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ITILファンデーション資格取得のススメ
SmartSCM事業本部 ICT基盤ソリューション部 ヒロ
初めまして、本記事担当のヒロです。
私は普段、EDI・EAIシステム(社内外のデータ連携システム)や、その回りのアプリケーション導入及びEDIシステムBPOサービスのお仕事をさせていただいております。
今回は、過日取得しましたITILファンデーション資格に関して、ITIL及びITILファンデーションの概要ついて、ご紹介します。
1.ITILとは
ITILとは、"Informtion Technology Infrastructure Library" の略で英国政府が1989年にまとめたITサービスマネジメントのベストプラクティス(成功事例)のライブラリ(書籍群)のことです。
サービスストラテジ、サービスデザイン、サービストランジション、継続的サービス改善の5つのコアプロセス毎にまとめた5冊の書籍で構成されます。
参考:itSMF Japan
http://www.itsmf-japan.org/aboutus/itil.html
ITILでは、下図に示す各管理領域毎に、「最終目標」「必要性」「責任」「主な検討事項」「導入による利点」「導入時の起こり得る問題」などが簡潔にまとめられています。
引用:自治体CIO育成研修 ITIL®の知識と活用(総務省)8ページ
http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/top/local_support/pdf/cio_text18_t_13.pdf
2.ITILファンデーションとは
ITILファンデーションとは、下記の4つのレベルからなるITIL資格の内、基本レベルに相当します。
① ファンデーションレベル (Foundation Level)
ITIL用語や構造、基本概念に関する知識を身につけている事の証明。
② インターメディエイトレベル (Intermediate Level)
ITIL V3のベストプラクティスやプロセス、役割について個々のモジュール、または複数に渡って習得している事の証明。
③ エキスパートレベル (ITIL Expert)
インターメディエイトレベルでの各モジュールを満遍なく網羅的にカバーするよう、各モジュールからバランス良くクレジットを習得している事の証明。
④ マスターレベル (ITIL Master)
エキスパートレベルの知識を持った上で、ITIL原則とプラクティスを応用した実務的な職務経験を有している事の証明。
参考:ITILなどIT運用管理関連試験および資格
https://www.newton-consulting.co.jp/itilnavi/column/itil_certification.html
3.何に役立つの?
ITILファンデーション資格を取得するということは、ITサービスマネジメントの基本概念を理解するということになります。より良いサービスを提供する為の有効な知識となり、組織の規模に応じてうまく活用することによって、サービスレベルが向上し、利益に貢献することができます。
ビジネス上のメリットとしては、組織に多くの有資格者が所属しているということは、それだけ信頼できるITサービス・プロバイダであるというアピールポイントになります。
また、ITILはプロジェクトマネジメントとも関連しており、マネジメントのあらゆる分野で参考になる内容となっています。
資格取得以前は、プロジェクト対応において、あまりシステム導入後のライフサイクルまで意識せず、リリースすることを第一優先として対応していたのが実情でした。
資格取得後は、中長期のライフサイクルを見据え、サービスマネジメントも意識するようになり、結果として、変更、問題管理の対応など、以前より効率良くできるようになったと感じています。
4.ITILファンデーション試験の傾向と対策
試験は、40問4択の問題となっており、65%以上の正解率で合格となります。
前段でITILとは、5冊のコア書籍で構成されていると紹介しましたが、実のところ自分自身このコアブックは1冊も読んではいません。
ITILファンデーションの参考書籍(1冊)とWEBで公開されている無償のサンプル問題を利用して勉強しました。
基礎レベルであるITILファンデーションにおいては、ある程度システムの開発、導入、保守に携わっていれば、独学でも十分合格できるレベルです。
問題の傾向としては、特に難解なものはありませんが、引っ掛け問題のようなものもあり、簡単な問題だと思い込んで反射的に回答してしまうと、ケアレスミスをしてしまうことがあります。どの問題も早合点せず、注意深く確認することがポイントです。
おわりに
さて、今回はITILとITILファンデーション資格について、解説しました。
これまで、IT関連の資格を持たれていない方でも、前述の通り、ITILファンデーションの難易度はそれほど高くないので、気軽に挑戦してみては如何でしょうか。
業種を問わず、役に立つことがあると思います。
今回は、ITILファンデーション資格の話題が中心でしたが、次回は、より実践的な内容および導入の効果などをご紹介したいと思います。
弊社では、EDIシステムのBPOサービスを提供しております。
興味を持たれた方は、お気軽にご相談下さい。