グローバル・サプライチェーン管理とは? Vol2

2017.12.18

ビジネスソリューション事業本部 古田

前回記事はこちら

グローバル企業におけるCSR活動の重要性について

先ずは、前回「グローバル化したサプライチェーンの管理に求められるもの」のコラムの中でお話ししましたグローバル企業について、改めて記載したいと思います。

「国際的な法制度・規制の対象となりうる商品や構成部品の製造販売。もしくは、国際的な法制度・規制の対象となりうる商品や構成部品の製造に必要な部材の製造販売を行っている企業」と言うことが出来るでしょう。

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また、CSR活動の一般的な定義ですが、「企業・法人が持続可能な社会の実現に向けての活動」です。わかりやすく言い換えると「企業の社会的責任」になると思われます。

この二つを並べただけでは「何故、重要なのか」を理解して戴けないかもしれませんが、CSR活動で定義されている七つのカテゴリを見れば納得戴けると思います。七つのカテゴリとは、"人権・労働""安全衛生" "環境""品質・安全性""公正取引・倫理""情報セキュリティ""社会貢献"になります。

これらは、守らなければならない法規制・制度の基本事項だとお考え下さい。 

次に、CSR活動の七つのカテゴリと法規制・制度について記載したいと思います。 

    1. 1.人権・労働について
      労働者は、「労働基準法」「労働契約法」「労働者派遣法」などによって守られています(「労働安全衛生法」は、"環境""安全衛生"にも関係します)。長時間労働の禁止、残業代未払いの禁止、最低賃金の保証、差別・ハラスメントの禁止などが関係しています。

    2. 2.安全衛生について
      基本的に労働者は、「労働安全衛生法」によって守られています。また、「危険物質の取り扱い」や「職場におけるストレスチェックの実施」など"ライフサイクルにおけるリスクへの対応"も重要とされ、職業病や災害の要因への対策に取り組む企業も増えています。

    3. 3.環境について
      日本には「環境基本法」をはじめとして多数の環境関連法があります。一般的に製造業であれば、20前後の環境法令が関わっていると言われています。また、地方自治体独自の条例のほか、Reach、Rohs規制など輸出に際しては守らなければならない規制があります。

    4. 4.品質・安全性について
      「消費生活用品安全法」「電気用品安全法」のほか環境法令も関係し、多数の安全基準に関わる法令があります。また、日本工業規格だけでなく、お客様からの要求仕様も守らなければなりません。 今後は、EUのニューアプローチ指令にも備えなければならないかもしれませんし、各国の安全基準を設計段階からクリアする必要があると言えるでしょう。

    5. 5.公正取引・倫理について
      すぐに思いつくのは「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」「下請代金支払遅延等防止法」ですが、財務・税務といた領域を加えると多岐に渡っています。また、海外取引においては、取引国との貿易法制や米国の再輸出規制など留意しなければなりません。

    6. 6.情報セキュリティについて
      「個人情報保護法」をすぐに思いつくと思いますが、企業間の取引では"秘密保護契約書"により相互に製品情報、営業情報、経営情報など、ありとあらゆる情報が秘密保護対象となっています。 これらは、工程分業化が進む現在では、新製品であっても詳細な仕様の提供が避けられないことが原因と思われます。

    7. 7.社会貢献について
      法制度・規制とは無関係と思われがちですが、"環境"と密接に繋がっています。 簡単に言ってしまうと「再生エネルギーの利用」「原材料・部品の再生」「ゴミ(廃棄物)の削減」が大きなテーマです。また、地球温暖化対策により「環境会計」や「科学的根拠に基づくCO2削減目標:SBT(Science Based Target)イニシアティブ」への取り組みも始まっています。

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以上、CSR活動の七つのカテゴリと法規制・制度の関係を述べてきましたが、多数の法制度・規制が存在していることが解って戴ければと思います。

また、"安全衛生""環境""品質・安全性""情報セキュリティ""社会貢献"など、自社単独では対応が困難なカテゴリが存在します。そのため、サプライチェーンを構成している企業と協力し解決する事をお勧めします。

CSR活動そのものが、グローバル基準のコンプライアンス遵守(ルール・オブ・ロー)の基本であると理解して戴ければ幸いです。