すべて100倍高速になった場合の世界を考える

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

技術進化の情報は面白く、最近はインターネット、YouTube等で最新技術を見ることができ、とても便利になりました。 すこし前までは情報を得るのも一苦労で雑誌、書籍を買って調べるしかなかったのですが、今は手軽にレアな情報までも得ることができ助かります。そこでいろんな技術進化を見ると、ふとすべてが100倍高速になった場合の世界はどうなるのかと考えたりします。

私はIT業界にいますので、100倍高速の対象はIT関係になりますが、例えば、CPU処理速度が100倍、ネットワークが100倍、ストレージ容量が100倍、電池容量が100倍、GPS精度が100倍などなど、100倍高速世界の実現を考えるだけでも楽しくなってきます。 

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ネットワークの今に目を向けてみると、第4次産業革命は通信革命だという講演を拝聴しましたが、個人的にはとても共感しました。 前回の移動革命にも記載しましたが、データ通信は移動問題を解決する大きな要素であり、一瞬で伝送されると移動時間は極限の0に近づきます。移動時間が0に近づくというのは所有するという事が意味を成さなくなります。 特に身近な内容としてはコンテンツなど、通信が発達するにしたがって、所有するという事が急速に意味を成さなくなってきました。事実、本を買う、CDを買う、DVDを買うというのは、デジタル化とオンデマンド(通信革命)によって急速に変化しています。個人的には会社、学校、セミナーなどは直ぐにでもオンデマンドに変えられそうで、ここが変われば集合場所の有効活用や住む場所の変化による都市構成の変化は直ぐにでもできるのではないかと思ったりしています。

現在、通信では5G計画によって、4G比で20倍程度になろうとしており、これはこれで大きな前進です。

CPUの100倍は少し物足らない感じがします。現在ディープラーニングなどのAI技術が出て来ており、学習に大量の計算が必要な事から、この計算量を考えると量子コンピュータ並みのブレイクスルーが必要に感じます。 100分かかっていたものが1分で終わるのは魅力的ですが、ここまで来るとバッチ処理の短縮よりもモバイル環境で実現できることが増えることにインパクトがある気がします。

小さなCPUが高速化するとウェアラブルの高度化への応用が考えられますが、そうすると、もはやスマホも持たないかもしれません。通信が100倍になるとストレージが必要なくなり、バッテリーが100倍になればより小型化で長持ちするのでウェアラブルには好条件が揃います。

バッテリーの100倍はどうでしょうか?これはとても魅力的です。現在、車向けで全固体電池など電池関係は盛り上がっており、リチウムでも実用領域での電池容量については、コストの問題はありますが直ぐにでも達成されると思われます。

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また、単位体積あたりの容量がそこまで向上すれば、身近な家電がコードフリーになるという事もできるのではないでしょうか。電源コードがある事でいろんな制約(置き場所、持ち運び可不可での可能性)があるのは結構大きいと思われます。

分かりやすいところでは100倍になればスマートフォンも3ヶ月程度充電無しで駆動できます。実際は消費も増えるのでそこまで増えないとしても、充電頻度の低下の効果は大きいと思われます。無線給電技術も進化すれば、家庭内配線、業務用配線も圧倒的に少なくなり銅資源の節約にもなります。

また、他の移動体に関しても先日NEDOのセミナーで航空機の電動化というのを拝聴したのですが、燃料のケロシンと2次電池は、単位重量あたりのエネルギーが100倍違うので航空機の電動化は難しいと話されていましたが、100倍差が埋まると飛行機、ヘリコプターも電池で動く時代が来るかもしれません。技術的課題はまだまだあり、進化のスピードはありますがいつかは必ず100倍の時代が来ます。さて、皆様はどのような社会を想像されますでしょうか?

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