製造業における「これから」可視化計画 ~「業務可視化」からはじめよう~

2020.07.20

はじめまして、かのえ-16と申します。主に「業務の可視化」を仕事にしています。

さて、今年2020年の春節あたりに中国を直撃し、そこから次々と世界各地で猛威を振るうも、このところ日本ではいつの間にか日常に溶け込んでしまった感のある新型コロナウイルス(COVID-19)は、恐らく皆様の生活にも様々な変化をもたらしたことでしょう。

今回は、新型コロナウイルス禍による環境の変化や戸惑いを、「製造業」を題材に「業務の可視化」という視点から見てみたいと思います。

もくじ

  1. 1.製造業を検索する人はテレワークにも興味を持つ?
  2. 2.テレワーク成熟度を見てみよう
  3. 3.隠れた業務を見つけよう
  4. 4.ここから始める業務の整理

製造業を検索する人はテレワークにも興味を持つ?

今回、まずは「製造業」というキーワードをGoogle searchに入力するユーザーがどのような課題に興味を持っているのかを少しでも知るために、「keysearch Beta」というサイトで、Google searchに「任意のキーワードX=製造業」を入力したとき一緒に使われることが多いキーワードを調べてみたいと思います。

図は縮小表示でちょっと見辛くなっていますが、中心のが「製造業」で、線で繋がれているのが関連するキーワードです。(結果は2020年6月末時点のもの)

data_colum_20200716.png引用元:「keysearch Beta」URL:https://kitsune-room.com/tools/keysearch/

1階層目のキーワード群には「職種」や「年収」といった群のなかに、「コロナ」、「コロナ影響」、「テレワーク」というキーワードが出てきています。さらに「コロナ」と「テレワーク」と繋がる2階層目のキーワードには「コロナ → 休めない、対策」「テレワーク → できない、不可能、事例」と、いわゆる後ろ向き発言「休めない、できない、不可能」というネガティブワードと並んで「対策、事例」というポジティブワードが入っています。

これは検索ウィンドウに「製造業」と入力したGoogle searchのユーザーが「対策、事例」をORまたはAND検索キーワードとして使っていることが多いということを示唆しています。

しかしご想像の通り、この悩みを豪快に即座に解決できる対策や事例がすぐに登場するわけではありません。AIやAR(拡張現実) など、「製造業のテレワークの課題を解決できると思われるツールや環境が揃いつつある」というのが実情です。

テレワーク成熟度を見てみよう

テレワークについては、三菱CC研究会にて2015年に公開された佐々木康浩氏のレポート『テレワーク成熟度モデルの提案』の中で「CCkenモデル」という成熟度マトリクスが提唱されています。このマトリクスは業界共通の視点で書かれているため、「製造業」のテレワークにとって壁になっていると思われる項目を、成熟度レベル「Ⅲ」から見てみます。

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新型コロナウイルスの蔓延を考えれば、「意識」が「レベルⅢ」を下回る会社は、ほぼないと思います。「制度」にしても、今回社内「規定」や「ガイドライン」の範囲や条件等はあるにせよ、ゼロであったという会社は、ほぼないでしょう。

すなわち、「ツール」、「体制」、「その他」が、生産ライン従事者のテレワークを阻害していると考える必要があります。

「そんなことはわかってる」と思われるかもしれませんが、「わかっていること」を整理することも「業務の可視化」の重要な作業ですのでご容赦ください。

製造業においては、工場など原料を投入し機械を調整・操作して製品を作って検品して出荷する業務へのテレワーク導入は正直難しい面もある。しかしそこにも可視化により、テレワークの可能性を秘めた業務が見つかることがあります。

隠れた業務を見つけよう

ここからは「ツール」、「体制」、「その他」を可視化していく工程に移ります。「業務の可視化」には、大きく分けて、組織戦略のような大上段から辿る方法と、個別の業務のような細部から辿る方法の二種類が存在しています。可視化の目的がありつつも対象プロセスの絞り込みから行う場合は前者(図1)が方針に適しているでしょう。

図1

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さて、システム構成の確認とメインプロセスの確認が完了すると、図2のような大まかな情報を描くことができます。

図2

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サブプロセス以降を可視化するためのヒアリングで散見されるのが「出力されるデータはそのまま使えないので、加工しています。」という言葉です。業務上は日常作業ですが、ここでAccess DBやマクロが登場する場合、これを「シャドウIT(企業・組織側が把握せずに利用しているIT技術やサービス)」と認識します。また独立作業としては、例えば工場内で製造ラインから無作為にサンプルを取得して検査・管理している場合などがあり、情報を整理すると図3のようになります。

図3

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さらに、構外(PSTN)と構内のネットワークを確認すると、図4が出来上がります。

図4

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この時、構内ネットワークの中にアプリケーションの関係でOSをアップグレードできないなどの理由で、さらに外部から独立したシステムが動いていることなどもあります。するとそこに”ネットワークから独立した作業”が発生していることを書き込むことができてきます。

図4の情報の中に書いた外部通信につながる構外ネットワーク(PSTN:一般公衆回線)は、2024年には廃止されてIP網に変わることが決まっています。(この「PSTNマイグレーション」と呼ばれるイベントについては、弊社コラムでも過去に話題にしていますので、ぜひ参考にしてください。)

また、構内ネットワークは、大容量のデータ通信を可能にする第5世代移動通信システム通称“5G”に“ローカル5G”が登場することで、AIやARの実装まで可能にできる余地が出てきます。

ここから始める業務の整理

グローバルビジネスの展開において、各国の対応状況が異なることで成長に向かうべき場面で足踏みすることもある現在、「今はできていない」ことを整理して見直す、「これからの時代に備える方法」を見つける時間を取り入れてみませんか?

可視化した業務のなかには、従業員の皆様の「理想」に対して「ここが問題/課題だ」と感じられている状態も多々あるでしょう。私がこのコラムで提案するのは、時代に合わせて「進化した業務」を皆様と一緒に実現するという製造業とベンダーの関係です。

PSTNマイグレーション対応を皮切りに、テレワークが可能な範囲を広げつつ、危機を好機に変える力を見つけていく、そのパートナーの候補に弊社も加えていただけますと幸いです。

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