共創(Co-Creation)」という概念を提起しました。これは、「企業がさまざまなステークホルダーと協動することで、共に新たな価値を創造すること」と定義されています。なお、生み出された成果は共有され、さらに改善による価値向上を繰り返し、拡大することが重要です。

共創はステークホルダーとの関係によって、「双方向」「共有」「連携」の三つに分類することができます。

双方向(企業×顧客)

企業と顧客という双方向の関係性で行われる共創です。それぞれが対等な関係で議論を進めながら、共に新たな価値を生み出していく取り組みとなります。そのため、企業は既存商品やサービスを顧客に売り込むのではなく、一緒になって事業課題に向き合い、解決方法を考えながら新規のビジネスモデルを作り上げることが目的です。

共有(企業×コンソーシアム・コミュニティー)

共同事業体(コンソーシアム)やコミュニティーにおける開かれた関係を構築し、そのなかでテーマを共有。アイデアを出し合ったり議論を深めたりしながら新たな価値を生み出していこうという取り組みです。参加メンバーそれぞれが役割を果たし、リーダーシップを自律的に発揮することを重要視しています。

連携(企業×他社)

新たな価値を生み出したいと考える企業が、自社に不足している要素を他社と連携・協力しながら解決していく取り組みです。通常の業務委託や請負とは異なり、上下関係のないパートナーシップの意識を持って共に課題に向き合い、アイデアを出し合いながら共創を進めます。

共創が生み出す効果

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共創によって生み出される効果にはさまざまなものがあります。

双方向であれば消費者ニーズに適合したアイデアが発見できたり、顧客からのフィードバックが更なる価値が発見できたりすることも。また、その成果は顧客ロイヤリティの向上にもつながるでしょう。

共有や連携の場合には、多用な経験・知見・専門性を補完しながらスピーディーにアイデアやビジネスを生み出せる点がメリットです。また、参入障壁が取り払われビジネス領域の拡大・拡充につながるケースも考えられます。いずれにせよ、自社のみでは難しいイノベーションが期待できます。

共創は経営課題

日本製造業はVUCAの時代に入り苛烈なグローバル競争に晒されています。コロナ禍による急速なデジタルシフトを背景に、SDGsのように企業経営が経済的側面のみならず、社会的側面で価値を厳しく評価され淘汰される時代を向かえています。

特に社会的課題解決に貢献するには、今までのように「業界の枠組み」に閉じた競争で勝つための経営から、「業界の枠組み」という壁を超えた競争と共創に長けた経営に変わらなければなりません。

共創型のビジネスモデルに変わるために取り組むべき改革テーマは、カスタマーエンゲージメント(Customer Engagement)です。カスタマーエンゲージメントとは、顧客との関係を深めることにより、付加価値性が高い良好な顧客関係を築くことを目的とした改革テーマです。

顧客接点領域を起点とした企業変革支援

共動創発では、顧客との新たな関係性の中で双方向な対話によるイノベーションを促進することを目的とした、顧客接点領域を起点とした企業変革支援を強化しています。

顧客接点領域の改革と聞くと、マーケティング、営業、サービスの改革と捉えがちですが、本質は、販売モデル、生産モデル、そして設計モデル三位一体でのビジネスモデル変革であり、その変革には新たなデジタルカスタマーエンゲージメント獲得がキモとなります。

共動創発では、アーキテクチャ改革を可能とする設計視点による製造業改革の方法論を持ち、それに基づく多くの改革実績があります。これら資産を活用し、販売モデル、生産モデル、そして設計モデルの三位一体で、新たなデジタルカスタマーエンゲージメント強化を支援する唯一無二のサービスを提供することが可能です。上記の様な課題をお持ちの場合はぜひ一度ご相談ください。

まとめ

VUCAの時代と呼ばれる現代において、企業には戦略的な変革が求められています。「共創」は、そのために必要なファクターのひとつです。

日本製造業が経済的側面のみならず、社会的側面で価値を厳しく評価され淘汰される時代、先ずは顧客接点領域を起点とした企業変革に取り組むことから始めるべきです。

上記活動により、カスタマーエンゲージメントを獲得することが、顧客と共創しつつ早い市場変化に迅速に対応できる新たなビジネスモデルを作り、社会的側面においても企業価値を高める結果に繋がります。

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