IoT、AI、BigDataデータ活用その前に!

2017.09.20

代表取締役社長 山本 智明

いつもご愛読頂き、誠にありがとうございます。

今回はデータ活用について少し気になる事をお話ししたいと思います。 というのも、昨今メディア等で「データ爆発」というワードが頻繁に取り上げられており、取得できる物は全てデータを保存し、この活用こそが大事! という若干乱暴な感じも多く見受けられ、心配しています。 弊社もYDC SONAR (R)というデータ活用プラットフォームを数十年に渡って開発・販売しているので、データ活用の風潮が広がるのは追い風であったりします。ただし、データ活用を考える上で検討しなければならない項目も多く、その内容について考えたいと思います。

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初めにお話しするのは、データ活用においてそもそもの目的は何なのかというベーシックな事が挙げられます。IoT、AIを利用して、新しいビジネスを立ち上げる為に技術視点からのビジネス創造を考慮するのであれば、対象データは価値があるものとして当初から設計されているので良いと思います。ただし、それ以外の既存の仕組みで新たにデータを取得して利用する場合は目的によっては慎重に検討することが必要です。 

慎重に検討することを推奨する理由は、データは増やせば増やすほど予想以上にメンテナンスコストが膨大にかかるということです。これはデータ量の話を言いたいのではなく、このデータは誰が何の目的で何時から何時まで利用するのか、関連するデータは何なのか、重要度は? セキュリティレベルは? と様々な軸で「誰かがデータを管理」しなければならないからであり、その管理コストがとても大きいという事です。 データ量そのものはストレージが安価になっている為に問題は少なくなってきています。但し、なんでも取っておくというのは今後の価値発見の確率とメンテナンスコストを考慮して慎重に判断しなければなりません。

これとよく似た問題として、帳票管理というのがあります。 システムを長年運用していると帳票が膨大にあるという話は皆さんも聞かれることが多いかと思います。 これが厄介で、システムリプレースなどを行う時に、もはや誰が何の為に利用しているのかがわからなくなっており、捨てたいが捨てられず累積され、時間の経過とともにメンテナンスコストが膨大になるという問題です。 データ管理においてもこれと同じ問題を引き起こす可能性があります。 

上記を考えると、管理するデータを安易に増やすのではなく、今あるデータで解決できないのかと今一度考えて見ることが重要です。

どうしても管理データを増やすことが必要な場合は、アダプティブで停止・取り外しが可能なシステム設計と評価サイクル設計の実施を推奨します。

次に、課題解決型なのか、課題探索型なのかもきちんと議論されてない事で、不要なデータが増えている気もします。

課題解決型は、問題が特定できているので対策を行うという事、課題探索型は、問題をこれから探索するという事です。課題解決型の多くは、変動が多いものが対象であり、そのデータを取得して管理・監視する事が目的だと思われるので特に問題にはならないと推察されます。 しかし厄介なのは探索型です。 探索型は新規に対象物を作成する場合と、既存の対象物で対応する場合で対応方法が異なります。

システムの新規構築でデータを全て取得するケースは「問題が出る事は予想されているが、限定できない事から念の為に全て取得する」という理由からではないでしょうか。 これは無駄なデータが増える可能性が大きいので、データ取得のオンオフが簡単にできるアダプティブなデータ統合基盤構築が重要な検討課題となってきます。 

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既存の場合は、全てデータが取得できているとは限りませんが、オンライン、オフラインのデータをかき集めて分析し、原因を判定し、どうしてもデータが必要かつ変化するので監視しておかなければならない場所だけシステム化するというプロセスになると思います。 この場合は、自由に解析できるツール整備や柔軟な監視環境構築が重要になるでしょう。

このように目的によってシステム構築方針や管理方法が変わりますので、関係者で認識をあわせると立上げがスムースになると思われます。

データを増やすのは簡単ですが、捨てるのはとても難しいものです。 まず目的を達成する方法はそれしかないのかをじっくりと検討し、出来るだけ少ないデータで最大限の価値が出るように考慮する事でecoな未来を築きましょう!