テクノロジー、ITとサプライチェーンの未来

ビジネスディベロップメント事業本部 藤島

【夢のようなテクノロジー】

ここ数年のテクノロジーの進化には目を見張るものがあります。

空飛ぶ車、宇宙旅行、フードテックなど夢のような取り組みがメディアで紹介され、「ディープラーニングは"インターネット"や"トランジスタ"、"エンジン"、"電気"の発明にも匹敵する」との専門家の発言もあります。※1

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「遺伝子解析サービス」をご存知でしょうか。なんと自分のDNA情報を解析してくれるサービスです!※2

生活習慣病などの疾患リスクや体質の特徴、祖先解析など300項目以上を科学的根拠に基づいて調べてくれるという、まさに究極の予防医学といえます。

20190520_5.png遺伝子技術をベースとしていますが、ITの観点から見ると、IoT、ビッグデータ、AI、セキュリティなど多くの要素技術を駆使しているのでしょう。

まさか自分のDNAを解析してもらえる時代が来るとは思ってもみませんでした。

歴史的な新テクノロジーとサービスの群雄割拠。今後の展開が楽しみで、ITの役割もますます大きくなるでしょう。

 

 

 

【物流とテクノロジー】

ヤマトHD新社長の長尾氏が本年4月11日に開かれた記者会見で『「物流が小口多頻度化していく中で、・・・中略・・・宅急便がECへの最適解かというと疑問は残る」と指摘し、「EC市場の成長を支える新たな運び方を生み出す必要がある」との考えを示した』という報道がありました。

つまり、日本を代表する物流企業が、既存の宅配システムでは伸びているECには対応できない、と公言されたわけです。業界にとって大きなインパクトです。

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"新たな運び方"とは、ドローンなどの運搬方法そのものの技術革新、混載、モジュール化などの運搬の効率化、宅配BOX/ロッカーなど受け取り方法の多様化などに加え、シェアリングサービスでのラストワンマイルへの

対応などが考えられます。

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物流関係の方は「物流業界はもっともIT化が遅れている」と皆さん口をそろえておっしゃいます。
しかし、かつては地味で"縁の下の力持ち"の存在であった物流業界が、いよいよテクノロジーとアイデア勝負の表舞台へ登場し、異業種を交えた大きな戦いに挑んでいる、という構図に見えます。

【ECの市場規模】

ところで、ECは本当に伸びているのでしょうか?
日本と海外のECの市場規模を調べてみました。

2017年度のBtoCにおける日本国内のEC市場規模は16兆5,054億円で、対前年比9.1%の伸び率。EC化率 ※3(物販系のみ)は5.79%。※4

日本のBtoC-EC市場規模の推移(単位:億円)

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日本のBtoC-EC 市場規模および各分野の構成比率

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対して、世界のECの市場規模は以下のようになっています。
世界1位の中国のEC市場規模は103兆3,300億円、成長率20%、EC化率は19%。
第2位の米国のEC市場規模は62兆8,760億円、成長率約10%。EC化率はおよそ8%。

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   (経済産業省 通商白書2018概要より)

圧倒的に中国、米国が世界のEC市場をけん引しており、日本は大きく水をあけられています。
日本では思ったほどECは伸びていない、というのが実感で、物流、配送の課題が一因でしょう。
EC化率を見ると、中国は19%と高いですが、日本では6%以下、米国でさえまだ10%以下です。

【オムニチャネルの進展】

EC市場をリードする一方で、amazonはリアル店舗戦略も大きく進めていて、ホールフーズを買収しました。テクノロジー満載のamazonGOはリアル店舗です。
アリババも「ニューリテール戦略」として、オンラインとオフラインの融合を掲げ、食品スーパーの実店舗網も拡大しています。

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(Wikiペディア Amazon Go)


やはり、食品はなかなかEC化が難しいのでしょう。
実際にモノを五感で確かめる、行くとなんだか楽しいといった"顧客体験(コト)"の重要性がECによって浮き彫りにされています。
今後ますますオムニチャネル化が進み、オンライン、オフラインのどこで売上げるかは問題ではなく、EC化率などという指標も大きな意味を持たなくなりそうです。

社会変革を伴いサプライチェーンは大きく変化しています。
顧客にとっては快適で楽しい体験がリーズナブルに実現でき、事業者としては大きなビジネスチャンスが期待できます。
テクノロジーとIT、サプライチェーンは今後どのように変化していくのか、本当に想像力が掻き立てられます。

※1 2019年4月5日AI人工知能EXPOセミナー"「ディープラーニング」の最前線と
   今後の展望" 東京大学大学院松尾豊教授の講演より
※2 株式会社ジーンクエスト「個人向け大規模遺伝子解析サービス」https://genequest.jp/
※3 EC化率:すべての商取引市場規模に対するEC市場規模の割合
※4 経済産業省 平成 29 年度 我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備
  (電子商取引に関する市場調査)より

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