3Dプリンティングの可能性について

2018.03.19

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

今回のお題は3Dプリンティングです。 先月3D Printing 2018に出向いた時に、未来のものづくり方法の変革がすぐ目の前まで来ているなと感じました。 材料及び製造装置の進化とともに可能性が広がり、話題が3Dプリンティングを前提としたライン構成やプロセスモニタリング等を検討されている事に驚きを感じました。 

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3Dプリンティングについては、数年前にプラスチックで銃や車を作る等、大きな話題になりました。 しかしながら、ホビー用途などはいいのですが、実用的な用途での利用を考えると強度や原価、精度の問題から、少し未来の技術の様に感じられたのも事実です。 そのような同様の問題は残っているにしても、保守パーツや非常に複雑な形状での実用化が進み、着実に一歩一歩前進している印象を受けました。

弊社は多くの品質管理システム構築に携わっているのですが、それらは高品質、かつ大量に製造する工場を対象とした品質管理システムです。3Dプリンティングの世界を考えるとまだまだ一品物を製造する製造スタイルと考えていたので、大量生産のような傾向管理等の品質管理が不要な領域ではないかと思っておりましたが、いよいよ大量生産でのライン作りにまで3Dプリンティングの話が及ぶとなると、今の生産管理と同様の仕組みが求められるようになるのではないかと感じました。

もちろん、切断、切削・研磨等を行う工作機械と同様に3Dプリンタも製造装置なので、大量に製造する作業を実行するようになれば装置状態、材料やプロセス条件が原因で加工にばらつきが発生し、それをしっかりと傾向管理を行わなければ歩留まりが向上しないというのは必然のように思われます。 

私は3Dプリンタについて詳しい訳ではないので講演を拝聴し勉強させて頂いておりますが、パウダー残りやクラック、形状欠陥、微小voidなどの不良が発生するという話を聞くと、半導体製造や高品質金属製造と同様の問題が出るのだなと感じました。 

また、一つの方向性でX線CTスキャンからCADデータを起こし、そのCADデータを変更して違うものを3Dプリンタで製造するという話も拝聴しましたが、この製造プロセス(リバースエンジニアリングではあるが、コピー商品を作る、盗む等の悪い意味での目的ではなく、開発の高速化や進化させるための目的)の流れはどんどん進んでいくであろうと感じました。

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現実のものをデジタル化するというのは各種行われています。まったく違う領域ではLIDAR(レーザーによる画像検出と測距)でリアルタイムの世界を作りだしながら自動運転するというのも、自分中心で見える世界をデジタル化し、そのデータを活用するという一例です。 別の事例として、IKEAでは自分の部屋をカメラで撮ると、買いたいソファやテーブルをあたかも自分の部屋にあるように見ることができるARアプリケーションの提供を開始しています。これは購入したときのイメージを膨らませて消費者の購買意欲を高めるという試みです。

これも画像からその部屋をデジタル空間に変換し、ソファやテーブルをその空間サイズに合致するよう変換して表示する仕組みです。 

近い将来にデジタル計測と変換が安価に出来るようになれば、自分の家をデジタル計測し、利用したい場所にぴったりな家具を3Dプリンタでオンライン発注できるようになるとか、構造は変えられないとしても、デジタル計測と安価なプロジェクションマッピング装置にて今週は英国風、来週は日本家屋風とかにレイアウトを手軽に変更できると嬉しいなと思う今日この頃です。

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