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KPIを活用した業務プロセスの改善2
2020.04.17
SmartSCM事業本部 SCMソリューション2部 平野
環境の変化やビジネスの成長、課題に対して迅速かつ柔軟に対応するには、データを最大限に活用し、常に業務プロセスの見直しを行う事が非常に重要となりますが、その実現には、どのようなアプローチが必要でしょうか。
その為には、
①企業戦略に基づいた管理指標(分析目標のためのロジスティクKPI)
➁問題・課題に対する意思決定とアクション(高速なPDCAマネジメントサイクル)
③現状を正確に定量化し把握するためのデータ収集・分析の仕組み(IT分析基盤)
といった、意思決定のためのフレームワークが必要不可欠と考えます。
もくじ
①分析目標のためのロジスティクKPI
現場を改善し高い効果を得るには、数値に基づく意思決定が必要となり、そのためには、モニタリング指標が重要です。製造業では以前より重要視されていますが、ロジスティク領域においても、Q(Quality:品質),C(Cost:コスト),D(Delivery:納期)観点での主に以下のような管理指標があります。

・品質 :商品が正しく配送されているかなど顧客サービスに関するKPI
(欠品率、誤出荷率、荷傷み発生率、クレーム率など)
・コスト:ヒト・設備・在庫などの費用・収益に関わるKPI
(物流コスト比率売上高、物流コスト(荷役作業/配送/流通加工…)、
(在庫回転率/回転日数、滞留在庫、人時生産性など)
・納期 :注文した商品が届くまでのリードタイムなど時間に関するKPI
(納期厳守率、遅配・時間指定違反率)
※ロジスティクKPI指標については、国土交通省や日本ロジスティクスシステム協会(JILS)などにより手引きがまとめられていますのでご覧ください。
様々なモニタリング指標がありますが、どれを優先していくかは企業の経営戦略によって異なります。KGI(重要目標達成指標)に基づいたKPIを十分に検討し設定することが必要です。
➁高速なPDCAマネジメントサイクル
課題に対して迅速かつ柔軟に対応するには、マネジメントサイクルを少しでも短くし、スピーディに意思決定をして、業務改善や最適化などのアクションを講じていく事が重要です。現在のような不確実性の高い環境下において、さらに有効的な対応を実践するために「OODAループ」が注目されています。
OODAはPDCAより変化に対する柔軟性があり迅速な意志決定を目指している点が異なります。
・観察(Observe) :情報収集、データの可視化
・状況判断(Orient):状況判断、施策立案、施策評価(状況/効果確認)
・意思決定(Decide) :施策決定、アクションプラン策定、施策見直し
・実行(Act) :アクションプランの実行
このようなメソッドを活用することにより、目標に対するギャップを、トライ&エラーを重ねて早いタイミングで把握し、次のアクションプランを軌道修正して、最短・最速で目標に迫ることが可能となります。
③IT分析基盤

上記①➁を実現するには、情報活用レベルを向上し業務にデータを活かす事が必要です。そのためには、モニタリング指標に対して、リアルタイムに高い精度のデータ収集。実態の定量化と、情報を共有(オープン)化するためのデータ可視化。
また課題に対するギャップを分析するために、原因のトレース、オペレーションレベルまでドリルダウンできる仕組みなどが求められます。このような分析基盤を導入し、現状を正確に把握し精緻に分析することにより、アクションの質も精度もスピードもあがり、適切な業務の改善や最適化が可能となります。
最後に
前述のようにモニタリング指標や、分析・判断方法に関するフレームワークが共有されれば、誤った対応や、属人化がなくなり、企業として意思決定のスピードがあがり競争力を高め、結果的に企業価値の向上に寄与します。
ワイ・ディ・シーでは、主に小売・流通業のお客様へのLogiWorks(統合物流ソリューション)導入を通して拠点に分散する物流情報を一元管理しロジスティク全体の可視化と、管理指標による業務改善を実現してきました。ロジスティク領域における業務プロセスの見直しをご検討されている方は、是非ともご相談ください。