自然災害とIT

2018.07.19

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

西日本の皆様は大変な状況が続いていると思いますが、一日も早く普段通りの生活に戻れるようお祈り申し上げます。

私自身も広島県の呉市出身であり、今回の西日本で発生した豪雨のニュースを見ると心痛むものがあります。

2018年は大阪府北部地震、平成30年7月豪雨や各地の噴火など各種自然災害が発生しており、弊社も関西支社がございますし、個人的にも大阪に20年以上居住していた事や、広島も故郷という事もあり、自然災害の脅威をとても身近に感じております。最近のブログでは社会インフラのITを考えるという事で色々記載してきましたが、災害についても減災や、早く通常生活に戻る為に何か貢献できないのかと考えさせられます。

個人的な感想で恐縮ですが、直近の地震や豪雨の状況に関して、災害情報の活用という観点からは報道機関の情報よりもTwitter、Googleマップや検索の方が役立っているように感じます。

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どのような災害が起こっているのかという内容を報道では行いますが、タイムリーではないですし、実際に災害に直面している方の目線に立てばどこが安全であるとか、避難ルート等、刻々と変化する災害情報に合わせた避難に関する情報が欲しいと思われます。また、直接的な災害が収まった後には、インフラ情報(電気・ガス・水道)及び生活物資(ガソリン・食料・医療等)等のタイムリーな情報が欲しいのではないでしょうか。 

昔に比べ高齢者以外のほとんどの方はスマートホンを持っていますし、行政機関もホームページの立ち上げやTwitterアカウントを作成しており、バッテリーがある限りはこのような情報を得ることができるようになったので、ひと昔前よりは進歩しているように思いますが、上記の情報を一括で見ることができる環境についてはまだまだ課題があるように思います。

企業のIT化でもよく問題になりますが、様々な情報をデータ化することで情報は一元化され、俯瞰でき、相関やカテゴライズ、時には生情報そのものを閲覧する事で的確な意思決定をする事ができるようになります。 しかしながら現在はTV、ラジオ、市町村の放送などで災害状況や避難勧告・指示などを得てあらかじめ決められている避難場所に移動するような状況だと思いますし、その後の対応についても、都道府県や市町村のホームページやTV、その他各種機関のホームページなどに点在している情報を個別に自分で探して見ていくしかありません。

インターネットの中で災害情報がバラバラに掲載されるとなると、Google検索などに頼るという事になりますが、それでいいのかという問題と、災害発生時の災害状況や復旧状況、配給状況に関してはとても短い時間で刻々と状況も変化するので、ある意味検索サイトの結果表示のアルゴリズムもタイムリーでないと思われますし、検索ワードをうまく入れないとヒットしないとか、ITに強い人とそうでない人では情報格差が大きいように思われます。

今回もTwitterでは配給状況や通行止め状況、浸水地区、土砂崩れの場所などが色々な人から大量にアップロードされました。それが多くの人に役立っているように感じます。 こういう状況を見ていると仕組みとしてはTwitterのような多くの人が閲覧でき、操作も簡単なもので情報収集して即時に拡散するようなものを構築してはどうかと思います。

普段使うものが一番使い易いというのもありますが、国の災害時の情報インフラを他国の基盤に頼るというのもいかがなものかと感じます。

地方では、災害時の情報を地方自治体がすべて集められるものでもなく、刻々と変化する状況はその地域に住んでいる方がタイムリーで地域にとって重要だと判断される情報を持っている事を考えると、その情報を瞬時に集めて整理・分類して生かす仕組みを作る事で少ないコストで効果的な情報提供ができるようになると思われます。

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また、他の構造的な問題としてどうしても行政は縦割りになってしまい、現在だと都道府県や市町村毎にホームページがあります。更に官公庁の管轄インフラ組織もあり、そこから情報を発信しておりますが、利用する側から見れば都道府県・市町村関係なく、自分を中心にした数十キロの生活範囲の情報が一元的に欲しいわけであり、例えば自分の居場所をマップで入力し、道路情報、インフラ情報、生活圏の小売店、ガソリンスタンド等の情報がレイヤで見られればとても助かります。

例えばスマートホンは現在ではとても安価に作れるので、災害発生時にはそういう端末を渡して利用できるようにし、平時には地方自治体が端末の利用方法を訓練するというのはどうでしょうか?

そうすれば災害時およびその後の情報格差の問題も緩和されるのではないかと思います。

その他、ハザードマップは各自治体で作成されていると思いますので、危険地帯の方に対してはリモート起動できるビーコンを配布し、非常時に携帯して頂く事で避難してなければ避難を促すとか、避難した場合はどこにいるのか、もし脱出ができない場所にいる場合は場所が特定できるようにする事も可能かと思われます。

日本は地理的に自然災害が多いのはある意味仕方なく、如何に付き合って行くかが重要と思われますが、先進国でもあるのでITを最大限に活用して災害に立ち向かえればと思っています。