CPQ(セールスコンフィグレータ)の構築・導入

2020.03.16

こんにちは。YDCのサイです。

顧客要望のヒアリングから見積もり提示、仕様確定のプロセスには少なからず時間がかかります。一方で、この時間が販売機会の獲得に影響していることは否定できません。こちらでは、製品仕様確定・見積もり提示の効率化を目的として多くの企業で導入されているCPQ(セールスコンフィグレータ)についてお話しします。

もくじ

  1. 1.CPQ(セールスコンフィグレータ)を導入する企業の特徴
  2. 2.CPQ(セールスコンフィグレータ)導入メリットの一般認識
  3. 3.CPQ(セールスコンフィグレータ)導入時の危険信号
  4. 4.CPQ(セールスコンフィグレータ)の構築・導入を成功させるために
  5. 5.最後に

CPQ(セールスコンフィグレータ)を導入する企業の特徴

CPQ(セールスコンフィグレータ)とは、顧客の要求から製品仕様を確定し、見積もりを提示するまでの作業を支援するツールです。CPQ(セールスコンフィグレータ)について、以前のコラムでも解説しておりますので、そちらもあわせてお読み頂けると光栄です。

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この様なCPQ(セールスコンフィグレータ)を導入している企業とは、顧客に合わせて最適な商品やサービスを組合せて提案をしなければいけなかったり 、その提案内容によって個々に見積を作成し提示しなければいけなかったりする様に、見積作成業務が難しい業界に属している企業です。例えば、保険業界や通信業界では既にCPQ(セールスコンフィグレータ)の必要性が既に広く認知され、多くの企業が導入しています。

製造業においても顧客に合わせて最適な商品やサービスを組合せて提案する、カスタム仕様を提案し見積るためのCPQ(セールスコンフィグレータ)の重要性が高まっており、導入した企業も年々増えてきております。

従来、多くの製造業では顧客毎の特殊な要求への対応を特注業務として属人的に対応していました。この方式では顧客の要求を高次元で満たす製品を提供できるというメリットがある一方、対応スピードが遅い事や効率の悪さ、人的資産により大きな制約を受けるなどのデメリットがあります。製造業のビジネス主戦場が国内から海外にシフトしていく中で、上記デメリットからくる問題が次第に大きくなり、現場改善まかせでなく経営課題として対応せざるを得なくなっている企業が増えてきております。

CPQ(セールスコンフィグレータ)は、この様なビジネスの主戦場が国内から海外にシフトした製造業の経営課題を解決するためのキーとなるITソリューションであるというのがYDC共動創発の認識です。実際、私達の顧客企業の中でも、グローバル市場を主戦場と捉えている企業の方が、より強くCPQ(セールスコンフィグレータ)導入の重要性を認識しています。

CPQ(セールスコンフィグレータ)導入メリットの一般認識

多くの製造業者が価値を認識し、導入に踏み切っているCPQ(セールスコンフィグレータ)ですが、以下にその導入理由にもなっているメリットについて、一般的に認識されているものを いくつかご紹介します。

・見積もり提示までのリードタイム短縮

顧客にとって発注から納品までのリードタイムは、発注企業を選ぶ上で重要な基準です。リードタイムのもっとも上流には、見積もり提示までの時間があります。通常、顧客は要求に応じて提示される見積もりを確認した上で発注を検討したいと考えています。

受注生産の場合は標準製品よりも開発や設計に時間がかかることから、見積もりの提出遅れにより販売機会をロストしてしまうことも少なくありません。CPQ(セールスコンフィグレータ)を利用すれば仕様確定・価格の決定が効率化されるため、見積もりまでの工数が削減でき、リードタイムを短縮できます。

・仕様・見積もりのミス防止

提案内容が高度な場合、顧客の複雑な要求に対して提案する製品やサービスの仕様組合せも、検討要素が多く、かつ関係性が複雑になりがちです。その為、適切ではない仕様を提案してしまう可能性も増大します。それだけでなく見積価格が必要以上に高くなってしまったり、反対に低すぎたりしてしまうことも考えられるでしょう。

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あらかじめ仕様や価格を確定するためのCPQ(セールスコンフィグレータ)に登録しておけば、そうした仕様や見積もりのミスを大幅に削減する事ができます。また、オプションやキャンペーン、数量によるディスカウントなど条件を加味した見積もCPQ(セールスコンフィグレータ)上でルールに則り出すことができ、属人的な判断によるミスを防ぐことができます。

・仕様確定・見積もりの属人化回避

仕様確定や見積もりには専門的な知識が求められます。そのため、顧客の要求や製品に応じた担当者が対応する例が一般的です。一方で、担当者のリソースによっては見積もり提示が遅れてしまう、ノウハウがある担当者の退職によってスムーズな仕様確定ができなくなってしまうなど、属人化による問題も考えられます。

CPQ(セールスコンフィグレータ)を利用すれば、担当者のリソースに依存せず、速やかに見積もりを提示できます。場合によっては、営業訪問で顧客の要求をヒアリングし、その場ですぐに仕様と見積もりを提案することも可能です。

・受注可否の速やかな判断

顧客要求の内容によっては結果的に受注できないこともあります。また、無理な要求に応え、結果的に採算が取れなくなってしまうケースもあるでしょう。受注可否の判断はスピードと正確さが求められます。

CPQ(セールスコンフィグレータ)を利用すると受注可否の判断を効率的に行えます。

CPQ(セールスコンフィグレータ)導入時の危険信号

前節に列挙した「CPQ(セールスコンフィグレータ)導入メリット(一般認識)」は理解してもらいやすい一方で、それだけを目的に導入を進めてしまうと多くの問題が起きます。いわゆる、単なるCPQ(セールスコンフィグレータ)というツールを導入するだけの活動になってしまうからです。そして、その様な活動にしてしまったプロジェクトの多くが失敗に終わります。

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実際に、私達がご支援してきた顧客企業の中には、上記の様な事からCPQ(セールスコンフィグレータ)導入を進めた後に難航している。もしくは導入後に運用しきれないなどで、困難な状況になり相談に来る企業がいらっしゃいます。

実際に相談を受けてから実情を拝見すると、必ずしもやってきた活動は失敗ではなく非常に有意義な活動をしている場合が多く見受けられます。但し、成功に導くために必要ないくつかの何かが欠けている事により、その活動を成功に導くのは困難な状況に陥るのです。

ここで、そのすべてを記述する事は出来ませんが、CPQ(セールスコンフィグレータ)導入初期によく見受けられる危険信号の中から、重要なものを記載します。もし、CPQ(セールスコンフィグレータ)導入を進めた際にこの様な状況になったら失敗プロジェクトになる可能性が非常に高いと認識していただいた方がいいと思います。

・経営課題を解決するための活動のはずが、実情は営業業務が楽になるための便利ツールを導入する活動と多くの人に認識されている。

・営業、設計、生産など複数部門にまたがる体制でなく、(たまに他部門に協力を願うかもしれないが)実態は部門に閉じた改善活動的体制である。

・営業部門、設計部門合同で取り組むべき重要な施策、コンフィグルール整備はCPQが動けば良いというシステム視点、ベンダー視点で進められている。

CPQ(セールスコンフィグレータ)の構築・導入を成功させるために

CPQ(セールスコンフィグレータ)導入を成功させている企業には必ず、「この活動こそ製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)実現の要である。」というトップマネジメントの深い理解と支援があります。そして、その様なトップマネジメントの支援があることが前提として、CPQ(セールスコンフィグレータ)構築・導入を成功させるために以下のポイントを押さえる事が重要です。

・本活動の目的として、経営目的(生産性向上やDXなど)が上位にあり、その下位構成として業務で実現すべき事と狙う効果指標があるという多層的な目的構造の理解を、多くの関係者にしてもらい、その様な戦略的シナリオを基に活動を進める事。

・部門に閉じた改善活動としないためにも、営業・設計・生産三位一体の推進体制を体制の柱とする事。

・本活動成功のカギを握る「ルール整備」というタスクがあるが、このタスクの本質は設計改革であるため、このタスクを設計改革方法論に基づき進める事。

上記の様なポイント押さえたとしても、実際にCPQ(セールスコンフィグレータ)導入プロジェクトを進めていくと、活動を阻害する課題が戦略、業務、システム、製品/データと領域を移りわたりながら顕在化していきます。導入を成功に導くにはシステム的な課題だけではなく、業務、製品/データなど多層的領域全ての課題に対して有効な施策を適時実行する必要があるのです。

上記の様な多層的領域に跨り、多岐にわたる様々な課題を解決しなければならないCPQ(セールスコンフィグレータ)の構築・導入を、経験がない企業が自社単独で行い、成功に導くのは容易ではありません。

体制として外部パートナーを組込むことで、自社には無い知見を本活動推進に活かすことは、成功に導くためには非常に重要な要素です。その際に、上記ポイントの3つ目でも書いた様な、設計改革方法論に基づきルール整備を進める事のできるパートナーを選ぶ事が重要です。

最後に

この様な長いコラムを最後までお読み頂き、誠にありがとうございます。

このコラムを最後まで読んでくださった方は、CPQ(セールスコンフィグレータ)に関連した何らかの知識を必要としている方なのだと思っております。それは、システムに対する理解で足りますでしょうか。それともそれを活用するための戦略、業務、製品/データのどの領域について知識でしょうか。もしかすると、どこか一つの領域に閉じた知識では足りず全体を体系的に捉える為の知識でしょうか。お知りになりたいことがあれば、以下の「お問い合わせはこちら」よりご相談ください。

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