2024年問題と通信切替のススメ

いま見つめるべきEDIの話

SmartSCM事業本部 ICT基盤ソリューション部 ハマ

初めまして、本記事担当のハマです。

私は普段、EDI・EAIシステム(社内外のデータ連携システム)や、その回りのアプリケーション導入を支援させていただいております。今回は、最近EDI界隈でホットな話題の2024年問題についてご紹介と、企業のIT部門の方より、多く質問を受ける「これからどうすればいいの?」について、EDIの現場視点でお答えしたいと思います。

1.2024年問題とは

2017年10月17日、東日本電信電話株式会社(NTT東日本)より、「固定電話のIP網への移行後のサービス及び移行スケジュールについて」の公表がありました。PSTN(Public Switched Telephone Network=公衆交換電話網)からIP網へ移行するという内容でした。そして、本プレスリリースにて、ISDN回線サービス「INSネット」のディジタル通信モードの提供終了時期が2024年1月と公表されました。

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出典:固定電話のIP網への移行後のサービス 及び移行スケジュールについて 7ページ

「INSネット」のディジタル通信モードの提供終了の影響により、電話網を利用している既存のレガシー通信(JCA手順、全銀手順)はそのまま利用出来なくなるため、次期通信方式の検討・対応を迫られています。

<参考リンク>
東日本電信電話株式会社 プレスリリース
「固定電話のIP網への移行後のサービス及び移行スケジュールについて」
https://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20171017_01.html

2.対策がなかなかススメられないワケ

2024年問題がまだ2020年問題と呼ばれていた頃、補完策があると発表されていたため、特別な対策は必要ない可能性がありました。しかし、最新の検証では、補完策として用意されるメタルIP電話網では通信が不安定かつ低速になり、伝送遅延は最大4倍にもなるという結果が出ています。これでは実運用に耐えられない恐れがあります。

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出典:掲載検証結果一覧 EDIシステム 04-17-0006資料5,6ページ

<参考リンク>
東日本電信電話株式会社
「INSネット ディジタル通信モードの提供終了に伴う当面の対応策(補完策)「メタルIP電話上のデータ通信」に係る検証結果について」
http://www.ntt-west.co.jp/denwa/testbed/result.html

「掲載検証結果一覧 EDIシステム 04-17-0006」
http://www.ntt-west.co.jp/denwa/testbed/pdf/result/04-17-0006.pdf

そのため、ようやく各企業が本格的に対応策の検討を始めだしたという現状があります。
しかし、方針をどのように決めればよいか分からないという声をIT部門の皆さんより聞きます。この問題で一番悩ましいのは「どうすれば最善なのか、自社だけでは判断がつかない」という部分にあります。そして、この悩みを持っているのは、取引先もなのです。
つまり現状、大多数の企業が、誰かが先導してくれるのを待っているのです。

3.通信切替えのススメ方

このような状況で企業は何をすればよいのか。
結論から言うと、自社に優位な切替方針を考え、取引先を先導しましょう、という話です。

では、切替までにどのようなステップを踏めばよいのでしょうか。

次に切替までの大まかなステップを挙げてみます。

1.対象のリストアップ
INS回線を使った通信をしている取引先と、通信形態(プロトコル、発着信)をリストアップします。

2.INS通信の移行方針を策定
リストアップした情報を元に切替方針を検討します。
既存の通信の単なる置き換えでよいのか、機能面・運用面・ビジネス視点も考慮して、システム改修も合わせて行うのか、という点を揉みます。

3.各取引先に対して移行方針を打診
自社の立場や既存のプロトコルから、最適な移行策を導き出したら、いよいよ取引先との協議に移ります
移行方針の合意をとり、移行計画を確定します。
取引先の対応が遅れるようであれば、現行システムを生かしつつ、新システムを動かす期間を設ける等の措置が必要になることもあります。

4.順次切替
移行計画に則り、順次システムを切替えていきます。

4.おススメの切替方法

INS回線からの移行方針を策定する時に、通信を何に切り替えるかが悩みどころです。
ですが、そこまで沢山の選択肢があるというわけではありません。基本的にはインターネット経由で通信できるEDIから選択することになります。
下表でおすすめの切替方針を4つ紹介します。

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どの切替方針がよさそうでしょうか。導入とその先の運用面まで見据えて、メリットがある切替方針を選んでみて下さい。

5.早期方針検討のススメ

本記事の内容は、全てのレガシー通信を持つ企業向けの内容です。ですが、特に「自社が動かなければ、取引先は絶対に動けないことがわかっている企業」へのお願いです。なるべく早く、取引先向けに方針を出してあげて下さい。

2024年問題は、準備期間がまだまだあるように見えます。しかし実際のところ、次のシステムリプレースで合わせて対応したいという企業が多くあります。移行計画が周知されてから、次のシステムリプレースに計画を組み込むことになると、余裕のない移行計画になってしまいます。また、後半になればなるほど駆け込み開発が発生し、SIer不足が懸念されます。

移行方針検討はお早めに!

おわりに

さて、今回は2024年問題と「これからどうすればいいの?」について解説しました。

これをご覧いただいた全ての企業様にとって、最善な方針を検討され、スムーズな切替ができることをお祈り申し上げます。本記事が、2024年問題に取り組む第一歩を踏み出す後押しになることができましたら幸いです。

弊社ではお客様毎に異なるEDI環境を踏まえ、2024年問題に向けたロードマップのご提案も行っています。お気軽にご相談下さい。

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