WMS導入のすすめかた

2019.07.22

SmartSCM事業本部 SCMソリューション2部
テクニカルサポートグループ 中山

今日の物流の現場゙では深刻な人手不足や競争環境の激化への対応など、休むことなく業務改善・生産性向上を図っています。物流のゴールが早く安く確実に届けること、とするならば、いかにしてスピードアップをはかるのか(早く)、物流コストを抑えるのか(安く)、正確性をあげていくのか(確実に)が解決すべき課題となります。その課題解決の手段として今日では物流のためのコンピューターシステムの導入が不可欠になっています。

物流システムと言っても様々な領域のシステムがありますが、ここではWMSと呼ばれる物流センターの管理で利用されるシステムを取り上げ、その導入についてお話したいと思います。

もくじ

  1. 1.WMSとはなんですか
  2. 2.どのようにWMSを導入するか
  3. 3.システムを運用する
  4. 4.まとめ

WMSとはなんですか

WMSとは、Warehouse:倉庫、Management:管理、System:システム の頭文字を合わせたもので、倉庫を管理するシステムの事をいいます。WMSを使用することで、物流のゴール3点:早く・安く・確実に届ける、スムーズな物流を実現=ビジネスのフローアップが期待できます。言い換えるとWMSがとまるとモノの流れがとまる=ビジネスがとまる、というインパクトがあります。

-- 早く届けるには

物流センターの機能は「モノ」の出し入れ(入荷・出荷)と保管(在庫)、とざっくりと捉えることが出来ます。早く届けるということは、出荷を早く行うことに尽きます。そのため、早く正確な入荷・在庫管理や庫内作業が要求されます。つまりセンター内の作業(荷役)を滞りなく行うことが早く届ける事に直結します。

-- 安く届けるには

物流コストのうち輸送費を除いた部分が物流センターの機能が担う部分、として考える事が出来ます。業種によりバラ付きはありますが、物流コストの約半分を輸送費が占め、残りの半分が物流センターの費用となります。センターの費用は建屋什器などの設備と作業員の人件費から構成されます。つまり設備費と人件費の削減が安く届けることにつながります。

物流コストの物流機能別構成比.pngのサムネイル画像

出展:日本ロジスティクスシステム協会:物流コスト調査報告書

-- 確実に届けるには

物流センターの役割では、指示されたものを指示された通りに出荷する事が確実に届けることになります。出荷作業のひとつひとつを確実に遂行できるように、作業導線や安全を確保し手戻り作業や事故を起こさないように作業を組み立てる必要があります。正確な作業の実施のため手助けとなる情報を提供することがWMSの役割となります。そのため、情物一致:情報とモノの一致を行う事が必要です。

どのようにWMSを導入するか

WMS導入はプロジェクトとして行われることがほとんどではないかと思います。WMS導入プロジェクトに限ったことではないですが、導入目的(早く安く確実に届ける)に向かって、プロジェクトを進めてゆきます。

-- まずはルール化:SOP

物流センター内の業務を洗い出し、ひとつひとつの業務の標準作業(SOP:Standard Operation Procedure) を策定します。マテハンやロボットを使うのか、などもこの段階で検討しながら進めると良いです。機材の導入が目的ではなく、早く安く確実に届けるためにはどのように作業を行うべきかを考えます。ルール化にともなって管理するべき情報も明らかにでき、システム化する情報が明確になります。

-- コンピューターシステムに落とし込む

WMSパッケージを導入するのがよいのか、業務に合わせたシステムを構築するのか、その折衷案とするのか、基幹システムなど既存の上流システム、マテハンやロボ、取引先EDIとの情報連携はどうするのか、使用するデバイスの選択、などPOCを行いながらひとつずつ検討していきます。その後、設計~開発~テストを経てWMSが出来上がってきます。

システムを運用する

いよいよ出来上がったWMSを倉庫に導入します。現場に定着させる最も重要な段階です。完成したシステムも実際に運用してみると、考慮していなかった業務が発見される、業務改善によるオペレーションの変更、使用感の改善、法改正への対応など、「かゆいところ」が日々発生します。システムを変更すべきなのか、運用でカバーするのか、など検討し解消していきます。このようなサイクルをどう管理していき、フローを上げていくかがWMS導入のポイントとなります。現場・IT担当・ITベンダーが一体となって運用していくことが重要です。

まとめ

コンピューターシステムとしてのWMSを構築するのみであれば、WMSだからといって特殊なことはありません。しかし、物流のゴール:早く安く確実に、を実現するためのWMS導入は情報システムと物流センター業務に精通し、3PL企業としてのITベンダーを選択することが、物流のゴールに寄与するWMS導入としては欠かせません。

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