劇的な変革が起こるパーソナルモビリティの可能性について

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

今回はパーソナルモビリティについて考えたいと思います。 自動運転技術が現実味を増してきましたが、個人的にはパーソナルモビリティとの相性が一番良く、一般自動車より実現が近いと考えています。この分野は例えばCES2019で日本のWHILL社が「自動運転+電動車椅子」というコンセプトで脚光を浴びています。

車道を走行するものでは、自動車メーカーが一人乗りの電気自動車を開発していますが、これも期待しています。実証実験についてはつくば市、横浜市等の各自治体で実施されていますが、もっとスピード感を持って国全体で実行できないのかといつも思います。 安全性の議論はとても重要ですが、移動するもの(航空機、自動車、鉄道、船舶)含めてすべて利便性とのバランスに成り立っています。 誤動作等の安全品質には妥協をしてはいけませんが、規制緩和については目の前に広がる課題の解決にむけて前進する勇気も必要です。

stockfoto_78590928_XS.jpg

さて、私が劇的な変革が起こると思うのは「歩道」を走る自動運転付きパーソナルモビリティです。 圧倒的にニーズは多くあると思います。近距離移動では近くの買い物、通勤、通学用途での駅までのアクセスでほとんどを占めると思いますが、それ以外には定期的な通院、塾、習い事などの移動も多いと思われます。それはバスや自転車でいいじゃないかと思うかもしれませんが、自動運転が可能になる事で何倍にも利点があります。

自転車との比較を考えた場合、まずクローズドスタイルにすることです。 これで雨をしのげます。 これだけでもかなりの効果があります。e-Statの「統計でみる都道府県のすがた2018」を見ると、降水日数は全国平均で年間122日、北陸地方は多く170日程度あります。 年間の半分近くの移動の煩わしさがなくなるだけでも効果的と言っても過言ではありません。 

次に、自動運転効果です。 これは何と言ってもシェアリングサービスが可能になる事と、乗り捨て、送迎ができる事です。 

よく自転車で問題となるのが駐輪場の問題です。 これが本当に煩わしい。 駅に駐輪場はありますが、出し入れが面倒ですし、契約をするとか、その場で払うとか、決済も面倒です。中国では自転車のライドシェアサービスが流行っていますが、これも駐車場問題はある程度解決できますが、目的地そのものではないという点と自転車が偏ったりする問題は否めません。

これを一気に解決するのが自動運転です。 Uberやタクシーなどのライドシェアで良いではないかという話もありますが、結局人間が運転するという事で劇的な価格低減は見込めません。 また、運転手が少ない地域ではそもそもシェアする母体の車と運転手が少ないというのが問題です。

そこで次に考えられる反論としては、遅すぎるという問題です。 基本的にこれも問題ないと思います。

まずよく問題になっている地方での高齢者の買い物難民ですが、根本的に時間の制約は少ないと思います。 都会はどうでしょうか?駅から徒歩圏内の人は、ほぼ変わらないので問題ありません。 バスを利用している人は、バスを待つ時間、乗車時間、停止時間(停留所、信号)、バスから自宅までの徒歩の時間のトータル時間を考えると、よっぽど距離が遠い場合以外は意外と差が少ないと思われます。 特に冬の雨の日にバス停で待つ程辛いものはありません。また、毎日タクシーを使うという裕福な方は除いて、毎日家族のどなたかが送迎される場合は確かに有利ですが、送迎する側から出来れば自分で通勤して欲しいと思われていると思います。

それ以外の利点は、バス通勤の場合、そもそもバスが走っているルートでの駅の利用を考えておられると思いますので、歩かなくて済むのであれば違う駅の選択も可能と思われます。 運行時間の制約も外れるので深夜、早朝に利用したい場合も可能になります。また、乗車時間が長くなったとしても「その時間は他の事ができる」というのが大きな利点なので、仕事をしたり、インターネットを閲覧したり、読書するというのも考えられます。一人乗りなので、電車やバスと違って音も出せますし、軽食ぐらいは可能です。移動時間が何も出来なければ時間の制約が考慮されますが、色々できるのであれば、自宅の時間を分割すると考えれば移動時間の概念も大きく変わるように思います。

また、送迎した後は、地域ごとの一定場所に戻るようにしておき、その移動中も利用者がいれば、その場で止めて乗り込むというのも可能にすれば、軽くランニングして疲れたら流しのライドシェアに乗り込むという事も可能です。料金は、乗り込んだ最初にクレジットカードをかざして、降りる時に再度かざすことで利用分だけ請求が行く仕組みにすれば問題ないように思います。

stockfoto_71752952_XS.jpg

自動走行の実証実験はかなり行っていますし、準天頂衛星のGPSにより精度はかなり高くなっています。 レーダー、センサー、画像認識にて周囲の安全性を担保する技術も実現レベルに到達しています。 また、高集積なバッテリーも可能になっていますので技術的には可能と思われます。 歩道を走るには時速6Kmという制限がありますが、逆にこの速度制限のおかげで自動停止などの安全性のハードルは圧倒的に低いので実現が早いと思っています。 狭い道などどうするのかという課題もありますが、まずは広い歩道のみを走れるようなMAP定義をして始めればいいのではと思います。

利用が広がるにつれ徐々にパーソナルモビリティを前提とした街づくりに変化すると思われます。

パーソナルモビリティは、台数が多く出るのでそれを支える周辺装置、部品が大量に生産されると結果的に大きな車の部品にも共有されて大きな車の価格も下がるのではと思います。 早く実現すれば、システム毎輸出する事で日本の製造業も元気なれるような気がしています。

皆さんはどのように思われますか?

  • LINE
  • Mail