万一の際にも最新の「在庫情報」でビジネスを継続。

お客様に聞く

導入前

  • 従来方式のテープ・バックアップ
  • 同一拠点内でのサーバ間ミラーリング

導入後

  • 従来の対策を補強する構成で、5分間隔で遠隔地にあるデータセンタにデータをレプリケーション
  • 本社の基幹システムが停止した場合にも、国内の各拠点からの接続先を切り替えることで各拠点での業務を継続可能に

株式会社サンウェルでは、Standby Expressを導入することで、災害に備えたBCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)を強化した。Standby Expressを導入した経緯と効果について、同社 取締役執行役員 兒島 秀光氏、及びシステム管理部 執行役員部長 岩崎 文茂氏に詳しく話を聞いた。

株式会社サンウェル

本社 大阪市中央区平野町2-1-10 サンウェルミューズ平野町
代表取締役 代表取締役社長 今泉 治朗
創業 1966年10月
資本金 65,172千円(株主資本:30億円)
従業員数 203名
事業内容 繊維ファッション総合商社

1966年にテキスタイルの専門商社として創業。業界トップクラスの1,500アイテム16,000カラーの豊富な品揃えに加え、小単位オーダーを即日出荷する「小ロット・クイック」を武器に、国内外でテキスタイル、アパレル、リテールまで幅広く事業展開。2002年には同業他社に先駆けて事業者間でのWeb受発注システム「SUNWELL-NET(サンウェルネット)」を立ち上げて成功させるなど、業界の常識を打ち破る斬新な取組みで成長を続けている。

もくじ

  1. 1.“アナログ”と“デジタル”の融合で繊維事業に革命を
  2. 2.基幹システムのデータを遠隔地のデータセンタに5分間隔でレプリケーション
  3. 3.万一の備えに見合う必要十分な機能と費用
  4. 4.システム停止に備えた手順を整備し、災害発生時の対応体制を強化
  5. 5.データバックアップを単なるバックアップで終わらせない、発展的な活用を模索

“アナログ”と“デジタル”の融合で繊維事業に革命を

サンウェルは繊維業界の中でもITの活用に力を入れていますが、IT活用を推進することとなった経緯を教えてください。

サンウェル 岩崎氏:きっかけは、2000年問題でした。2000年問題対応としてオープンシステムへ移行し、様々なシステムを連携して活用できる環境が整ったことが出発点です。2002年には、現在も重要なビジネスインフラとなっているSUNWELL-NETというWeb受発注システムを構築しました。SUNWELL-NETは、お取引先様がWeb上でリアルタイムな在庫情報を確認して発注できる仕組みです。電話で在庫照会してFAXで発注する取引が常識だった当時の商慣習にあっては、極めて斬新な発想でした。

サンウェル 兒島氏:歴史の長い会社が多い繊維産業の中で、当社は創業50年に満たない後発会社です。後発会社が業界の中でシェアを拡大していくには、画期的な仕掛けが必要です。先代の経営陣が「イノベーション」という言葉を好んで使用していましたが、イノベーションは「画期的」であり、同時にその時代の中では「非常識」でもある。SUNWELL-NETも開始した当初は、ビジネスとして成り立つのかどうか、反発も大きかったと思います。

当時の商慣習の中で、取引のデジタル化が受け入れられた理由は何でしょうか。

サンウェル 兒島氏:アナログでの取引が当たり前の環境では、やはりアナログの世界でできることを無視するわけにはいきません。そこで、Web受発注のインフラを整備すると同時に、全国にギャラリーを展開し、サンプル生地を持ち帰ることができるようにしました。手元に実物があって発注できるのなら、従来型の取引と変わらない安心感を作り出すことができるというわけです。

サンウェル 岩崎氏:開始当初は、「注文は受け付けられたか」「商品は無事に届くのか」といった不安の声もありました。結果的には、当社にとってもお取引先様にとっても在庫確認にかかる手間やコストが軽減されましたし、注文締め切りから納期までの期間が1日程度短縮されるというメリットが受け入れられ、当初は月間500万円程度であったWeb取引が、現在では1億5千万円にまで成長しました。創意工夫の中でITを積極的に活用していくことも含め、業界の常識にとらわれない差異化への取組みが、当社のビジネスを支えています。

基幹システムのデータを遠隔地のデータセンタに5分間隔でレプリケーション

サンウェルではYDCのStandby Expressをどのように利用していますか。

サンウェル 岩崎氏:基幹システムのデータベースを、沖縄にあるデータセンタにバックアップするための仕組みとして利用しています。 サンウェルの基幹システムのサーバは大阪本社にあり、大阪本社と国内の各拠点との間をIP-VPNで通信連携しています。万一、大阪本社のシステムが停止したときには、各拠点からの接続先を沖縄のデータセンタに切り替える方法で、各拠点での業務を継続できるように備えています。

バックアップの方法について詳しく教えてください。

サンウェル 岩崎氏:大阪本社の基幹システムは、従来、同一拠点内で2台のサーバをミラーリングしていますが、その仕組みに併用する構成で、Standby Expressを利用して沖縄にあるデータセンタに5分間隔でデータの差分転送をしています。システムが万一停止した場合でも、5分前の状態のデータを利用できるという仕組みです。データのバックアップとしては、これまではテープ・バックアップで対応していました。テープ・バックアップはStandby Express導入後も継続していますので、今回のStandby Expressの導入により、バックアップ体制が強化されたことになります。

万一の備えに見合う必要十分な機能と費用

遠隔地へのデータバックアップを検討することとなったきっかけを教えてください。

サンウェル 岩崎氏:東日本大震災の影響が大きかったように思います。かねてより、BCPの必要性は理解していましたが、震災をきっかけとして対策を急ぐことにしました。情報収集はずいぶん前から進めていましたが、2011年夏頃から本格的に検討を始め、2012年の年明けから社内にテスト環境を構築して検証し、同年4月には稼働させました。

バックアップシステムの本格検討にあたり、重要視したことは何でしょうか。

サンウェル 岩崎氏:バックアップシステムは万一の備えに見合った必要最小限な機能で対応したいという考えがありました。情報収集をする中では、完全同期ができる製品も数多くありましたが、現実的には、高機能な製品を導入しても全ての機能を使うことは難しいですし、機能を使いこなすためにある程度のスキルも必要になります。豊富な機能があっても費用に見合わないということでは、意味がありません。

SUNWELL-NETの強みともなっていますが、当社ではリアルタイムな「在庫情報」を取引に活かすということを重要視しています。1時間前の在庫情報を見ている状態では、商売は成り立ちません。そこで、必要最小限の機能で万一に備えておくと同時に、可能な限りリアルタイムな「在庫情報」を提供し続けられるということを、今回のバックアップシステムの検討にあたっての必須条件と考えていました。

Standby Expressの採用に至った経緯を教えてください。

サンウェル 岩崎氏:Standby Expressを知ったのは、バックアップシステムを検討し始めてしばらく経ってからです。はじめは、複数の製品を組み合わせて実装することも検討しましたが、手間がかかる上に、何か問題が発生したときに障害の分析や管理が煩雑になるという点です。なんとか集約管理できるような製品がないかと探していく中で、必要な機能がパッケージ化されているStandby Expressと出会い、興味を持ちました。

必須条件としていた「在庫情報」のリアルタイム性については、Standby Expressでは5分間隔というほぼリアルタイムに近いレプリケーションが可能であり、そして何より、他製品と比較して導入コストが4分の1から5分の1程度に抑えられることを高く評価しました。テスト環境で検証した結果、技術仕様の面でも要件にうまく適合したことで、今回の導入を決めました。

システム停止に備えた手順を整備し、災害発生時の対応体制を強化

災害等に備えた運用体制の面で変わったことはありましたか。

サンウェル 岩崎氏:今回の導入を契機に、災害発生に備えた手順についても見直しました。現在の想定では、システム停止があっても、1時間から2時間程度で元の状態に復旧できるようになっています。また、短時間のシステム停止であれば、沖縄のデータセンタへの一時的な切り替えとしますが、1日以上の停止が想定される場合には、沖縄のデータセンタを本番システムとして利用するといったガイドラインも整備しました。

本年8月には、大阪本社と東京の拠点との間で、大阪本社のシステムが停止したケースを想定した訓練を実施しました。定期的に実施していないと万一の備えになりませんから、来年も範囲を拡大して実施する予定です。

Standby Expressを使用して実感した効果や課題などがあれば教えてください。

サンウェル 岩崎氏:バックアップ側のデータの状態を確認することができるという点がよいと感じています。同期させているデータベースのうち、片方のデータベースをクローズしないとデータを参照できない製品もありますが、Standby Expressは、両方のデータベースをオープンにした状態で確認できるという点は安心感が違います。 課題は、本番とスタンバイの役割を容易に入れ替えることができないことでしたが、Standby Expressの最新版ではスイッチ・オーバー、スイッチ・バック機能によって、計画停電時にも沖縄のデータセンタへの切り替えを容易に行えるようになるなど、活用の幅が広がると感じています。

データバックアップを単なるバックアップで終わらせない、発展的な活用を模索

最後に、サンウェルの情報基盤を支えるお立場から、今後の情報化に対するお考えをお聞かせください。

サンウェル 岩崎氏:今回のバックアップシステムの構築により、本社の基幹システムのデータが沖縄のデータセンタにほぼリアルタイムで再現されることとなりました。将来的な取り組みとして、スマートフォンやタブレットを業務活用するための基盤や、SNSツールの利用も検討していますが、災害時にモバイル端末からのデータアクセス用にバックアップデータを活用することができるシステム構築を考えています。

また、業務効率の改善やコスト削減のためのIT活用は、積極的に推し進めていきたいと考えています。一例としては、ソフトウェアのライセンス管理の改善が挙げられます。システムは一台の端末に一ライセンスを割り当てていますが、複数拠点で業務を行うような場合を想定すると、コスト効率がいいとは言えません。プライベートクラウドを利用し、デスクトップの仮想化を構築するなどして管理方法を見直していくといった構想もあります。

本社、拠点、およびデータセンタを結ぶシステム構成図

お忙しい中、貴重なお話をお聞かせいただきありがとうございました。

  • 取材日時 2012年10月
  • 株式会社サンウェルのサイト
  • 記載の担当部署は、取材時の組織名です。

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