「Simple Commander」の制作【第4-2回 】

前回で必要な道具はそろいました。今回は、今度こそ制作を始めます。

さて、どこから手を付けましょう?
SimpleCommanderの電源系は3.3Vにするので、電源部から手を付けるのがいいと思います。電気がなければ、
IoT機器なんてなんの役にも立ちません。

Sim4-1-1.png

一番最初に手を付ける電源部ですが、一番危険な部分でもあります。万一ショート過電流等の不具合があった場合、
感電火災に発展する事態も考えられます。
実際にそこまで行くことはほとんどありませんが、くれぐれも慎重な作業を心がけます。

3.3Vの電圧を作るには、LDOとか3端子レギュレータなどと呼ばれる部品を使います。

この部品は、コンデンサー2個と組み合わせると、直流の入力電圧を直流の出力電圧に下げる機能を持っています。

SimpleCommanderでは、新日本無線のNJM2391DL1-33というものを使います。これの仕様は以下の通り。

■出力:3.3V 最大1A
■入出力電位差:1.1V(標準)
■入力最大定格:10V

つまり、4.4V~10Vの電圧を加えると、3.3Vの電圧を出力し、最大1Aまでの電流が取れるという意味です。
外部電源として、5VのACアダプタを使い、この三端子レギュレーターを通すことで3.3Vの電源が得られます。

では、実際に回路図を見ながら作ってみましょう。

電源部の拡大写真(表)
Sim4-1-2.png

(裏)

Sim4-1-3.png

実装したら、電源をつなげる前にちゃんと確認しましょう。目視確認だけでなく、テスターを使って、
入力側の+と-がショートしていないか、出力側の+と-がショートしていないか、入力側の+と出力側の+が
ショートしていないかを確認します。

OKなら、メインSW(SW1)をOFFにしてACアダプタを接続します。この状態で、メインスイッチの入力側に
5Vが来ていることをテスターで確認します。

OKなら、メインSWをONにして、三端子レギュレーターの出力側の電圧を測り、3.3Vが出力されていることを
確認します。
これが確認できたら、メインSWをOFFにして、ACアダプタを外して次の部品に取り掛かります。

電源部の実装は、下記の2点に気を付けます。

発熱に注意
 三端子レギュレーターは、入力側と出力側の電圧の差を熱に変換します。ということは、出力側に比べて
 入力側の電圧が高いと高温になります。
 この場合、ヒートシンク等で放熱しないと熱で周りの部品やケースなどが変形破損したり、
 最悪の場合発火します。
 入力電圧を選べる場合には、高いものを選ばないように気をつけます。

・実装する場所に注意
 電源ラインは、ICやLED等に必ず接続されるものです。各部品の実態配置図を見て、+のラインと-のラインが
 効率よく結べるような場所をじっくりと考えましょう。
 場所の選択を誤ると、電源ラインが複雑になり、見た目と消費電力が悪くなります。

電源部は、部品を実装して動作を確認するたびにテスターでショートしていないかを測る必要があります。
事故を防ぐためにも、面倒臭がらずにマメに確認することが大事です。

続いてMCUを実装しましょう。

MCUとは、Micro Control Unitの略で、CPU、メモリ、IO等が1チップに収められた、組み込み用のチップの総称です。他にも、MCUとかマイコンとか言われたりします。

SimpleCommanderでは、ESP-WROOM-02というものを使います。

20190111-10.jpg

実装の簡略化のため、DIP化されたものを使用します。

DIPとは、いわゆる昔ながらのICのカタチをしたもののことで、DIP化とはピンの幅などの企画をDIPに合わせたもののことを言います。

MCU部の回路はこちら。MCUに電源とリセットボタン、各種設定ジャンパ、いくつかの信号線の接続、デバッグ用UARTのコネクタを実装します。

20190111-12.jpg

実装済みのMCU部の拡大写真(表)がこちら。真ん中の黒い部品がICソケットです。MCU基盤が抜き差しできるようになっています。MCUを実装する前に通電してみて電圧を計測できるので、接続ミスがないことを予め確認できます。

20190111-13.jpg

20190111-14.jpg

完成しました。

表示部については試作の段階で回路を組んで確認していたので、特にいうこともありません。
最後に、全体の回路図を掲載します。

20190111-15.jpg

本機は、下図に示すような機器と連動し、会議室用のドリンクオーダーシステムとして完成しています。

20190111-16.jpg

この後、ソフトウェアの制作やMQTTサーバ等との接続テスト等を行う必要があります。

「Simple Commander」の制作は今回が最終回です。

ご愛読ありがとうございました。

  • LINE
  • Mail