AI、シェアリングサービスで地方の買い物難民を救えるか?

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

最近はディープラーニングを活用した画像認識がかなり普及してきており、弊社でもお客様にて実際の製造ラインで活用いただいております。
そこで、この技術を買い物難民に活用できないかと考えてみました。 昨今、地方の社会問題は、急速な高齢化が原因で発生することがかなりの部分を占めていると思われます。

買い物難民が発生するステップは、以下の内容が挙げられています。

・市町村の人口が減少する事で公共交通機関が運営できなくなり、路線が維持出来ない。
・路線が維持出来なくなると、買い物や病院等への移動が問題になる。
・自家用車がある方も免許返納や運転が出来なくなり、公共交通機関が廃止されると移動手段がなくなる。

上記問題の解決方法については、以下の提案がされています。

・町を縮小しコンパクトにして徒歩で移動可能にし、そもそもの移動を少なくする(スモールシティ計画)
・インテリジェント交通・配送(自動運転、自動配送)、ドローンの活用
・宅配や移動販売の拡充

まず、スモールシティ計画は電気、ガス、水道、道路等のインフラ保守にコストがかかる事から今後日本では重要な考え方になると思われます。
実行した市町村として夕張市が有名な事例です。しかしながら、すべて夕張市のようには出来ないので、インテリジェント交通・配送も必要と思われます。
自動車の自動運転ができれば、ほとんどの問題が解消すると思われますが、自動運転はすぐに実現できそうもありません。
この分野では前回のコラムに記載したパーソナルモビリティは可能性があります。今回は移動手段の自動化は置いておき、それ以外の買い物方法を題材にしたいと思います。

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解決に向けた実現方法において、こだわる点は、今の技術で可能であり、簡単である事、また応用が利く事です。
まず、山間部や過疎地の場合、商店はコンビニの系列店も少ないと思いますので、個人商店でも導入可能な方法でなければいけません。
仕組みとしては、商品棚をライブ配信し、家の端末から画像を指定して商品購入し、自動で配送される仕組みはどうかと思っています。
また、配送がネックになるので、ここに地域コミュニティを活用したシェアリングエコノミーを取り入れてはと考えました。

具体的な仕組みですが、画像配信用に商店にカメラを数台設置します。 商品棚が画像に映ると棚の商品をクリックして商品の金額を登録します。
例えば、ニンジンを選択して「ニンジン、50円」と音声で話しかけると商品と値段が登録されるようにします。
この作業を商品の種類数分を実施します。これで準備完了です。
システムを簡単にするには、すべての商品を網羅させるとか、在庫管理するという発想は捨てます。
売りたいと思う商品が映るようにカメラをセットすればいいと割り切ります。
また、画面の端など画像が悪かったり、切れたりした場合で認識がうまくいかないケースが多少あっても良しとします。

顧客は、自宅のスマホやタブレットにて商店にアクセスすると、ライブの商品棚画像が表示されるので、画像を見て購入したい商品をクリックします。
クリックすると画像認識にて、登録された商品と合致したものを「ニンジン、50円」などと表示し、問題なければクリックして買い物かごに入れます。
買い物が終了すると、配送方法が自動でマッチングされ、買い物が終了します。

ここが肝心なのですが、マッチングを工夫し配送のシェアリングサービスを用意します。シェアリングサービスには、様々な人が登録できるようにします。
仕事帰りに手伝う人は時間指定で配送可能で登録していたり、学校終了後にバイト感覚で手伝う学生が登録をしたり、主婦がその日の空き時間を登録していたり、
様々な人が事前に登録できるようにします。値段も様々に登録でき、システムは安価な順にマッチングします。 どれにもマッチングしない場合は配送業者がセットされます。
また、買い物終了後に配送可能な人を探すために登録者にメールを送付して、配送してくれる人を募集するというのもいいかもしれません。
15分程度時間をおいても誰も出現しない場合は、実際に登録されている人にフォワードされる仕組みです。
上記のような方法は地域のコミュニティがしっかりしていれば高確率でマッチングできるのではと考えています。

なお、商店では買い物完了すると、店主が完了を認識できる仕組みを用意し、注文リストをピッキングして梱包して伝票を貼り付けます。梱包は、箱でも袋でも良いと思います。
商品がなくなると映像画面からは消失するので必然的に購入できない事になります。
最後の1個の取り合いやピッキングが遅くなって在庫が切れたらというのはありますが、完璧を求めないのも安価にするためには必要です。

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新しい技術と言っても、商品分類を行う画像認識技術と、商品を登録する場合に利用する音声認識技術程度です。
上記方法の場合、カメラ設置も厳密でなくてもいいので、設備投資はカメラとタブレットと通信環境程度です。システムはクラウド提供が前提です。
通信環境も5Gで提供して機器と一体型にすれば、システムも持って行くだけで複雑な工事が必要ありません。

買い物難民や地域での配送を軽減する為に導入するので、店舗側のシステム及び顧客への端末貸し出しが良いかもしれません。
都市型買い物難民はコンビニの移動販売やネットスーパーなど、ある程度大きい企業でのサービスが受けられますが、山間部や地方の市町村については
採算重視の企業は来ないので、地域密着の商店頼りと思われます。
その商店も近隣の高齢者の購入がなくなっていくとさらに商店も閉店するなど、負のスパイラルが予想され、商店の売上確保を含めて対策が必要と思われます。

配送する人の存在、金額設定および高齢者がそもそも端末を使えるのか等の問題はあるかもしれません。しかしながら、買い物難民対策は各種あるので
どれか一つではなく、地域に合った方法や解消に向けた複数的な方法を提供すればいいので、上記のような方法が成り立つ場合に活用してはどうかと思っています。
また、地方の個人商店も同様に存続の危機を迎えているので、購入者と販売者を簡単につなげる事によって商店側の存続、及び買い物難民解消を両立する対策にもなれば素晴らしいのですが。

皆さんはどのように思われますか?

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