もっと効率化できる社会インフラのIT化

2018.05.18

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

IoT、AI、BigData、この3つのキーワードは、製造現場に限らずメディアでも今も変わらず盛り上がりを見せています。 様々な概念実証実験(PoC)が進み、その事例発表などが記事や展示会、セミナー等で発表されていますが、基本的には民間での活用が多いと思います。商売ですからそういう事になるのですが、個人的にはIoT、AI、BigDataの活用で大きな効果があるのは社会インフラではないかと思っています。 

社会インフラと言っても様々で鉄道や飛行機、電力などは民間が運営していますが、規制がある中である程度活用は進んでいるように思います。 高速道路も民営化し、ETCの普及も進んでかなり便利にはなりました。 しかしながら国策的な面でもっと活用できる局面は沢山あります。 情報量と規模からして民間企業が行うよりも圧倒的な効果が期待できます。 

また、財政も厳しいことから、歳出を長期で減らせることや、収入をアップさせることに役立つITを導入するのはどんどん行って欲しいと思っています。 そもそも行政自体のITが一般企業に比べて進んでいないように思うので、まずは省力化にITを活用した方が良いようには思いますが・・・。

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それはさておき、行政面で身近な例を考えてみましょう。 

例えば一般道路を見てみると美観アップとコスト削減の両立ができるように思います。 特に路面標示や道路標識などが多すぎると感じており、ここに関しては大きな可能性があるように思われます。 自動車では自動運転というのは一番理想的な分野ですが、そこまでいかなくても、最新の地図データと各種規制データを処理できる装置と車を連動させる事で、規制を守るように車を制御することは出来ると思います。 住宅地での暴走、速度超過、逆走、一時不停止等が防げ、事故の低減が見込まれます。 

連動はしなくても道路にはさまざまな路面標示や道路標識がありますが、これもヘッドアップディスプレイ(HUD)方式にすれば、路面へのマーキングや標識設置が必要なくなります。 また、路面標示や道路標識は設置場所によっては認識が困難な場合もありますが、HUDであれば必ずフロントウィンドウに標示されるので認識率は向上すると思われます。 それが実現すると路面マーキングは中央線や停止線ぐらいでいいのではないでしょうか。

警視庁統計資料によると、平成28年度で832,445本の道路標識があるそうです。 インターネットで標識の値段をいろいろ調べていると一本工事費込みで10万円程度らしいので、東京都だけでもかなりの費用になります。日本全体を考えると道路への路面標示塗装や標識設置と経年劣化の保守費用だけでもかなりの量と思われ、HUD化が実現するとこれだけでもかなりの費用削減と推察されます。 

標識類をデジタル管理すると規制変更でも再塗装や再設置などが必要ありません。 一方通行への変更や速度制限の変更など柔軟に対応が可能です。 他にも出会頭の事故がよく起こる箇所については、事故データと連動することによりHUDへの表示や、音声案内などで注意喚起が可能となります。物理的に工事を行う必要がないので、日本全国の道路のデータ化と車へのHUDの実装が実現してしまえば、システム運用保持とデータ更新費用は必要ですが、標識の設置・維持に関わる人件費が一番高いと思われるので、圧倒的にコストは減ると思われますし、路面への工事が削減できれば渋滞も緩和されます。

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車の高度化はかなりのレベルに来ており、今やほとんどの車がカーナビやETCを装備しており、インフラ面でも衛星データを利用した地図更新、5G、Wi-fiを含めた通信環境も充実し始めました。それを活用することによって新しい技術への対応や、実現技術のハードルは低くなると考えます。対応カーナビの一般車への普及促進は費用がかかるので問題かもしれませんが、ETCの高速道路割引や、減税処置、公共駐車場の割引等いろいろ施策を打つことにより自然に普及していくように思われます。 

こういう事をいろいろ行っていくと、ITへの初期投資はかかるとしても長い意味では費用は確実に削減され、事故も低減され、景観も美しくなり、更なる高度なサービスへの展開も可能と思われます。

さて、皆さんは想像できますでしょうか?