「業務と情報と〇〇」業務プロセスを可視化する3要素

2017.12.11

情報活用基盤事業本部 磯波

可視化(見える化)という言葉は2010年の新語・流行語大賞の候補に挙がるほど普及しており、今やビジネスの現場で当たり前に使われるほど浸透しています。

可視化とは本来、メンバー間で「共通認識」を持つことを目的とした活動であり、可視化成果物は目的や作業内容を明確にする役割を持っています。例えば、電話応対の手順書を作成する過程は可視化であり、完成した手順書は可視化成果物となります。

このように可視化は意図せずとも普段の業務の中で行われていますが、IT基盤導入時に必要な可視化は企業の業務プロセスを正確に表すことが求められます。さらに、共通認識を持つだけでなく、導入後のビジネスモデルを意識した現行業務の改善点を得ることが重要になります。

今回はIT基盤導入に必要な可視化の3つの要素をご紹介します。

1.業務と情報の可視化によって見えるもの

IT基盤導入に必要な3つの可視化のうち2つは「業務」と「情報」の可視化です。これら2つの可視化は業務プロセスを明確化するために行うものであり、現行業務分析やIT基盤導入の方針を決める上で、重要な役割も持っています。

まず、「業務」を可視化するためには業務プロセス図を作成します。業務プロセス図には主に「業務内容」「業務担当者」「業務フロー」の3つの要素が含まれており、業務の「流れに沿って」「誰が」「何を」行っているかを明確に表現することができます。

次に、「情報」の可視化では社内システムや取り扱っているデータを俯瞰することができるデータストア図やIF一覧を作成します。データストア図とは弊社独自の言葉ですが、これは各システムで使用しているデータの種類や内容、周辺システムとの関連を図示したものであり「データ源泉」の把握に利用します。これらによって「どのシステム」が「何のデータ」を扱っているのか、一連の情報処理の「流れに沿って」確認することができます。

これらの2つの可視化作業はそれぞれ独立しており、作成した業務プロセス図やデータストア図にはお互いの情報が反映されていません。業務プロセスを明確化するためには「どの業務」で「何のデータ」を扱っているかが重要であり、「業務」「情報」の可視化結果をもとに、さらに分析をする必要があります。その結果、可視化されるものは3つ目の要素である「機能」となります。

 

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2.「機能の可視化」とは何か

では「機能」とは何かご紹介します。一言で言うならば「企業に備わっている特定の目的を達成する仕組み」です。少し噛み砕いた表現にするならば「マニュアル通りの作業」とも言えます。例えば、勤怠管理や休暇申請などの処理は決まり切っており、頻繁に変更されるものではありません。このように目的に対して行うべき「手段」と、用いる「情報」が明確になっているものを「機能」として定義します。

社内には無数に「機能」が存在しており、同様の「機能」が複数存在していることが往々にして見受けられます。例えば、ビジネスの変化に合わせてシステムを導入し続けた結果、既存システムと新規システムの役割が重複しているケースや、複数部署間でのコミュニケーション不足により、同様の資産を管理するために、異なるシステムを各部署で運用しているケースなど、非生産的な投資やリソース分配が発生していることがあります。

このような同一「機能」のうち最も効率的な「機能」はどれか、「業務」「情報」の観点から分析することで、優れた「機能」のみを抽出することができます。IT基盤を用いて、抽出した「機能」を「サービス」として管理し、周辺システムや関連業務から参照する仕組みを構築することで、社内のリソース最適化、業務効率化を支援する基盤が完成します。

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まとめ

いかがでしたでしょうか?IT基盤導入の効果は可視化の成果によって大きく変わります。もちろん「業務」のみ、「情報」のみの可視化でもIT基盤導入をすることは可能ですが、「機能」を可視化することでの、社内のリソース最適化は、今後訪れるAIなどの新技術導入や働き方改革において、影響範囲やコストを分析する際の根拠になるはずです。

国内AI市場は今後6年間で15倍以上成長すると言われており、業務の自動化はさらに進み、業務はマンパワーが必要なものに絞り込まれていくことは目に見えています。

この変化の波を掴み損ねないためにも、可視化とIT基盤構築により、システムの役割と人の役割を明確化し、働き方の変化に柔軟に対応し続ける仕組みを導入してみてはいかがでしょうか。

次回コラムでは「1.業務と情報の可視化によって見えるもの」で触れたIT基盤導入の方針についてご紹介します。