EAI/EDIを統合した環境の構築および、運用に必要な開発スキルの伝搬を行いベンダーに依存しない開発体制を段階的に確立。

お客様に聞く

ユニチカ株式会社(以下、ユニチカ)では、これまで運用してきたEAIシステムとEDIシステムをデータ連携基盤に統合するプロジェクトに取り組んでおり、その開発とスキル習得をワイ・ディ・シーがサポートしています。プロジェクトの経緯とワイ・ディ・シーの提案を採用したポイントについて、ユニチカ株式会社 情報システム 新基盤構築特別プロジェクト プロジェクトマネージャー 中谷 格氏(右から2人目)と情報システム部 運用技術グループ 日並 数馬氏(右)に詳しく伺いました。

(写真左より)株式会社クロスユーアイエス ICTインフラサービス事業部 システム技術部 細見 明義氏、ICTインフラサービス事業部 システム技術部 吉見 匡景氏

ユニチカ株式会社

住所 大阪市中央区久太郎町4-1-3 大阪センタービル
創業 1889年6月19日
資本金 100,450,000円
従業員数 単独1,127人、連結3,954人(2016年5月27日現在)
事業内容 ○高分子事業/フィルム(ナイロン・ポリエステル)、樹脂(ナイロン・ポリエステル・ポリアリレート)、不織布(ポリエステルスパンボンド、綿スパンレース)、生分解材料 ○機能材事業/機能材(ガラス繊維、ICクロス、ガラスビーズ、活性炭繊維)

長年にわたって培われてきた高分子技術を応用し、フィルム、樹脂、不織布といった、生活を支える製品の基盤となる素材を世界に送り出している「高分子事業」。ガラスや活性炭などの無機系材料を中心に、独自の発想と高度な研究開発が結実したユニークな製品を展開している「機能材事業」。衣料分野のみならず、土木・建築などの産業資材分野まで、幅広い事業展開を促進する「繊維事業」、という3つの事業を中軸に「機能素材メーカー」としてグローバルに事業を展開するユニチカ。高度な繊維技術を応用することで、事業の多角化を推し進めている。2014年には、1889年の尼崎紡績創立から125年、1969年のニチボーと日本レイヨンの合併によるユニチカ誕生から45年を迎えている。

もくじ

  1. 1.「データ連携基盤」のマイグレーションをワイ・ディ・シーがサポート
  2. 2.プロジェクトの概要
  3. 3.「開発サポート」と「スキル習得サポート」を依頼できるベンダーを模索
  4. 4.アプローチや担当者のスキル、サポート体制などを評価し、ワイ・ディ・シーの提案を採用
  5. 5.段階的に社内主導でシステムの開発・維持ができるようスキルを習得
  6. 6.自社内で開発ができるようになったことが現段階での最大の成果
  7. 7.ワイ・ディ・シーへの評価と期待

「データ連携基盤」のマイグレーションをワイ・ディ・シーがサポート

--今回、ワイ・ディ・シーがサポートした業務について教えてください。

ワイ・ディ・シーには、「データ連携基盤」の「開発サポート」と、それにともなう「スキル習得サポート」を依頼しました。

開発と言っても、ゼロから新しい仕組みを作ったわけではなく、これまでメインフレーム環境で開発・運用してきたEDIシステムや、自社開発していたEAIシステムを、オープン環境へと移行するマイグレーションとなります。

--「 データ連携基盤」について教えてください。

「データ連携基盤」とは、社内の様々な情報システム間のデータを連携・統合するEAI(Enterprise Application Integration)と、加工工場や商社といった取引会社や、銀行などとデータをやり取りするEDI(Electronic Data Interchange)を統合したシステムです。EAIとEDIに関する利用状況は次の通りです。

プロジェクトの概要

--本プロジェクトの概要について教えてください。

本プロジェクトは、基幹システム全体のリプレースの一部と位置付けており、従来のメインフレームによる会計処理中心のシステムを置き換え、新しい付加価値を付けて動かすことを目的としています。ホストの機能のすべてをオープン化するために、5年がかりの長期プロジェクトとなっています。

今回のプロジェクトは、ユーザ部門の要望にスピーディ/タイムリーに対応し、細かいサイクルで新しい機能を提供できる基盤を作る必要があることを、強い意志をもって言い続けた結果、発足することができました。この考えに基づき、アーキテクチャにはこだわりを持って設計し、将来的にはサービス連携基盤化することも念頭に開発しています。

本プロジェクトが開始してからは、営業支援、マーケティングの分析、海外拠点のサポート等様々な要望に対する対応が始められています。

--リプレースは、具体的にどのような手順で進めているのでしょうか。

ホストの機能は一括では置き換えられないため、段階的にオープン化するステップを計画しています。大きく3つのステップで移行する計画ですが、データ連携基盤もこのステップに合わせて移行します。現在はステップ2の終盤で、これからステップ3へとプロジェクトを進める予定です。

【導入前】ホスト中心のシステム構成
導入前は、ホストが中心のシステム構成となっており、データ連携基盤もホストのEDI機能とEDI送受信サーバの組み合わせによるEDI機能と、EAI中継サーバで構成されていました。
【ステップ1】EAI機能部分のリプレース
最初のステップでは、まず会計システムの切り出しとEAI機能部分のリプレースを行いました。新しくテータ連携基盤を導入し、周辺システムとは従来と同じインターフェースで通信するようにしました。
【ステップ2】EDI機能部分のリプレース
ステップ2では、営業システムの切り出しとEDI機能部分のリプレースを実施しています。データ連携基盤は導入済みですので、通信機器の導入やフォーマット変換の実装などを行っています。
【ステップ3】ホストの撤廃
最終ステップでは、ホストを撤廃し、完全移行を実施します。すでにホストは周辺システムや取引先と疎結合になっていますので、データ連携基盤だけを気にして置き換えられます。

--ACMSの採用は、最初から決めていたのでしょうか。

最初のRFPを作成した段階では、ACMSありきではありませんでした。しかし、各ベンダーからの提案内容を見ると、ACMS以外の手段ではEAIとEDIを別々に構築・運用しなければならなかったり、EAIパッケージの都合で連携する周辺システムを改変したりしなければならないケースも見られました。

ACMSは、企業間のデータ連携だけでなくEAIとしても有用で、EAIとEDIを1つの基盤で統合運用できること、さらには、稼働実績も豊富で、多数の取引先や回線を効率よく管理する機能を有しており、取引量や取引先数の変動に合わせた回線の最適化なども図りやすいといったことから、当社の「データ連携基盤」として最適だと判断しました。

「開発サポート」と「スキル習得サポート」を依頼できるベンダーを模索

--外部に「開発サポート」と「スキル習得サポート」を依頼した経緯を教えてください。

様々な基幹システムと連携し、社外とのデータ転送を司る「データ連携基盤」システムには、安定稼働が求められます。

そのため、安全かつ確実なマイグレーション手法が求められますが、同時に移行期間や開発コストにも制限がありますので、最初から社内だけですべてに対応するのは難しい状況でした。

逆に、すべてを外部のベンダーに任せてしまうと、今後、新しく連携するシステムやプロトコルに対応しなければならなくなったり、変更が必要になったりした場合、都度、外部ベンダーに開発やサポートを依頼しなければなりません。その結果、導入までに時間がかかるなど細かな修正に小回りが利かなくなってしまいます。今後の連携を維持するためには自分たちがスキルを習得し、イニシアチブをもって運用する体制を持たなければなりません。

そこで、「開発サポート」と「スキル習得サポート」を依頼できるベンダーを探したのですが、最適なベンダーは簡単には見つかりませんでした。

実際、ワイ・ディ・シーに提案を依頼する前にRFPを作成してベンダー数社に提案を依頼しましたが、要件に見合う提案をしてくれたベンダーはありませんでした。

アプローチや担当者のスキル、サポート体制などを評価し、ワイ・ディ・シーの提案を採用

--ワイ・ディ・シーの提案を採用した理由を教えてください。

ワイ・ディ・シーは、ACMSの運用監視ツール(VIGIE:ビジエ)を開発・提供するなど、EDI業務に関する造詣が深く、また、ACMSに関する技術力が高く、関連システムの開発やサポート実績が豊富なベンダーと感じました。

実際に提案を依頼すると、当社の意向を最大限に汲み取ったサポートを提案してくれただけでなく、段階を踏んで確実にマイグレーションを実現し、最終的に自社で開発・運用・メンテナンスできる体制を確立するための手法とロードマップを明確に示してくれました。

また、質問に対する受け答えもしっかりしており、担当者のテクニカルスキルやコミュニケーションスキルも高く、組織的なサポート体制も整っていることを考慮し、ワイ・ディ・シーの提案を採用することにしました。

段階的に社内主導でシステムの開発・維持ができるようスキルを習得

--ワイ・ディ・シーの提案によるマイグレーション作業について具体的に教えてください。

ワイ・ディ・シーからは、マイグレーションのステップに合わせて徐々にスキルが習得できるような提案がありました。また、必要なタイミングで必要なドキュメントを作成できる仕組みの提供もありました。

【ステップ1】EAI機能部分のリプレース
ステップ1では、ワイ・ディ・シーからドキュメントやスクリプトのひな型や一部の機能のサンプル開発、ACMSの開発に関する講義等の提供を受け、当社がACMSの開発に関する技能を習得しながら、システム開発を行いました。ただし、専門的な技術が必要な部分に関しては、ワイ・ディ・シーに開発・構築を依頼しました。また、テストや移行作業に関しては当社主導で実施し、ワイ・ディ・シーはトラブル発生時の原因調査や解決方法の提案といったサポートを担当しました。

提供されたひな型、サンプルは以下のようなものでした。

【ステップ2】EDI機能部分のリプレース
ステップ2では、ステップ1の経験をベースに、当社主導で開発・テスト・移行を実施しています。ワイ・ディ・シーは、円滑な開発のための各種サポートと通信機器の設定など、専門的な技術が必要な要件に関する要件定義・開発、テストや移行のサポートを担当しました。
【ステップ3以降】ホストの撤廃
最終的には、要件定義・開発・テスト・移行作業すべてを、当社主導で実施します。ワイ・ディ・シーは、当社内で解決が難しい事項に関して、ピンポイントで調査やサポートを依頼する形となります。

自社内で開発ができるようになったことが現段階での最大の成果

--今回のプロジェクトの成果についてお聞かせください。

EAI、EDIに関して、自社で開発するスキルを得ることができたことだと言えます。今までの教育やサポートのおかげで、データ連携を設定するためのひな形や作業手順がノウハウとして蓄積されただけでなく、あるべき設定手法やプロセスまで明確になりました。そのうえ、パターンごとに流れを整理して台帳を作り、設定を自動化するなどの独自の工夫もできるようにまでなることができました。

おかげさまで、第三段階以降は自分たちで要件定義から移行まで実施できる自信がつきました。

ワイ・ディ・シーへの評価と期待

--ワイ・ディ・シーへの評価をお聞かせください。

ワイ・ディ・シーのようにニーズを的確かつ深く理解し、それを実現するために緻密に計画をし、正確に実行するといった美しいプロジェクト運営ができるベンダーはそう多くはないと思います。私たちは提案段階から、会社としての実績やPMの評価、提案の内容だけでなく、「この人たちとなら頑張れる」と思えるかどうかを見ていました。コミュニケーションが合うか、ファシリテーションができているかなど、タレント構成においてうまくやり取りができることも重要な評価ポイントだと思います。

私たちの事務所は大阪なので、ワイ・ディ・シーのサポート拠点が東京にあることも気にしていましたが、テレビ会議とリモート接続を活用することでそのような懸念は解消され、むしろサポートが必要な時には、密に連携しながら効率的にプロジェクトを進めることができ、とても感謝しています。

--ワイ・ディ・シーへの要望や期待があればお聞かせください。

すでに開発の段階は当社が主導となるフェーズへと移ってきていますが、いつでもワイ・ディ・シーがバックアップしてくれるという安心感は、何事にも換えがたいものがあります。今後は、より高度な要望をお願いしていくことになるかもしれませんが、これまでと変わらぬ迅速で丁寧なサポートに期待しています。

* 取材日時 2016年5月
* ユニチカのサイト
* 記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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