大規模モジュールホームの可能性について

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

今回は、モジュールホームについて書きたいと思います。 少し前からモジュールホームは面白いのではないかと色々考えていました。 最近調べてみるとモバイルホームというのが巷で流行っています。これは小さい家で移動できるタイプや、バスの改造等の車両改造の分野です。 モジュールホームというのはこの発想とは違うものです。なぜこの問題を考えているかというと、家は資源消費量の面や購入時の費用、賃貸費用、転居時の各種費用が大きいので効率化する可能性が高いと思っているからです。

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色々調べていると、2018年5月に大和ハウス工業株式会社が"移動できる家"を研究開発するという記事を見つけました。これは私が考えていたものと近いもので、既に誰かが考えていたのだなと思ってがっかりしたのですが、私が考えていたモジュールホームはどうかというと、まず以下の目的を果たせるものがあればと考えておりました。

1. 大きなビルディングスケルトン内でモジュールを動かせる事

2. モジュール(部屋)の切り離し、結合ができる事

基本的にはこの2点です。 大和ハウス工業株式会社の記事だとコンテナのような居住スペース(インフィルと呼ぶらしい)を高耐久性のスケルトンで組合せて使い、自由に取り出して別の場所に移動するようです。 私は取り外して、他の場所に運ぶというのは道路の幅を考えると部屋の幅が決まってしまうので、運ぶという要素は除外して上記2点だけを考えていました。 

そんな需要あるの?という疑問から解きほぐしてみましょう。 今、若干問題にはなっている統計ですが、総務省統計局の「住民基本台帳人口移動報告 平成29年(2017年)結果」によると住民の移動は年間489万人だそうです。 この内、都道府県間移動者数は228万人、都道府県内移動者数は260万という事なので、何かしらの理由で転居する人というのは結構おられます。 私自身も過去引っ越しは8回目で、県外移動が3回、県内移動が5回もあります。 引っ越し理由は、引っ越し業者や賃貸業者のサイトに色々記載されていますが、転職、転勤、結婚、出産、進学、環境の不満、親の同居等、色々あります。理由は上記なのですが、その根本原因は手狭になる、移動が不便、設備老朽化、近隣との問題、経済的な問題に集約されるように思います。 まさに、ここにモジュール型の家へのニーズがあると思われます。

昨今、自動倉庫の技術が目覚ましく、物流倉庫も全自動化の流れが加速しています。 小さい貨物の倉庫が多いですが、大きなコンテナを立体自動倉庫で保管できるような大規模設備も存在しています。 また、ハウスメーカーも工場で部品を作って現場に搬送して組み立てるような建築方法への進化もありますし、コンテナハウスなども登場してきています。 そう考えるとそろそろモジュール型の家が出て来ても良いのではと考えていました。

まず、モジュールが分離、結合できる利点ですが、これは単純で部屋の不足、余分を解消します。 最初はワンルームで契約して、結婚したら1つ2つ部屋を追加して、子供が出来たら1つ追加して、小学生ぐらいからは個々に部屋を与える為に一人につき1つ追加という事が出来るのではないかと考えました。 6畳、12畳程度のサイズをベースモジュールの基本構成にし、これを組み合わせて、大規模な立体スケルトンにはめ込んで組み合わせて使います。 増やす場合には、必要なモジュール数に相当する空きスペースへ移動して連結します。 よって、必然的にモジュールが動くことが前提になります。

次にモジュールが動くと面白い事ができます。 例えば場所の権利を交換するというのも可能になります。 長方形の大規模ビルディングスケルトンを仮定した場合、上層部や角部屋、また、利便性の良い場所は概ね値段設定が高くなるかと思います。 モジュール料金と場所の料金を分離する事で、最初は上層階にいたのですが、家族が増えてお金が必要な時は、下の人に権利を売って入れ替わるという事も可能です。また、隣人との問題で場所を変更したいというような場合など、大きな費用や移動を伴わずに様々な問題を解決できます。また不必要な部屋があれば、分離して必要な人にモジュールを売ったり貸したりする事も可能です。 モジュールなので、一人暮らしの練習であれば結合を分離して少しだけ移動して距離を置くというのも可能です。そのまま結婚した場合は、この部屋にスケルトンを連結して広くするという使い方も考えられます。

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モジュール排出を可能にすれば、古いモジュールは排出して新しいモジュールを入れ直すことも可能になりますし、モジュールを順次移動してリフォームするという事も考えられます。これは設備老朽化の解決になります。現在、老朽化マンションの立て直し問題がありますが、住人意思を合わせるのは至難の業なので根本的に解決するのはとても難しいと思われます。 しかし、移動が可能な場合は、モジュールを移動して部分的にスケルトンを修復していくという工法も可能かもしれません。

効率性ですが、スケルトンに隙間ができた場合は、ワンルーム(ワンモジュール)の契約者を入れることによって、隙間を少なくして稼働率を高めることが可能ですし、モジュール構造なので、部屋の強度は増すことができ、地震による影響を少なくすることも考えられます。

技術的には上下水道の接続システムや部屋の接合部の仕組みの工夫が必要ですし、コスト面も考慮が必要ですが、大規模で開発する事と家の大部分を工場で作成できれば大量生産でコスト低減ができるように思います。 そうすると現実的な購買価格もしくは賃貸価格で実現できるのではと考えたりしています。転勤など他府県への長距離転居には対応ができませんが、家族構成の変更により数回引っ越しをしてその都度、引っ越し費用や家財道具などの買い直し等について多くの費用をかけることを考えると長いスパンではむしろ安上がりかもしれませんし、住み慣れて気に入っている場所はなるべく離れたくないという事もありますので、引っ越ししたくないが不便を解消したいという需要は結構大きいように思われます。

こういう家があれば面白そうなので私は入居してみたいのですが、皆さんはどのように思われますか?

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