IoTとAIで火事・駐車問題の解決を考える

2018.06.18

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

前回に引き続き、社会インフラのIT高度化を考えてみました。今回は火事対策や駐車問題です。

財務省主計局の「平成30年度の公務員人件費」資料を見ると、国家公務員・地方公務員合わせて約288万人おり、約27兆円が人件費として記載されておりました。内訳を見ると地方公務員が230万人で、その人件費は20兆円なので、大半は地方公務員ということになります。 平成30年度の予算の公債を除く歳入(税収等)64兆円に対する地方公務員の人件費割合を考えると結構な額のように思われます。

そこで資料は違うのですが、総務省の「平成29年地方公共団体定員管理調査結果の概要」資料を見ると、地方公務員の16.4%が警察・消防で占めており、推移を見ると他の部門は減少しておりますが、警察・消防は組織強化の為に増加しております。

安心・安全に予算を配分するのは異論ありませんが、ITを駆使して人員増を抑えながら成果を向上させるというのも必要ではないかと思いました。

近年Amazon Echo、Google Home等のスマートスピーカーが流行っていますが、公共での有効性を考えると火災報知機のスマート化は役に立ちます。最近Wi-Fi対応の火災報知器などが発売されて、災害発生時に個人にメッセージを送付できるものもありますが、やはり消防局へ直接データが送付されると効果は大きいように思われます。 

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平成25年に老人ホームや宿泊施設で発生した死亡事故により、ある一定の建物には自動で通報する装置の義務化が公布されましたが、消防庁の「平成29年(1~12月)における火災の概要(概数)」資料を見ると、1年の火災件数は全体で39,198 件あり、建物火災が全体の54.3%(21,280件)、その中でも住宅火災が53.3%(11,337件)もあります。 損害では焼損棟数が30,731棟もあります。 こう考えると一般家庭の火事が大部分を占めています。火事は近隣含めて重大な被害が出るため、消防局が火災情報を自動的に受け取る環境があれば一般家庭でも購入は進むと思いますし、消防局も迅速に対応ができるので公益性は高いように思います。

なお、総出火件数の原因別ではコンロ火災が7.7%(3011件)で3位なので、これもIoT技術を使って簡単なコンロ見守りセンサーなどは作れるように思います。 実際2009年からSiセンサーつきコンロが義務化されてからコンロ火災は減っているようです。 しかしながらリンナイ株式会社の2017年度のCSRリポートによるとSiセンサーつきコンロの普及率は2015年で50%程度なので、なんらかの事情で買い換えてない方が半数もいるという現状を踏まえると、一定時間コンロ温度が高い場合にアラームが鳴るなどの安価な後付キットがあればさらに予防効果が上がると思われます。

また、総務省消防庁が2017年12月に発表した2016年度救急車出動件数は約621万件で、そのうちの57.2%が65歳以上の高齢者であるとの事。 このうち入院の必要がない軽症が49.3%であるとの事からこちらも救急要員の体制強化に影響を与えていると思われます。 この問題には病院等の機関との連携を考慮しなければなりませんが、かかりつけの病院や救急病院と会話できるTV電話環境や治療履歴等のデータと連携を行うことにより、救急搬送前での対応や、救急搬送トリアージの判断を行いやすくするなど、救急車両出動前に安心かつ適切な対応ができる可能性があります。

高齢者が増加する今後を考えると、こういう対策は知識面、費用面ともに難しい問題があると予想されます。しかし認知症に関係する火災については、病気対策用に国が安心・安全キットを積極的に提供する事で結果的に予防や処置の分散が進み、消防・救急が小さな体制下でも十分に対応できる社会が実現できる可能性があります。

では次に警察管轄の駐車問題を考えて見ましょう。

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近年ロック板がない駐車場がありますが、仕組みとしてはカメラでナンバーを読み取って入退場管理を行っているようです。 公共で考えると路上駐車場(パーキングメータ、パーキングチケット発給設備)合わせて平成27年度末で約17,200台程度あるようでこういうものも同様の仕組みを応用すれば、駐車管理設備の設置台数を減らすことができ、また時間超過の見回り監視員も不要になります。 特に問題となるような駐停車禁止場所についても同様にカメラを設置する事によって、見回りや違反切符の貼り付け、その後の通知を行う等の事務作業もほとんど自動で行えるようになり、近隣住民からの苦情対応なども減ると思われますので、コスト削減に効果があるようにも思われます。 

さて皆さんはどう考えますでしょうか?