製造業の労働人口を増やす方法

2019.08.14

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。 

今回も根本的な問題について少し違う角度から考えた方法を書きたいと思います。 そもそも労働人口を増やす方法で今多く語られているのは如何に長く働ける環境にするかという話題が多いと思われます。 年金問題も絡んで最近は老後に2000万円必要とか違う方向へ話が展開されていますが、定年延長と逆の発想があるのではないかと思いました。

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それは、大学卒業をもっと前倒しにするという方法です。 と言っても単純に前倒しするのではなく、幼稚園から大学までの教育を抜本的に変えて早い時期から働いてもらうという事です。 最近未来予測という記事をインターネットであれこれ読んでいるのですが、AIやインターネット、ロボット技術の進化は目覚ましく、2030年ぐらいには色々な分野でイノベーションが多く起きるのではないかという予測が多く私も同意見です。

これから技術は人口爆発と同じように指数関数的に高度化すると思われます。技術が進化すると今まで教育してきたものも必要性が薄くなり、今の世の中に適応した教育に変更する必要があります。そこで大学卒業を前倒しにするという事ですが、そもそも今の教育は時代にマッチしているのかという疑問があります。 事例をいくつか挙げていきましょう。 

まず語学です。これは説明が必要ないかもしれませんが、最近の自動翻訳機はかなり性能が向上してきました。 またディープラーニングの手法を使って直近のGoogle翻訳を見ても分かる通り、かなり文脈で判断されており、スムーズな翻訳になっています。 直近ではまだリアルタイム翻訳は精度、スピード共にもう一つ足りませんが、通信の高速化とCPU、AI技術の進化を考えると、もう10年以内には確実にリアルタイム翻訳機が当たり前になるように思います。 すると、語学に費やしている膨大な教育時間はバッサリと削減されます。 また、翻訳が進化すれば、英語だけでなくスペイン語、ポルトガル語、ロシア語、中国語と展開されて行き言葉の壁自体が意味をなさなくなります。10年は長いかもしれませんが、今の幼稚園児が大学を卒業して社会に出てくるのは16年後ですから、卒業する頃にはさすがに前述のような自動翻訳機が完成していると思われます。

次に、記憶力を試すテストが問題です。 これはすべての教科で結構あります。私は教育自体が不要という意味ではなくて、年号や人、記号、難しい漢字などを記憶するというのが不要であるという意味です。 結局は受験勉強及び受験制度の仕組みの問題かもしれませんが、記憶しないと合格出来ないとか成績が取れないというのは、もうそろそろ止めたらいいのではと思います。パソコンでも論文でも何でも持ち込んで最高の解決策を提示できる人の方が社会では役に立ちます。

インターネットが発達し、スマホや音声認識のアシスタントがいる時代に記憶してなければならない事にどれだけ価値があるのでしょうか?「理解する」「考える」ではなく「記憶する」だけの時間を削減するとかなり時間に余裕が生まれます。

他にはこれを記載すると色々問題になりそうですが、日本人は大学に進学しすぎの様にも思われます。 誤解を恐れずに効率という面からドラスティックに考えると、すべての職業に大学の知識は必要ありません。 かの偉大な松下幸之助も本田宗一郎も小学校卒業です。 時代がそうだったというのもあるのでしょうが、ではその時代のものづくりが陳腐なものであったかと言えば、そんな事はないと思います。言いたいのは、ものづくりに大学の知識が必要ないのではなくて、必要と感じた時に必要な学問を学べる環境づくりを行った方が良いのではないかということです。 今は学歴を得る為に勉強をしているようにも感じます。 

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少し乱暴ですが、人をコンピュータと考えてみると理解し易いかもしれません。 メモリが記憶、CPUが考える事です。コンピュータにプレインストールで色々なソフトウェアやデータが入っていれば確かに嬉しいですが、必要ないソフトウェアがてんこ盛で価格が高いコンピュータの場合、一般の市場ではあまり売れないと思います。 むしろ何も入ってなくて必要なものを後でインストールして使う方が多いのではないでしょうか。 この場合、後からインストールを可能にしているのはオペレーションシステムがあるからです。これを義務教育と考えれば何となく理解できないでしょうか?

オペレーションシステムがなければ何も動きませんが、それだけでは仕事になりません。 個人の感覚で恐縮ですが、現在の義務教育のレベルは確かに必要だと思いますが、高校からはかなり専門的に特化して行ってもいいのではと思います。

また、大学ももっと専門性を特化して、短期で即戦力になる人材育成と、研究のように真理の追及を行うコースに明確に分けて行くのもいいのではと思います。

先日NHKでAIについての特集があり、カナダの銀行でAIでの効率化により窓口業務が減り、大学卒業して窓口業務に勤務していた人がベーシックインカム制度に当選した事により、銀行を辞めてデザイナーに転身するという番組を行っていました。 このように技術革新で現在の職業は変化するので、早くから社会に出るけれども、一定の状況をクリアすれば1,2年は再度学校へ無償で行けるような補助、保護制度があれば、早くから働く事による労働人口の増加も見込めますし、自分に合わなければ再度興味のある分野を学んで別の道に進むなどで、より適材適所が実現でき、そうする事で一生やりがいを持って働くという事が可能な社会になるように思います。 人間は興味のある仕事を行っている時が一番創造性と効率が良いように思われるので、全員がそのように変化すると全体ではかなり効率があがるのではないでしょうか?

もう少しすれば寿命100年ではなく、人工細胞、人工臓器などで寿命なしという恐ろしい世界が待っているかもしれません。

その時に一生同じ仕事をして過ごすというのはそれこそ現実的でないように思われます。

さて、みなさんはどのように感じておられますか?

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