システム間連携に必要なルールとは?

2018.05.30

SmartSCM事業本部 ICT基盤ソリューション部 モト

フレームワークで整理しよう

初めまして、本記事担当のモトです。

さて、今回は以前掲載した「システム間連携にはルールが必要不可欠」の続編となります。前回はデータ連携基盤を構築するにあたってのルールの必要性についてお伝えしました。
今回は、実際に「どのようなルールを取り決める必要があるか?」についてお伝えしたいと思います。

ルールを検討する際、いきなり「さあ、ルールを考えよう!」といっても直ぐにルールが出てくるわけではありませんよね。

そんな時は、誰もが知っているであろう、汎用なフレームワークである「5W1H」で整理してみましょう。といっても、「5W1H」をそのまま適用するのではなく、一部アレンジしてみました。

5W1H検討内容
Why 目的:何のためにデータ連携基盤を構築するのか?
How 構築方針:どうやって連携するのか?
What 対象範囲:何に適用するか?
Who 役割分担:誰が何をやるのか?
Where システム環境:どういった環境が必要か?
When (時間軸で考える) 構築後:構築後の運用はどうするか?

どうでしょう?イメージしやすくなったのではないでしょうか?
以降では、それぞれについて掘り下げていきます。

  1. 1.目的:何のためにデータ連携基盤を構築するのか?

まず、"何のために構築するのか"、"効果・メリットは何か"を明確にしましょう。現状の課題と紐づけて、「データ連携の開発・運用効率の向上」や「データ連携の増減に対する柔軟な対応」「データ連携の見える化」など、分かりやすいメッセージとするのが望ましいでしょう。

  1. 2.構築方針:どうやって連携するのか?

次に、個々のデータ連携機能を自由に設計開発するのではなく、データ連携基盤上で"どのようにデータ連携を設計開発していくのか"、その方針を明確にします。
具体的には「類似インタフェースの集約」「データフォーマットの共通化」「既存システムへの影響の最小化」などです。目的を達成するための方針を検討し、それを明文化しましょう。

  1. 3.対象範囲:何に適用するか?

データ連携基盤を"適用する対象範囲"を決めます。「基幹業務システムとのすべてのデータ連携に適用する」や「最初は○○システムとの連携から適用し、徐々に適用範囲を拡大する」など、どのシステム間のデータ連携にデータ連携基盤を適用するかを明確にします。
ESBやETLなどの複数ツールを利用するのであれば、各ツールの棲み分けも明確にします。
既存システムで特殊な連携を既に行っているなど、場合によってはデータ連携基盤を介さないで直接連携を行うという選択肢もあり得ます。

  1. 4.役割分担:誰が何をやるのか?

データ連携基盤が担う役割、連携するシステムが担う役割を定義します。一般的にデータ連携基盤は連携元システムと連携先システムの間にある、インタフェースのギャップを埋める役割を担います。ギャップとは例えば、「プロトコル」、「データ形式」、「データ書式」などです。一方で、データの業務ロジックは実装しません。例えば、「データの整合性チェック」や、「業務的な計算処理」などです。
データ連携を導入する目的、各システムへの負担、全体の保守性を踏まえたうえで、検討をする必要があります。

  1. 5.システム環境:どういった環境が必要か?

この段階で、どういった環境を準備するのか検討しておく必要があります。
環境の準備には時間がかかります。実際に、いざ各システムと連携してテストをする段になって、「まだ環境が準備できていない!」とか、「既存のシステムは本番環境しかない!」といったことが発生し、大急ぎで環境を作ることになる場合があります。
システム全体のスケジュールやテスト方針に沿って、テータ連携基盤のテストをどのように進めるのかも、併せて検討するのが良いでしょう。

  1. 6.構築後:構築後の運用はどうするか?

データ連携基盤を組織的に活用するには、運用方針を予め決めておくことはすごく重要です。後回しにて考えられることも多いですが、これを決めておかないと、後々大きな手戻りが発生します。
運用方針を決めておくポイントは、「運用時間」「通知・監視」「障害対応」「ログ」「セキュリティ」などがあります。
システム全体の非機能要件を基に検討する必要があります。

今回は、代表定なルールを挙げましたが、他にも様々なルールを取り決める必要があります。
最後に、ルール作りもさることながら、更に重要なことがあります。

「取り決めたルールをプロジェクト全体で共有する」

ということです。

作ったルールも守られなければ意味がありません。ルールはシステム全体の最適を考え検討し、関係者の理解を得て、プロジェクト全体で順守することで、初めて意味のあるものになります。

いかがでしょうか?今回ご紹介した内容が、データ連携基盤構築のヒントになれば幸いです。

次回以降のコラムも、データ連携にまつわるアレコレをピックアップして、為になる情報を発信していきます!