ワンイシューで戦う強さを考える

2019.09.13

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。 

今回は考え方を考えるという内容にしたいと思います。P_column_1_201909.jpg 

参院選以後、N国の話題がかなり多くなりました。色々な意味で取り上げられており、私もYouTubeでかなりN国の内容を拝見しました。今回はN国について記載するというのではなく、「one-issue(ワンイシュー)」で戦う強さについて考えてみたいと思います。

 

 

最近感じるのですが、一つの問題を大きく争点に上げて、それで戦うという手法がかなり多くなってきたように思います。例えば、イギリスのEU離脱、大阪都構想、古くは郵政解散などありました。何と言ってもこの手法の利点は分かりやすいという事です。ある意味、当たり前ですよね。と思うのですが、では何故この手法が多用されないのかというのも興味深いと思います。

少し政治の話から離れて、製品を企画する場合を考えてみると、マーケティングにもグローバルニッチトップ戦略というものがあります。簡単に言うとあるビジネスを行う時にセグメントを極小化して選択し、そこにすべての資源を集中して磨き上げる事でどの企業よりも優位なポジションを得るという事ですが、何かワンイシュー戦略と似ていませんか?

実際、ワンイシューとは意味が違うので同一とは言いませんが、一つの事に焦点を当てる事によって突破するという点では同じです。物事が複雑になってくると必ずこの流れが出てくるように思います。

ほとんどの人は「めんどくさい事」は嫌いなので、構成要素が多いものを総合分析して決断するのは面倒だと思うのでしょう。確かに実際面倒ですし、細かく比較表にしなければならない点でどれも失敗なのかもしれません。
シンプル・イズ・ベストという言葉は古くからありますが、分かりやすさの点でこれは重要です。

例えば家電業界を考えた場合、あくまで個人的な意見ですが、単機能製品から複雑化、多機能化して進化していきましたが、これが原因で衰退したように思います。現在元気なツインバード工業の電子レンジはオシャレでシンプルというものです。
ではシンプルなものは他には何があるでしょうか?
例えば、Google検索の画面は本当にシンプルですよね。ロゴがオシャレに変わるようにはなりましたが、基本的には検索の枠が一つあるだけです。 

当時Yellow PageとしてはYahoo!の方が先行していたように思いますが、Googleが出現した時はこんなぶっきらぼうなサービスが流行るはずがないと思っていましたが、今では世界のGoogleで私自身も使わない日がないぐらいです。

他にはどのようなものがあるでしょうか?
iPhoneもシンプルですね。最初はディスプレイにボタンが一つというものが売れるのかと思いましたが、こちらも大ヒットです。ダイソンの羽根のない送風機?扇風機?もシンプルです。

P_column_2_201909.jpgまた、ダイソンはコマーシャルも上手いと思うのですが、「吸引力が落ちないダイソン」という性能面でもある機能の一点突破のように思います。軽いとかオシャレとか消費電力が低いとか他にも性能的な要素がありますが、あくまで「吸引力が落ちないダイソン」です。当然総合性能が良くなければ大ヒットとは行かないとは思いますし、マーケティングが上手いというのもあるとは思いますが、一点に特化するという戦略は成功をしていると思います。

別の意味では、ワンイシューにすると興味ない人を取り込むという効果もあるのかもしれません。マーケティングに詳しい方は当たり前の知識なのかもしれませんが、Yes、No問題にすると、よっぽど変な争点でなければYesの人を多く取り込めるという効果です。

物を買う場合、昨今はインターネットで情報収集をすることが多いと思いますが、関係する情報があまりにも膨大に得られる為に、選択することに疲弊してしまい、買うこと自体をあきらめるという現象があります。これを考えると政治にしても、製品にしても、旅行にしても何においても情報が多すぎて考えるのが面倒というのがどんどん増してきているのではないでしょうか?
なので、ワンイシュー戦略、単一機能商品、単一性能特化等にすると支持を得やすいという事なのでしょう。

企業においても、長年経営してコングロマリットになると、企業自体が何を社会に提供するのかというのがぼやけてきて衰退していくように思います。ベンチャーは特性から、ニッチトップ戦略を持っているので仮説が当たれば成長していきます。ただしデメリットとしては、芸人で言うと出オチではないですが、あまりイメージが付きすぎるとそれ以外に広げられなくなるというデメリットがあります。 

しかしながら一点突破戦略は大きな力があるので活用しない手はありません。複雑になっている戦略を見直すきっかけにするとか、新規サービス、製品を考える時に使うとか、他社の戦略を分析する時に持ち出すなど、また、会社の会議での議論で先に進まない場合にワンイシューにするとか、この手法を利用する局面を考えてみてもいいのではないでしょうか?

さて、みなさんはどのように思われますか?

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