コネクテッドインダストリーズとは?データでつながる製造業の未来

2020.12.18

こんにちは。YDCのサイです。

デジタル技術による付加価値の創造は、製造業に新たなイノベーションを起こします。この際に注目したいのが、日本政府が打ち出した「コネクテッドインダストリーズ」というコンセプト。国内のモノづくりに大きな影響を与えるこの考え方について解説していきます。

もくじ

  1. 1.日本の製造業における現状と課題
  2. 2.コネクテッドインダストリーズとは?
  3. 3.コネクテッドインダストリーズの3つの柱
  4. 4.コネクテッドインダストリーズを実現するために
  5. 5.まとめ

日本の製造業における現状と課題

DX_colum2_20201215.jpg

現在、AIやIoT、ロボティクスなどのデジタル化の波が製造業には押し寄せています。こうした技術を取り込もうと考える企業は少なくありませんが、全体として「データの活用・共有」が進んでいないのが、日本のものづくりの現状です。

製造現場に蓄積された膨大なデータは、産業間・企業間・事業所間で個別管理されており、それぞれを横断してのデータ活用は難しい状態にあります。そのデータを有効活用・共有できれば、技術革新・生産性向上・技能継承など、業界全体が抱える「課題」を解決できる可能性が見えてきます。その様な、データ活用を通じて日本の製造業を中心とした産業全体の勝ち筋とコンセプトを示したものを「コネクテッドインダストリーズ」と言います。

コネクテッドインダストリーズとは?

コネクテッドインダストリーズ(Connected Industries)とは、「データを介して、機械、 技術、人など様々なものがつながり、新たな付加価値創出と社会課題の解決を行う。日本の産業が目指すべきあり方」として日本の経済産業省が提唱した概念です。

2017年3月に開催されたドイツ情報通信見本市に、ドイツのメルケル首相の要請を受け、日本がパートナーカントリーとして参加をしました。そこに安倍総理、世耕経済産業大臣他が出席し、目指すべき産業の在り方として提唱されたのが、コネクテッドインダストリーズという概念でした。

当時、ドイツが中心となりインダストリー4.0が推進している中で、その流れに呼応しつつ、日本としてそれを超えていけるのかを経産省の中で徹底的に議論し産み出した概念だと、同じ2017年に開催された「Connected Industries」カンファレンスにおける挨拶で、当時の経済産業省大臣である世耕さんが説明されておりました。<経済産業省. 「Connected Industries」東京イニシアティブ2017を発表しました. https://www.meti.go.jp/press/2017/10/20171002012/20171002012.html, (参照 2020-12-10)>

この発表の中で、日本が強い製造業の現場の中に膨大に蓄積された情報を活用し、IoTやAIの様な進化が目覚ましい技術を組み合わせる事が日本の勝ち筋ではないかという考えが出てきたと説明されております。つまりコネクテッドインダストリーズとは、情報化社会の先にあるといわれる超スマート社会、つまり「Society5.0」を実現するにあたり、日本の強みを活かしつつ、グローバルで協調しながら競争するための日本産業の在り方の変化をコンセプトとして示したものだと言えます。

次はこのようなコンセプトを経済産業省が打ち出した必然性について、当時の時代背景とともに簡単に解説を試みたいと思います。

コネクテッドインダストリーズが産まれた必然性

コネクテッドインダストリーズが産まれた時代背景として、先ずはインターネットの急速な普及があり社会基盤として定着していたことがあります。国内では約90%の人口に普及、2007年から2012年おける新興国の増加率がアジアで143%増、アフリカは317%増という急速な社会変化が起きていました。技術革新として、例えばハードウェア性能の指数関数的な進化、演算速度向上も指数関数的な技術進化が起き、2025年には一人の人間の脳を完全にシミュレーション可能と言われています。

その様な社会変化の中、先進国のみならず新興国においても、それらの社会基盤や新しい技術を活用した、新しいプロダクトやサービスが誕生し急速に普及してきました。

そして人間が生み出す「情報」という資源の量をみると、「2012年の1年間で作られた情報量は、人類の黎明期から2003年までに創出された情報量の500倍に当たり、そこから更に約20倍増加し2020年には約40ゼタ(1021)バイトへ拡大する可能性がある」と試算されておりました。つまり、この様に生み出される膨大な情報、いわゆる「ビッグデータ」という膨大に生み出され続ける資源を如何に活かして付加価値を産むのかは、企業のみならず国としても重要な課題となったのです。

この膨大な「情報」という資源を活用し、価値を産み出し、社会・経済の問題解決や、業務の付加価値向上を行う事が「情報社会」の先に見据えた「超スマート社会(Society5.0)」では非常に重要であり、その様な事を事業の中心におくのが、これからの時代の産業の在り方である。つまりは先に説明した「コネクテッドインダストリーズ」というコンセプトが産まれた必然性が「情報」という見えざる資源の重要性高まりから理解できると思います。

コネクテッドインダストリーズの3つの柱

DX_colum_20201215.jpg

工業化社会で一時期はジャパンアズナンバーワンと言われた日本の製造業は、資源が少ない国において外国から資源を購入し、その資源を活用し付加価値を産み出すという面での生産性を世界トップクラスにまで磨き上げてきました。しかし、これからはそれだけではなく「情報」という資源を如何に獲得し、そこから付加価値を産み出すかという事が重要な経営課題になってきます。

その経営課題にどう対策を打つか考える上での参考として、以下に2018年のものづくり白書において、コネクテッドインダストリーズの説明で示された基本的な考え方となる3つの柱をご紹介致します。

経済産業省.「2018年版ものづくり白書」図131-1 Connected Industriesとは.
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2018/honbun_pdf/pdf/honbun01_01_03.pdf,(参照 2020-12-10)

1.「競争」ではなく「共創」するデジタル社会の実現

しばしば論争となる「AI が人の仕事を奪う」という考え。捉え方によっては間違いではありませんが、すべてが正解でもありません。確かにテクノロジーに代替される作業はあるでしょう。しかし、それによって生み出される仕事もあります。AIはあくまで道具であり、それを使うのが人間である以上、むしろ積極的に課題解決に向けて活用すべきです。

このように、人と技術は「競争」ではなく「共創」の関係を築くべきであり、デジタルはそれを後押し役。いたずらに恐れたり敵視したりせず、共創に利用することがコネクテッドインダストリーズでは説かれています。

2.「協力」と「協働」が課題解決を導く

コネクテッドインダストリーの基本方針とも言えるあらゆるものが「つながる社会」。これはIoTに代表されるモノとモノのつながりにとどまりません。たとえば人と機械・システムがつながれば、新たな知恵や創意を生みます。さらに“つながり”は国境・世代・生産者と消費者など、ありとあらゆるものに適用されます。

とくに、地域や社会、地球の規模で訪れる課題は非常に複雑であり、一個人や一法人では解決が難しいことがあります。コネクテッドインダストリーズの考えによってつながった人々・企業が協力と協働をすれば解決が期待できます。

3.データやAIを用いた人材育成の推進

未だに一部の現場では、「見て覚える」というスタンスが横行しています。もちろん、それぞれに人財育成のスタイルはありますが、過去のデータやAIを活用した新人教育が効率的なことは明らかです。さらに、産業間・企業間・事務所間で共有できる環境を構築すれば、人材育成の効率化につながります。コネクテッドインダストリーズは、技術を次の世代に“つなぐ”役割もあるのです。

コネクテッドインダストリーズを実現するために

DX_colum3_20201215.jpg

「情報化社会」の次に来る「超スマート社会(Society5.0)」の時代で企業価値を高めるには、材料を調達し製造する「ものづくり」だけでなく、「情報」という資源を活用し更なる付加価値を産み出す能力も必要になります。それには、「コネクテッドインダストリーズの3つの柱」を見てわかる様に、自社企業に閉じた施策による成長だけでは生き残れないのです。著しい進化を見せる技術革新、特にデジタル技術を自社の成長のエンジンとして組み込む事、競争しながらも他の産業や企業とも協調する施策を行う事、更には新たなビジネスに必要な新たな人財を獲得し育てる事が必要です。

日本が生み出し推進しているコネクテッドインダストリーズの流れに乗り、次の時代に向けて企業価値を高めるには、そのコンセプトに呼応した企業変革を自ら仕掛けていく必要があります。そしてその企業変革は企業に閉じたものでなく、外部との協調を強める「つながり方の変革」を起点に描き進めていく必要があると我々は考えております。

企業変革コンサルティング:共動創発

最後に、当社がご提供する「共動創発」をご紹介します。名が示すとおり、「共動」という考えは、コネクテッドインダストリーズにもつながるコンセプトです。また、「創発」を起こすためには、複数の改革をインタラクティブに“つなぐ”ことが重要です。

当社のコンサルティングでは、現在巻き起こっている第四次産業改革を踏まえながら、お客様と一緒になってビジネスをソリューション型へと変革させていきます。コネクテッドインダストリーズの実現もそのうちのひとつ。最終的には、複数の変革を起こしながらグローバル技術基盤構築の実現までをサポートいたします。

まとめ

今回はコネクテッドインダストリーズについて解説をしてきました。しかし、コネクテッドインダストリーズの実現はゴールではありません。こうした基盤を構築した上で、日本の製造業が「モノ売り」から「ソリューションビジネス」へと変革する必要があります。当社の共動創発は、こうした製造業の変革までをサポートするコンサルティングサービスです。お客様のビジネスパートナーとして、末永いお付き合いをお約束。ぜひ一度、お気軽にお問い合わせください。

kodousohatu.png
  • LINE
  • Mail