今すぐ改善したいExcel予算管理の2つの問題点

2017.10.19

ビジネスソリューション事業本部 対馬

前回は「あなたも陥っていませんか?予算管理の落とし穴」として、Excelによる予算管理の手間、トラブルなどの"あるある"をご紹介しました。Excelの使用は長年常態化しており、「いつものことだから」「仕方ない」と割り切ってしまいがちですが、それはもったいない。Excel予算管理からの脱却は、経営管理業務、ひいては企業経営そのものの大きな改善ポイントなのです。

ではまず、現在のExcel予算管理の何が問題で、本来はどうあるべきなのか?を大きく2つの観点から明らかにしていきたいと思います。

1.スピードが遅い

グローバル化や業界再編、為替変動などビジネス環境は目まぐるしく変わっており、迅速な意思決定が何よりも重視される昨今、その経営判断指標を生み出す経営管理業務にもスピードアップが求められています。

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朝令暮改とはいかずとも、経営方針の迅速な転換が行われる場面も増える今、大切なのは「短期間で」「正確かつ最新の」「さまざまなデータ」を経営者に報告しつつ、「優れた提言」ができること。そこで弊害となってしまうのがExcelによる業務です。

【ケースその1 すぐに経営会議資料を作成できますか?】

例えば「現在開発途中の新製品を、競合他社が発表した新製品に対抗しうる仕様にテコ入れしたい」という方針が発表されたとき、あなたはそのために必要なデータをどれくらいで提出できますか? サーバー上に分散したさまざまなデータを集め、整えていたら3営業日。最後に分析とチェックを行って5営業日経過。ようやく経営会議で発表できると思ったら、為替変動で原材料コストが変わって全体の数字にも影響が......という状況は想像に難くありません。

【ケースその2 来期の予算編成、何ヶ月も前から始めていませんか?】

来期の予算編成にあたり、全部門のマネージャーに通常業務外でデータの提出を求め、集まるのに数週間。数値の不備の確認に行ったり来たり。全部門のデータを統合してようやく全体像が見えてきたと思ったら、とある部門のシートの数式が壊れていて、小計からやり直し。

修正とチェックを繰り返し、予定よりも遅れて数値が出そろったと思いきや、作業着手時の見込みと思った以上の差が発生し、実際の着地とギャップの大きい資料になってしまう......なんてことも。加えて直前になって組織変更が決定したら、大幅な修正が必要になることもあるでしょう。

大量のExcelの集計処理に膨大な時間を使うため、そもそものデータが古い、最新状況と合わず参考程度にしかならない、というケースは少なくありません。Excelの集計にかかる時間を半分や3分の1に圧縮できれば、本来の業務である経営分析にリソースを割くことができ、「短期間で」「正確かつ最新の」「さまざまなデータ」を経営者に報告しつつ、「優れた提言」が行えるという理想の経営管理業務を実現できるでしょう。

2.精度、質が低い

上述のように数値を出すことに膨大なリソースを割いてしまっていると、最終アウトプットに時間をかけることが難しくなります。本来なら外部環境や社内の施策など最新状況に合わせ、正確かつ工夫を凝らした専門家ならではのアウトプットをしたいところ。ですが時間をかけられないがために、いつものフォーマットに準じた「数字が正しくて、現状がわかるもの」という最低限のアウトプットに収まりがちです。

【集計することが目的になっていませんか?】

膨大なExcelとの格闘は、メンバーの士気の低下も招きかねません。実績が出たらすぐ次の実績、とにかく数値の集計処理に追われて、経営のPDCAを担っているようで担えていない。頭を使う本来の業務で力を発揮できないというジレンマの声もお聞きします。

    1. 手が回らず、データを集計処理するだけで経営管理業務をやった気になっている......
    1. 日々会社は成長しているにもかかわらず、その成長を先導できておらず、そればかりか後手に回っている......

経営者の右腕として、プロフェッショナルとして、精度の高い経営管理業務を遂行する。当たり前のことのはずが、現状は程遠い......その弊害となっているのがExcelによる予算管理であることに、お気づきでしょうか。

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【Excelは社内統制が取りにくい!?】

もうひとつ忘れてはならないのが、内部統制の問題。Excelは誰でもすぐに修正管理ができてしまうため、提出された数値は、誰が承認したのか? このまま走らせていい数値なのか?という責任の管理があいまいになりがちです。もしかしたら、あなたが見ている実績値は末端の人が知らないうちに書き換えた根拠も責任も伴わない数値かもしれません。予算管理の正確さと同時に、コンプライアンス面からも課題が残ります。

スピードと精度、この2つの問題を改善するために、私どもYDCではシステムの導入をおすすめしています。オペレーションではなく、企業の成長を先導する経営管理業務のために。次回は、システム導入による効能をわかりやすくお伝えしたいと思います。