
DBサイズ5TB、更新ログ転送量1日最大400GB 大規模DBのDR環境をStandby Expressで構築。
お客様に聞く
導入前
- システムの再構築を契機にDR環境の構築を検討するも、導入コストが課題
導入後
- 検討段階よりも半分以下のコストでDR環境を実現
- 簡単な操作でスタンバイ機へと切り替えができることを高評価
ICTソリューションベンダー株式会社富士通マーケティング(以下、富士通マーケティング)では、5TBのDBを抱える原価計算システムのDR環境をStandby Expressで構築・運用している。導入の経緯と効果について、CIT推進本部 CIT推進統括部 IT基盤サービス部 市川 峰生氏、及びシステム構築のサポートを担当したコンテンツ・プランナー株式会社(以下、コンテンツ・プランナー)ものづくりセンター 丸山 啓之氏に詳しく伺いました。
株式会社富士通マーケティング

住所 | 東京都港区港南2-15-3 品川インターシティ C棟 |
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設立 | 1947年4月23日 |
資本金 | 122億2000万円 |
従業員数 | 連結:3,435名(2016年3月末) |
事業内容 | コンサルティングから、機器販売、ソフトウェア開発、設置工事、保守までの一貫したサービスの提供/民需市場向け商品の企画、開発/販売パートナー支援 |
富士通グループの中核企業として、全国およそ60拠点に在籍する約3,500名の営業担当者および技術スタッフが、400社を超える各地域のパートナー企業と連携し、ICTソリューションビジネスを展開。「Best Solution & Best Partner」をコーポレートメッセージに、コンサルティングからシステム構築、ソフト開発、運用支援、保守、サポート、工事、教育までのトータルソリューションをワンストップで提供している。
もくじ
- 1.■大規模DBのDR環境をStandby Expressで構築
- 2.■システムの再構築を契機にDR環境を整備
- 3.■効率的な投資でDR環境が実現できることを評価
- 4.■DR環境を意識せずシステム本体の開発に注力
- 5.■ワイ・ディ・シーへの評価と期待
■大規模DBのDR環境をStandby Expressで構築
-- Standby Expressの利用状況について教えてください。
2014年7月に原価計算システムを再構築した際、DR(ディザスタリカバリ)環境を構築するためにStandby Expressを導入しました。
システムのDBは、地方のデータセンターに設置して運用しており、別データセンター上にある災害対策サイトに設置したスタンバイ機のDBと10分間隔でデータ同期をしています。
更新ログの転送量は、1日最大400GBに及ぶこともあります。
-- 原価計算システムについて教えてください。
原価計算システムについて教えてください。
本システムは、原価計算以外に、各種計上処理、資産/資金管理といった、経理業務全般を担っています。
そのため、万が一システム利用ができない場合、月次締処理だけでなく、連携する会計処理、請求処理が滞り、社内のみならずお客様や取引先などにもご迷惑をかけてしまうミッションクリティカルなシステムです。
DBのデータ容量は、10年以上にわたって各種情報を蓄積している関係で、5TBに及びます。データ消失は、莫大な損失をこうむるため、データの冗長化は必要不可欠です。データ保全、システム保全ができる仕組みが必須になります。
■システムの再構築を契機にDR環境を整備
-- Standby Expressを導入した経緯について教えてください。
以前は、バックアップデータを遠隔地へ伝送、保管する運用をしていましたが、対策としては、あくまでもデータ保全のみでした。大規模災害や致命的なシステムトラブルが発生した際、迅速に復旧できない問題があり、事業継続性の観点では不十分なことから、システム再構築を契機に、DR環境を整備することにしました。
計画当初、Oracle Enterprise Editionをベースとした高信頼・高可用性システムをSI会社から提案されましたが、コストが想定外にかさみ、導入計画に支障をきたしました。
そのことを関連会社のコンテンツ・プランナーに相談したところ、Standby ExpressによるDR環境の構築を提案してもらい導入にいたりました。
■効率的な投資でDR環境が実現できることを評価
-- Standby ExpressによるDR環境を採用した理由を教えてください。
本システムの特性上、24時間365日無停止運用である必要はありません。障害発生時も、手作業により数十分程度で復旧できれば問題はありません。コストを大幅に抑えることができることからStandby Expressの採用を決めました。採用の主なポイントは、次の通りです。
【構築・運用に関する評価ポイント】
- ・当初検討していた方式と比べて、半分以下のコストでDR環境を構築・運用できる。
- ・Oracle Standard Editionによる構成のため、コストを大幅に削減できる。
- ・更新ログ転送の際、自動圧縮・解凍機能を有しているので、WAN回線使用料を低減できる。
- ・特別な作りこみが不要で、迅速に導入できる。
【切り替え作業に関する評価ポイント】
- ・簡単なマウス操作でシステムの切り替えと切り戻しができる。
- ・高度なトレーニングや訓練などが不要で、属人化を防ぐことができる。
■DR環境を意識せずシステム本体の開発に注力
-- Standby Expressの導入効果について教えてください。
幸いなことに、システムの再構築後に大きなトラブルは発生していないため、スタンバイ環境へ切り替える機会は訪れていません。Standby Expressを含めたシステムが安定稼動しており、確実にデータが保全され、いつでも切り替えができるという安心感が、最大の導入効果と言えるかもしれません。
-- 導入時に苦労したことなどはありましたか。
Standby Expressの導入や設定はとても容易で、苦労するようなことはありませんでした。唯一、旧システムからのデータ移行で、更新ログが予想以上に膨れ上がってしまい、低速WAN回線経由でのデータ同期が間に合わないといった事がありました。結果的には大きなトラブルには至らず、容量の大きいDBを移行する際の良い教訓になったと捉えています。
■ワイ・ディ・シーへの評価と期待
-- 今後の拡張予定などあれば教えてください。
本システムに関しては、順調に稼動しているため、今のところ大きな改修は考えていません。
一方、今回の実績から、他システムへ適用範囲を拡大させることを検討しています。
-- Standby Express及びワイ・ディ・シーへの評価や期待などあればお聞かせください。
Standby Expressは日本製のソフトウェアらしく、きめ細やかでユーザインタフェースが優れており、複雑になりがちなバックアップ/DR環境をシンプルに実現してくれる製品だと思います。
やり取りする機会はありませんでしたが、コンテンツ・プランナーの担当者からは、ワイ・ディ・シーの対応はフットワークが軽くOracle DBに関する知識・経験が豊富なので、自信を持ってStandby Expressを提案できたと聞いています。
今後も、さらなる製品の機能や利便性の向上に期待しています。
販売パートナー企業概要
コンテンツ・プランナー株式会社

住所:東京都港区港南2-15-3 品川インターシティ C棟
代表者:代表取締役社長 大澤 尚
設立:1996年11月21日
資本金:5,000万円
事業内容:システム構築サービス、コンサルティングサービス、インフラ構築サービス
- *取材日時 2016年8月
- *株式会社富士通マーケティングのサイト
- *記載の担当部署は、取材時の組織名です。
- *災害対策ソリューション「Standby Express」は2019年末日をもちまして販売を終了いたしました。