マスカスタマイゼーション実現に必要な「CPQ」のコンフィグレーション

2020.01.16

こんにちは。YDCのサイです。

製造業において企業が競争力を持つためにマスカスタマイゼーションへの対応が重要視されています。そして、マスカスタマイゼーションを実現するためのキーソリューションとして考えられているのが「CPQ」です。こちらでは、「CPQ」の概要と、コンフィグレーションについてお話しします。

もくじ

  1. 1.CPQとは
  2. 2.CPQ活用による恩恵
  3. 3.CPQに必要なコンフィグレーション
  4. 4.技術資産を可視化することによるメリット

CPQとは

「CPQ」とは「Configure」「Price」「Quote」という3単語の頭文字をとったものです。「Configure」は「形成する」「設計する」といった意味の英単語。こちらでは、「顧客が要求する製品仕様から効率的に見積もりを作成するための機能」を意味します。「Price」は一般的に「値段」「価格」といった意味で使われますが、ここでは必要に応じてルールを適応し、製品価格を正確に提示するための機能を意味します。「引用する」を意味する「Quote」は、見積書、契約書を作成・管理するための機能です。

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これらの単語から成り立つ「CPQ」は、顧客が求める製品仕様をまとめ、見積もりから規定のルールに基づき製品価格を確定し、最後に契約を行う一連のプロセスを意味する事もありますが、こうした一連の作業を行う際に、その業務を支援するITソリューションを指して、「CPQ」という言葉が用いられる事が一般的です。

つまり「CPQ」とは、製品価格の確定が煩雑になりがちな業界や、見積もり提示までのスピードを他社と差別化したい企業から注目されているソリューションのひとつであり、海外では「CPQ」というカテゴリの市場ができあがるくらいに広く活用されていますが、日本ではまだまだ認知度も低く成長段階といえます。

CPQ活用による恩恵

CPQ活用による大きなメリットは見積もりまでのリードタイムを短縮できることです。CPQを利用しない場合、顧客は製品の資料やWebサイトを見ながら、求められる仕様を決定していきます。また、営業担当との会話のなかで、製品仕様を見定めていくこともあるでしょう。

この後、要求仕様に基づき見積もりを作成する流れになりますが、従来は要求仕様と製品仕様との擦り合わせに多くの工数がかかっていました。すべての行程に担当者の判断がかかることもよくあるため、どれだけ短縮したとしても数日は要するでしょう。担当者のリソースがない場合は、さらに見積もり提示までの時間が延びてしまいます。業界によっては、リードタイムの長さによって販売機会が失われてしまうことも少なくありません。

CPQによって見積もり提示までのプロセスがシステム化されていれば、正確な製品価格をスピーディーに提示できます。担当者のリソースによってリードタイムが増減することもありません。顧客も仕様による製品価格の違いを迅速に判断できるため、比較検討がしやすくなります。

さらに、CPQとほかのシステムを連携させれば、発注から生産計画策定、仕入れといったプロセスも一本化できます。見積もりだけではなく、最終的な納品までのリードタイムも短縮可能です。

CPQに必要なコンフィグレーション

CPQに必要な要素のひとつが「コンフィグレーション」です。コンフィグレーションとは、顧客要求と仕様の結びつきを規定したルールを指します。

専門知識がない顧客はあくまで要求は明確ですが、具体的な製品仕様をイメージしているわけではありません。通常は、営業担当など顧客と接点を持つ人員が要求をヒアリングし、その内容を聞いた設計担当などが仕様として落とし込みます。

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要求から仕様をまとめる際にルールがなければ、最終的な仕様にばらつきが生まれてしまうでしょう。また、都度、要求を吟味して仕様を確定するプロセスでは、工数に無駄が生じてしまいます。コンフィグレーションはそうした問題を回避するために必要な要素です。

納品までのリードタイム短縮のためにCPQを利用する場合も、コンフィグレーションについてはあらかじめ策定しておく必要があります。企業や製品ごとにコンフィグレーションは異なりますので、慎重に検討しなければなりません。定期的にコンフィグレーションの最適化を図ることも重要です。

コンフィグレーションを設けておくと、専門的な知識がない営業担当でも迅速に仕様を提案することができます。また、コンフィグレーションと価格を紐づける事で、迅速な見積もり価格の提示が可能となります。更に見積書を作成する帳票作成機能と連携する事で提出する見積書の自動生成も可能となります。つまり、必然的にコンフィグレーションというCを核として、価格のPと見積書のQが連携、連動させた「CPQ」が一体的なソリューションとして確立したのです。

単に顧客の要求を製品仕様へ落とし込めるようにするだけでは十分なコンフィグレーションとはいえません。顧客要求のバリエーションの広さを想定し、設計要素を細分化していく必要があります。また、技術資産を可視化することでルールを再定義・追加していき、幅広い顧客要求に対応できるようにすることも大切です。

信頼できるコンフィグレーションを実現するためには、抜本的な設計プロセス改革が求められます。設計プロセス全体を可視化することや、仕様設計ネットワークを構造化し分析することなどが代表的な取り組みです。採取的には見積もりを作成する関係上、ロジカルな計算式・論理式が求められるケースもあります。

技術資産を可視化することによるメリット

日本の製造業は、設計のアウトソースや分業化を行うことで国内外企業との競争を行ってきたという背景があります。それ自体は間違ったことではありませんが、企業の担当業務範囲が狭まるという結果を生みました。かつて統合設計を行っていた世代が退職する時代にさしかかり、ノウハウ喪失の問題が警戒されています。

コンフィグレーションのためのひとつの取り組みとして技術資産の可視化があげられます。それぞれの技術を個別の要素として考えることで、仕様設計や見積もり作成を効率化させることが可能です。また、技術資産の可視化は開発の属人化や若手エンジニアの育成・技術継承も実現し、上述したような問題を回避することにもつながります。

CPQの取り組みはマスカスタマイゼーションを実現するためのキーソリューションです。とくに需要が幅広いグローバル市場に切り込もうとして企業様には本格的に取り組んでいただくことをおすすめします。株式会社ワイ・ディ・シーでは、設計情報の整理、ルール整備など、CPQソリューション導入と仕組み構築に関わるコンサルティングを一本化したサービスをご提供します。

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