IT基盤で社内システムを整理整頓

2017.10.23

情報活用基盤事業本部 磯波

今や企業活動の前提にあらゆるシステムが関係する時代になっています。そんな折、多くの企業が今最も力を入れている活動は「働き方改革」ではないでしょうか。しかし多くの企業が社内システムを変更するためのコストや、影響範囲の不透明さに二の足を踏む現状かと思います。

本記事ではIT基盤という用語を多用していきますが、IT基盤と聞いてどのようなものをイメージするでしょうか。本記事において、「IT基盤とは企業のシステム環境の土台になるもの」とだけイメージしてお読みください。

では、今回は社内システム環境とIT基盤の性質をご紹介します。

社内には異なる指向性のシステムが混在している

まず、社内システム環境の現状をご紹介します。従来の企業におけるシステムの役割は「管理」が中心でした。管理の対象は人的資産、物的資産等のいわゆる経営資産であり、こういった役割のシステムを"System of Record(SoR)"と呼びます。

近年、モバイル端末の普及やクラウドやビッグデータ、またIoTの発達により「支援」の側面をもつ
"Systems of Engagement(SoE)"の導入が盛んになってきています。役割は情報収集や営業活動の効率化・最適化などをを担っています。

これら二つのシステムの決定的な違いはデータの取り扱い方にあります。SoRにおいて重要視されることは「正確さ」です。データの構造は事前に定義され、確実な運用ルールの下、データを管理します。他方、SoEでは「即応性」が重要になります。

SoEは社内外を結びつけるシステムであり、市場や顧客の動きに合わせデータの構造が変化していきます。そのため、変化に素早く対応する「即応性」が求められています。

これらの異なる指向性のシステムは互いにデータを連携し合うことで、効果を発揮するものですが、多くの企業において、特定のシステムごとに個別の運用ルールやデータフォーマットが存在し、システム間の連携が密接になってしまっています。このような密接な連携は新規システムの導入や、既存システムのメンテナンス時に周囲システムに影響を与えてしまい、ビジネス活動を阻害しかねません。

このように、ビジネス活動を支援するためにシステムを導入し続けてきた結果、迅速性や柔軟性を失うジレンマを抱えてしまったのが現状です。

0007-20171020-1.png

IT基盤でシステム運用に内在する問題を解消

つぎに、IT基盤の性質についてご紹介します。IT基盤の導入は前段として現状の可視化を行います。この可視化には企業内の「業務」「情報」「機能」を明確にする目的があり、IT基盤はこれらを統合的に考慮した上で構築し、導入することで、企業にとって最適なIT基盤となります。

現状、システム運用に内在する問題には、運用ルールが貫徹されないことに起因することがほとんどです。例えば、システムごとに運用部門や利用ユーザが異なり、独自運用してしまうことがあります。こういった運用ルールを無視した活動が水面下で繰り返されることで、いずれ管理の所在が分散し、整合性が破綻してしまいます。また、特定のシステムに基づく運用ルールやデータフォーマットにより密結合となったシステム連携は、変更の規模に関わらず、周辺システムも同時に変更する必要があるため運用コストが必要以上にかかってしまいます。

IT基盤の導入は「業務」の流れや「情報」の連携方法を明確化するため、社内システム環境のアーキテクチャを確立させ、セキュリティ方針を詳細化することができるようになります。また、アーキテクチャとして確立されることで、「機能」の再利用性が高まり、システムリソースの全体最適、共通化が行えます。

このようにIT基盤には企業内の「業務」「情報」「機能」のルールを明確化する効果があるため社内システムの運用監視の一元化を達成することができます。また、これらのIT基盤の性質により、技術標準や全社視点でのガバナンス等、IT視点での判断が必要な意思決定に迅速性を与えます。

0007-20171020-2.png

まとめ

いかがでしたでしょうか。今回は社内システムの現状とIT基盤の性質をご紹介しました。

密結合となったシステムの変更は容易ではなく、またIT基盤により整理されたシステム環境においては効率化のみではなく、企業と市場の変化に耐え得る仕組みを実現します。「柳に雪折れなし」というように、柔軟なものは剛健なものよりも適応性があって、かえって丈夫なものです。

ビジネスとIT技術は今や切り離せないものとなっており、働き方改革に関わる新技術の検討やIT導入は今後ますます盛んになります。例えば人工知能(AI)やRPA(Robotic Process Automation)等は今最も注目されている技術です。

これら新技術の導入に先立って、IT基盤の導入をご検討されてはいかがでしょうか。そして是非、その「変化対応力」を実感してみてください。

次回コラムでは「IT基盤でシステム運用に内在する問題を解消」の冒頭で触れた「可視化」の重要性について掘り下げていきます。